新装紀伊國屋ホールのこけら落とし公演の第二弾公演として6月24日より上演される、『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン〜復讐のアバンチュール〜』の舞台挨拶が、9日に同場所で行われ、キャストの多和田任益、菊池修司、兒玉遥、鳥越裕貴が登壇。1年ぶりの再演となる本作への意気込みを語った。

　新装紀伊國屋ホールのこけら落とし公演の第一弾として『新・熱海殺人事件』が6月10日（木）〜21日（月）まで上演され、その後、第二弾公演として『改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン〜復讐のアバンチュール〜』が6月24日（木）〜27日（日）まで上演される。

　昨年、つかこうへい没後10年目の節目に開催された「つかこうへい演劇祭」。その中で、「改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン」と銘打ち、中屋敷法仁が演出を手掛けて上演された本作は、開幕とともに観客にセンセーションを巻き起こし話題となった。しかし、感染症の猛威によって、全ての日程を全うすることなく公演中止を余儀なくされた。そして、1年と数ヵ月の月日が経ち、リニューアルされた紀伊國屋ホールをリベンジマッチの舞台として、同じキャストが集結しての再演が決定。

　主演・木村伝兵衛役の多和田は、「去年、歴史ある『熱海殺人事件』の中でも異端と呼ばれている『モンテカルロ・イリュージョン』で木村伝兵衛を初めてやらせていただきました。コロナの影響で千秋楽や地方公演がなくなったりして、僕らキャストもですが、スタッフさんやお客さんも含めて悔しい想いをした公演でもあります」と明かし、「こうして再び同じメンバーで集まれて、新装こけら落とし公演の第二弾としてやらせていただけて嬉しい」とコメント。

　第一弾公演の『新・熱海〜』では熊田留吉を演じ、本作では木村伝兵衛を演じるという、2作連続で相反する2役を演じる多和田は、「熊田留吉と木村伝兵衛を連続で演じるというのは、きっと二度とないんじゃないかなっていうくらい、キツイ」と本音を漏らしつつ、「でも、楽しくやらせていただいております」と笑顔を見せる。

　また、多和田が「僕らは再演と聞いて集まったのですが、ぜんぜん再演じゃないです」と明かすと、すかさず鳥越も「そうなんです！」と声を大にして訴える。多和田は続けて「天才劇作家である中屋敷さんが、"この短い稽古期間でこの改竄はおかしいよ"っていうくらい、改竄に改竄を重ねて、ほぼ新作って言っていいほどバージョンアップしています」と告白し、「でも、『君たちならできる』と言ってくださっているので、演出家の言葉を胸に、楽しんで前回以上にみなさんに届けていきたいです」と決意を語った。

　速水健作刑事を演じる菊池は、「このご時世で、1年ぶりに同じメンバーでやらせていただけるという素敵な環境の中、この紀伊國屋ホールに戻ってこれることが本当にありがたく思っています」と喜びをかみしめ、「いろんな意味で素敵な作品になっていますので、前回観た方もそうでない方も楽しんでいただけたら」とコメント。

　水野朋子婦人警官役の元HKT48・兒玉は、「水野は木村伝兵衛刑事部長の愛人役です。でも、みなさんが思うような愛人ではなく複雑な関係ですが、（彼女の）部長への想い、愛し方を楽しみながら見ていただけたら」と役への想いを語る。

　気合十分の大声で話し始めた容疑者・大山金太郎役の鳥越は、「僕が役者としていろいろと経験させていただいたこと、そして人間として学んだことをすべてこの役に注いで今の僕にできる大山金太郎をみせたいなと思います！」と宣言。

　最後に、多和田は、「2作続けてという、スケジュール的にはおかしなことになっていますが、やり遂げて伝説を残したいなと思います」と意気込んだ。