エンタメプロデューサーつんく♂が立ち上げた、「青春」をテーマにした映画祭「TOKYO青春映画祭」が開催され、ノミネート作品の上映、作品賞グランプリをはじめとする各賞の発表が行われた。ノミネート作の一つ『ブスの法則』に出演した佐々木このみが、最優秀助演賞を受賞した。

　つんく♂が総監修を務め、「中2に見えるヒロイン募集」からスタート、「中2」をテーマに青春映画を製作する「中2映画プロジェクト2022」から発展した「TOKYO青春映画祭」。テーマは「甘酸っぱい」「ほろ苦い」「思春期の笑顔・涙・汗」、時には「熱血」時には「社会問題」「友情問題」「家族関係」など、「青春」とカテゴライズできる映画なら誰でも参加できる、世界でもレアな映画祭となっている。

　『ブスの法則』は、オカルト趣味で自分の容姿に自信のない女子高生が、恋を通じて成長していく青春ラブコメ。主人公の親友・このは役を演じた佐々木このみは、独特のテンポ感と存在感、主演の原涼音との見事なコンビネーションを見せ、最優秀助演賞を獲得した。

　「映画祭にノミネートされただけでもいろんな方に観ていただけて嬉しいと思っていたのに、受賞の瞬間は驚きと嬉しさで涙が出そうになりました」と喜びを表す佐々木。さらにゲスト審査員の劔樹人が「アイドル賞」に一票を投じていたことを知り、「まさかが重なりました！　ハロヲタで、エッセイも書かれているすごい方から一票をいただけたというのも光栄ですし。嬉しかったです」と驚きを隠しきれない様子。

　今作での佐々木の抑えた演技のおかしみが、独特な作品にスパイスを加える役割となっていた。「今まで舞台の演技では、派手な動きで表現することが多かったんですが、今回は静と動でいうと動は主人公のうずめちゃんなので、このはは静のなかで波を付けていこうと監督と相談して。それが自分の中でも腑に落ちたので、顔を動かすポイントや声のトーンにも気を遣いながら撮影しました。うずめちゃんのキャラクターとのバランスが大事で、ちょうどいいコンビになるように話し合いながら役を作りました」。

　若手女優にはあまり見かけない個性派。今後、次世代の名バイプレイヤーとしての活躍も期待される佐々木。「経験もまだまだ浅いんですけど、もう22歳ということで、深く深く一つの役を掘り下げて、その作品の中で生きられるように、かっこいい役者になりたいです。コメディをはじめ、様々なジャンルに挑戦したいです」と意気込みを語ってくれた。

■作品部門
●グランプリ：『けしかすの花』（監督・小池匠）
●準グランプリ：『雨のまにまに』（監督・金澤勇貴）
●審査員特別賞：『SMILE』（監督・空下慎）
●最優秀青春賞（観客投票による）：『SMILE』（監督・空下慎）

■個人部門
●最優秀シナリオ賞：笠原ちゃこ監督（『ブスの法則』）
●最優秀監督賞：内田英介監督（『雨でも晴れる』）
●最優秀男優賞：陣慶昭（『消しかすの花』）
●最優秀女優賞：光石桔梗（『雨でも晴れる』）・園田あいか（『SMILE』）
●最優秀助演賞：佐々木このみ（『ブスの法則』）・峰平朔良（『アカリとマキコ』）
●アイドル賞：園田あいか（『SMILE』）・桜田ミレイ（『従姉妹協奏曲〜いとこコンチェルト〜』）