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2020/07/02 19:11

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初オーディションで長澤まさみの息子役に大抜擢、期待の16歳新人・奥平大兼「ビンタされたシーンは自然と涙が出てきた」と撮影を回顧

映画『MOTHER マザー』でスクリーンデビューを果たす新人・奥平大兼(おくだいら・だいけん)(C)Deview
映画『MOTHER マザー』でスクリーンデビューを果たす新人・奥平大兼(おくだいら・だいけん)(C)Deview

 実話をベースに描く衝撃作『MOTHER マザー』が、いよいよ7月3日(金)から公開される。主演の長澤まさみがシングルマザーの秋子を演じ、社会の闇へ堕ちていく母親役に挑戦。そして秋子の息子・周平役を演じているのが、本作が初オーディション初スクリーンデビューとなる新人・奥平大兼(おくだいら・だいけん)。演技未経験ながら、まっさらな感性で、秋子の歪んだ愛情しか知らずに育った「周平」という少年の過酷な青春を生き、難役を見事につとめ上げた。

 俳優としての輝かしいスタートを切った奥平に、初オーディションに臨んだ際の想いや合格してから撮影に挑むまでの気持ちの変化、長澤ら共演者との思い出や撮影で印象に残っていることなどを聞いた。

■映画『MOTHER マザー』/奥平大兼インタビュー

――まもなく映画が公開となりますが、公開を目前に控えた今のお気持ちは?

【奥平大兼】「“やっと公開するんだ”という感じです。撮影してから1年くらい経っているので、公開されるまでが長く感じました。今は“ようやく公開される”という気持ちが大きいです」

――初めての出演作ですが、完成した作品をご覧になってどんなことを感じましたか。

【奥平大兼】「自分が演技をしていて、作品として成り立っているものを観ること自体が初めてだったので、最初はすごく恥ずかしかったです。自分がどこらへんで出てくるっていうのがだいたいわかるので、そのシーンが近づくとソワソワするというか……。映像を観ていてもストーリーを追うというより、 “ここはダメだったな”という自分のシーンの反省や、“この人のここの演技すごいな”とか、他の共演者の方々の演技の凄さなどに目が行ったりして、勉強っていう感じで観ていました」

――本作が初めて受けたオーディションだったそうですが、どんな想いでオーディションに臨んだのでしょうか。受ける際に準備したことなどあれば、教えてください。

【奥平大兼】「初めてのオーディションだったので、どういうことをやって、どういう風に居ればいいのかなど、オーディションがどういうものなのか、まずは初歩的なことを経験として勉強しようという気持ちでした。準備という準備も特にすることもなく……ただ、事前に台本をもらっていたので、セリフを忘れたりミスをしたりしないようにしようっていうのだけは気を付けて覚えていきました」

――オーディションではどんなことをしたのですか?

【奥平大兼】「オーディションは一人で受けたので、他の人たちがオーディションでどんなことをやったのかというのをまったくわからない状態だったんです。自己紹介をした後、すぐに『では、お芝居をお願いします』と言われて、2回くらい同じシーンの演技をやって終わりだったので、意外とあっさり終わるんだなっていう印象でした」

■「受かるとも思ってなかったから、自信はまったくなかった」

――初めてのオーディションでの手ごたえは?

【奥平大兼】「初めてのオーディションだったし、受かるとも思ってなかったので、自信はまったくなかったです。ただ、ミスだけはしなかったので、そこの部分はできて良かったなって思いました」

――合格したと聞いた瞬間、どんな想いが湧いてきました?

【奥平大兼】「本当に受かるとも思っていなかったので、オーディションの結果もまったく気にすることなく過ごしていたんです。そんななか、ある日リビングでゲームをしていたら、お母さんが帰ってきてすごい勢いで僕のところに来て、『受かったよ!』って言われて。最初は何のことかぜんぜんわからなくて、『何が?』と聞いたら、『前に受けたオーディション、受かったよ』と言われて。『えっ!? 受かったんだ!』ってびっくりしました。まったく実感もなかったですし、嬉しいという感情よりも驚きのほうが大きくて、とても不思議な感じでした」

――“映画に出演する”と実感が湧いたのは?

【奥平大兼】「撮影する1ヵ月前くらいに“本当に僕がこの役をやって、映画に出るんだ”と実感してきた感じです。それまでは“ドッキリみたいなものをかけられているのかな?”という感覚だったので、あまり実感もなかったのですが、撮影前に大森監督とワークショップをやって演技を教わってから、“本当にやるんだな”という実感がジワジワと湧いてきました」

――演技未経験の中、大森監督とのワークショップはどんな時間でしたか?

【奥平大兼】「本当に経験がなかったので、いかに自然に芝居ができるかということで、最初は相手役の方と普通に会話をしていて、監督がその会話の中から台本を作って、今度はその台本をもとに芝居をするというような感じで。会話をしているときは自然に自分の思っていることを言えるけど、それが台本になると自分がこれから言うこともわかっているし、相手が言うセリフもわかっているから、それをわかった上で、どう自然にできるかっていうのがとても難しかったです。

何度かそれを繰り返しやる中で、だんだんと慣れてきたなという段階になってから、映画の台本をやるという感じでした。でも、演技なんてまったくやったことがなかったので、もちろん全然できなくて。自分の気持ちを開放できなかったというか、まだどこかで恥ずかしさが残った状態でやっていたので、ぜんぜん上手くできなくて。撮影に入るまでに、上手くいったことがなかったので、“なんでできないんだろう”っていうことばかりを考えていて、ずっと不安でした」

――撮影前までは不安な気持ちを抱えていたと。実際に撮影に入ってからはいかがでした?

【奥平大兼】「そこまで緊張はしませんでした。ただ、一番最初にカメラを向けられたときは緊張しました。『カメラを気にしなくていいからね』と言われるけど、やっぱり気にしちゃうじゃないですか。“わ、本当に撮られているんだ”とか、“ここにカメラがある”って、どこかで気にしてしまう自分がいて。でも、だんだんと慣れてきて、そこから緊張や不安な気持ちが無くなって、いつの間にか“明日の撮影楽しみだな”と、不安より楽しさのほうが勝っていました。最初の頃は上手くできるかなという不安のほうが大きかったけど、慣れてからは楽しいなと感じたので、緊張は本当に最初だけでした」

――大森監督からは、芝居についてどんなオーダーや指示がありましたか?

【奥平大兼】「『台本のセリフを変えても良いし、セリフを言わなかったりしてもいいから、とにかく自分が言いたいこと、思ったことを表現してほしい』と言われました。監督から毎シーン毎シーン、そう言われ続けていたので、自分でもそうしようという気持ちが自然にできていったのかなと思います。きっと技術的なことを言われてもできなかったと思うので、監督のそういう言葉はすごくありがたかったです」

――母親の秋子役の長澤まさみさん、秋子の内縁の夫・遼役の阿部サダヲさんとのシーンが多かったと思いますが、お二人の印象は?

【奥平大兼】「長澤さんはスイッチが入るのがすごく早い方だなと思いました。僕は演技経験がなかったので、撮影の少し前からある程度、集中しないとできなかったりしたのですが、長澤さんは空き時間に、わりと楽しい話をしていても、『撮影再開します』という声がかかって、ちょっと離れて次に会うと、もうスイッチが入っていて秋子の怖い雰囲気になっていたりするので、すごいなと。そんなに早く切り替えられるのかと驚きました」

――阿部さんは奥平さんが最初に好きになった俳優だったんですよね?

【奥平大兼】「はい。『マルモのおきて』がきっかけだったんですが、阿部さんは『下剋上受験』とかでも、良いお父さんだったり、優しい感じの役をやっているイメージがあったので、今回のような役をやっている阿部さんを見るのは初めてで、そのギャップにびっくりしました。迫力もすごかったですし、僕の感情もすごく動かされましたし、こういう俳優さんになりたいなと思いました」

■「泣くのを我慢していたけど、自然と涙が出てきた」

――特に印象に残っているシーンは?

【奥平大兼】「やっぱり、長澤さんにビンタされるシーンはとても印象に残っています」

――あのシーンはとても印象的でした。台本には「泣く」とは書かれていなかったけど、長澤さんの芝居を受けて自然と涙が出たそうですね。

【奥平大兼】「もともと自分が涙を流すとかってできなかったんですけど、本番で長澤さんに本気でビンタをされて、そのときにお母さんの気持ちがすごく伝わってきて。泣くのを我慢していたんですけど、自然と涙が出てきました。自分でも後から考えると恥ずかしいくらい自然に泣いてしまっていたんですが、そのシーンはやり終わってすごく達成感があったので、とても印象深いです」

――今回、初オーディションで大役を射止めた奥平さんですが、芸能界入りのきっかけはスカウトなんですよね?

【奥平大兼】「はい、スカウトがきっかけです。スカウトされるまでは、芸能界にもぜんぜん興味がなくて、スターダストプロモーションという事務所自体も知らなかったくらいでした。もちろん、スターダストに所属している俳優さんとかは知っていたのですが、芸能事務所なんて、それまでぜんぜん耳にしたことがなかったので……」

――どういう状況でスカウトされたんですか?

【奥平大兼】「渋谷駅の改札でスカウトされたのですが、渋谷ってすごく人が多いじゃないですか。それで友達が先に行ってしまって、一人で足止めされていたときに声をかけられて。渡された名刺の裏を見たら、所属されている俳優さんたちの名前が書いてあって、こういう人がいるんだなとは思ったのですが、名刺だけもらって終わったんです。その後、友達と合流して、スカウトされた話をしたら、『その事務所はすごく大きい事務所だよ』って言われたのですが、僕としてはこの世界に入るつもりはぜんぜんなかったんです」

――その気持ちが動いたのは?

【奥平大兼】「家に帰って、お母さんにスカウトされたことを話して、『自分としては、入る気はあんまりないかな』と言ったら、『せっかくできるんだったら、やってみたら? やってみて何もできなかったら他のことをやればいいんじゃない』と言ってくれて。確かにそうだなと思って、やってみようかなという気持ちになりました。でも、中学時代は学業や部活もあったので、ぜんぜん活動していなくて。その後、部活を引退したので、そろそろ活動を始めましょうか?という話になってから、わりとすぐに『MOTHER マザー』のオーディションがあったんです」

――『MOTHER マザー』で俳優デビューを果たした奥平さん。最後に、今後の夢や目標を教えてください。

【奥平大兼】「具体的にこういう仕事をしたいとか、こういう役をやりたいというのはまだないのですが、いろんな役を演じてみたいです。今回演じた『周平』は、自分の性格とはあまり似ていない反対の役だったのですが、それで楽しいと感じることができたので、ほかの性格や役をやったらどうなるんだろうという興味がすごくあります。なので、今後はいろんな役をやって、いろんな人生を経験してみたいなと思っています。初めて演技したときは、ぜんぜんできなくて何が楽しいかわからないくらいでしたが、今回やってみて楽しいと感じたので、今はこの仕事を続けたい、もっとやってみたいという気持ちが強くなりました」

■プロフィール
奥平大兼(おくだいら・だいけん)●2003年9月20日生まれ、東京都出身。スターダストプロモーション所属。初めてのオーディションで大抜擢され、本作『MOTHER マザー』が初スクリーンデビューとなる。趣味は、芸術・洋楽・クラシック鑑賞など。特技は空手で、空手初段を持ち、2012 年に全国武道空手道交流大会「形」で優勝経験がある。

【作品概要】
映画『MOTHER マザー』
7月3日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか 全国公開
<キャプ>
長澤まさみ×阿部サダヲ×《新人》奥平大兼×大森立嗣監督
母と息子。ひとつの殺害事件。実話をベースに描く感動の衝撃作――

男たちとゆきずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきた秋子。シングルマザーの彼女は、息子の周平に奇妙な執着を見せ、
忠実であることを強いる。そんな母からの歪んだ愛の形しか知らず、翻弄されながらも応えようとする周平。
彼の小さな世界には、こんな母親しか頼るものはなかった。やがて身内からも絶縁され、次第に社会から孤立していく中で、
母と息子の間に生まれた“絆”。それは17 歳に成長した周平をひとつの殺害事件へ向かわせる……。
何が周平を追い込んだのか?彼が罪を犯してまで守ろうとしたものとは――?事件の真相に迫るとき、少年の“告白”に涙する。

関連写真

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  • 奥平大兼(おくだいら・だいけん)(C)Deview

  • 奥平大兼(おくだいら・だいけん)(C)Deview

  • 映画『MOTHER マザー』7月3日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開(C)2020「MOTHER」製作委員会

  • 映画『MOTHER マザー』7月3日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開(C)2020「MOTHER」製作委員会

  • 長澤まさみ演じる秋子の息子・周平を演じた奥平大兼(おくだいら・だいけん)(C)2020「MOTHER」製作委員会

  • 映画『MOTHER マザー』場面カット (C)2020「MOTHER」製作委員会

  

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