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2019/09/19 18:32
女優・小林涼子、ロシア『アムールの秋映画祭』レッドカーペットに着物姿で登場 地方映画『ひとりじゃない』がドイツに続く海外映画祭招待
東日本大震災で家族を失った被災者の孤独をテーマに、宮城県登米市豊里町発で制作された地方再生映画『ひとりじゃない』が、9月14日から16日までロシアのアムール地方・プラベシチェンスコ市で開催の、映画と舞台の祭典『アムールの秋映画祭』の中のユーラシア国際映画祭「日本シネマデイズ」で上映された。同作の海外映画祭への招待は、ドイツのハンブルグで行われた国際映像祭「2019 Would Media Festival Television &Corporate Media Awards」に続き2回目。ヒロインを務めた女優・小林涼子は14日に行われたレッドカーペットを着物姿で歩き、「人の想いと想いが繋がって、この作品がどこまで行けるのか、私自身すごくワクワクしています」と感想を語った。
映画『ひとりじゃない』は孤独死防止をテーマに、鐘江監督がオリジナルストーリーを書き下ろした地方再生映画。沿岸被災地で妻と子供の3人を亡くした男、赤井誠(稲森誠)。被災地から離れた地に移り住んで独り暮らしを余儀なくされ、亡くなった家族が忘れられず、後追い自殺も考えながら、鬱々とした日々を過ごしていたが、自転車で旅をする稲川美奈子(小林涼子)との出逢いが、赤井の暮らしを徐々に変化させていく…という物語。ロケは豊里町で行われ、メインキャスト以外には豊里町の住民も出演している。
ヒロインの美奈子役を演じた小林は、このような地方発信の映画に出演するのは初めて。彼女はそこで、挑戦的な企画ならではのエネルギーを感じたようだ。
「実は、本来、プロフェッショナルなスタッフのみで行われる映画撮影ですが…この作品は、監督、カメラ、音声、役者などの主要のスタッフ以外は全て豊里町の方々が出演、協力して頂いただいて作った挑戦的なプロジェクトです。数日間ではありますが、お父様方は車両を、お母様方は食事を、女子高生はスタートの合図を…など、確実出来る事を協力し、寝食を共にして心と魂を込めて撮影に挑みました。皆のエネルギーが詰まったこの映画によって、東北に住む方々そして、観て下さった皆様に希望やインスピレーションを与えてくれる事を強く願います」
そして、日本の地方発の映画に込められた想いが、遠くロシアの人々にまで届いた。小林は、現地で肌で感じた想いについて語る。
「今回は、前夜祭から参加させていただきました。2011年の大地震がどれだけ大変な事であったのかはロシアの方々もご存知で、私達の所に沢山の方が『その後日本は、大丈夫?』と関心を持ち、声をかけに来てくださり、驚きました。レッドカーペット前に行われた上映会も、朝から整理券を求めに来てくださり、映画館は満席になりました。見終わった方からも沢山メッセージをいただき、遠く離れたロシアと日本の登米市豊里ではありますが、共感し、エネルギーを感じてもらえたと実感しました」
今回もハンブルグに続いて着物で映画祭に出席した小林。そこには映画作品と共に、日本文化を伝えたいという気持ちも現れている。
「ドイツ、ワールドメディアフェスティバルに続き、今回も着物を着るために、着付けの練習をして、日本から着物を背負っていきました。その甲斐あって、観客の皆さんはもちろん、レッドカーペットに参加された様々な国の役者さん、監督さんにも着物を褒めて写真を撮っていただき、日本文化へも関心を持っていただけたように感じます。レッドカーペットを歩く前は緊張でどうか転びませんように!とドキドキでしたが…歩き始めたら、スキップしたくなる程嬉しかったです」
世界の人々に共感の輪を広げ続けている映画『ひとりじゃない』。実は今後北米最大の日本映画祭『JAPAN CUTS Hollywood Japanese Film Festival』の招待作品にも選ばれており、11月に行われる映画祭では米ロサンゼルス「ハリウッド チャイニーズシアター」で上映されることも決定している。
「ドイツでの受賞も驚きましたが、東北、ロシアと嬉しい報せが続き…夢みたい。人の想いと想いが繋がって、この作品がどこまで行けるのか、私自身すごくワクワクしています。引き続き、見守っていただけたら嬉しいです!」