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2019/11/18 19:51
全国中高生の声の祭典『第八回 声優魂』優秀賞は京都の高校2年生・西川真由さん「低音も武器に、幅広い役を演じたい」
全国の高校生・中学生と、世界中の“声優”を目指す若者が集う“声の祭典”「第八回 国際声優コンテスト『声優魂』」が17日、ゲートシティ大崎ホールにて開催された。24名のファイナリストが公開最終審査のステージに上がり、鳥取県出身の高校2年生・田中苑希(たなか・そのか)さんが最優秀賞に、優秀賞には東京都出身の中学2年生・金光このぶさん(かねみつ・このぶ)と京都府出身の高校3年生・西川真由さん(にしかわ・まゆ)が輝いた。西川さんは高校1年のときに臨んだ一昨年の大会では入賞止まりだったが、その悔しい思いを晴らしての優秀賞受賞となった。
一般社団法人 国際声優育成協会が、声優プロダクション、アニメ製作会社、メディアなどの協力を得て、『声の祭典』として声優の世界をめざす若い才能を応援するために開催している『声優魂』。今年は、書類・音声選考を通過した全国の中高生と、中部(飯田)・鳥取・近畿(京都)の3地方大会受賞者、そして世界中からのエントリー「インターナショナルカテゴリー」の代表を合わせたファイナリスト24名が最終審査のステージに上がった。
西川さんは一昨年、第六回大会に出場。入賞止まりだったことで自信を無くし、昨年は挑戦する勇気が出なかったという。しかし高校3年生となり、チャレンジできる最後の年に再びエントリーした。「高校1年生のときは“まぁ、なんとかなるでしょ”みたいな軽い気持ちで受けてしまったので、今回は本気で行かなくてはダメだと、しっかり台本を読み込んで、役作りも考えて臨みました。アフレコ審査は声が変に裏返ってしまったり、思い通りにはいかず悔しい部分もあったんですけど、優秀賞をいただけて嬉しい思いでいっぱいです」。
前回の反省を活かした部分もある。「前回はいい声じゃなきゃダメだってずっと思っていました。作り過ぎて、自分の声ではないような声を使っていたので、声が自然と小っちゃくなってしまったんです。今回は、自分らしい演技、自分らしい声で挑むように心掛けました」。アフレコ審査では、若い挑戦者のために、審査員は思い切った演技や、モノマネにならない自分の声で演技するように指導する。西川さんの姿勢はちゃんと審査員に届いたのかもしれない。
西川さんは自己紹介で「低音も出せる音域の広さ」をアピールしていた。「昔はビックリした時とかに低い声が出ちゃったり、寝起きの声がすごく低かったりして、コンプレックスを抱いていたときもありました」というが「カラオケに行ったとき、私が男性の曲を歌うと、友達が“なんでそんな音域を出せるの!”“スゴイねっ!”って言ってくれて。これってプラスに捉えていいんだって思って、そこから自分の武器にしようと思いました」と、声優としての個性として大切にしている。
憧れの声優は高山みなみ。「物心ついたときから『名探偵コナン』がすごく好きで、毎週欠かさず観る大ファンです。以前の作品で高山さんが、コナンくんと女性歌手の役を一人二役で演じていらして。全然気づかなかったんですが、エンドロールを観た時に“えっ! 高山みなみが二つ!”って驚いて! その役では歌も歌っていらして、こんなにも広い幅でお芝居できる方がいるんだなって。そこから声優というものを意識するようになりました」と、声優を志すきっかけにもなったという。
西川さん自身「女性も演じられて、可愛らしい男の子も演じられる声優」が目標。さらに「歌うことが大好きで、父の知り合いの生バンド演奏があるバーでイベントに出演させてもらったりしています。声優だけでなく、歌もできる、マルチに活躍できる人になりたいと思っています」と夢を語った。
なお第八回 国際声優コンテスト『声優魂』インターナショナルカテゴリー入賞者として、朱恩永さん(韓国)、ヒュー・ジョウェン(Hew Jowen/マレーシア)、李詩蘋さん(香港)がそれぞれ選ばれた。