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2019/09/14 22:47
Vtuberとアイドルがつんく♂ミュージックで夢の共演「ヴァーチャルもリアルも歌の表現力って大事なんやなぁ」
ヴァーチャルアーティストとリアルアーティストの競演で“つんく♂ミュージック”を楽しむ次世代のxRエンターテイメント『It's a Virtual&Real Pop World!』が14日、池袋HUMAXシネマ内xRエンターテイメントスペース「SPWN」にて開催された。
ヴァーチャル側からは、2017年9月から活動しているVtuber界のアイドル「ときのそら」、飯窪春菜(ex.モーニング娘。'18)がプロデュース(!?)する「ニーナ」、たい焼きと美少女ゲームが大好物のエリート巫女「さくらみこ」、日本人Vsingerで初めてベトナム、ホーチミンでのフェスに出演した「香坂美充」が登場。
リアル側からは、8月13日につんく♂サウンドプロデュースの7thシングル「Be lonely together」を発売したばかりのアップアップガールズ(2)から選抜メンバー、吉川茉優と高萩千夏、そしてレベルファイブが仕掛けるアニメ『イナズマイレブン』のエンディングテーマを担当する「alom」の寺田真奈美と小室さやかが登場した。
劇場のスクリーンに映し出されたヴァーチャル空間のライブステージに、トップバッターのVsinger・香坂美充が登場し、モーニング娘。の名曲「LOVEマシーン」を歌うと、ファンも総立ちでペンライトを振って応援で応える。この後もヴァーチャル勢は自身の持ち歌と共に、ニーナが「彼と一緒にお店がしたい!」(モーニング娘。)、さくらみこが「桃色片想い」(松浦亜弥)、ときのそらが「ロマンティック浮かれモード」(藤本美貴)と、つんく♂楽曲の名曲を歌唱。リアル側の出演者2組はつんく♂から提供を受けた楽曲を披露。アップアップガールズ(2)は「Be lonely together」「We are Winner!」を、alomは「彗星ガールズ」「恋する乙女は雨模様」をそれぞれ歌唱した。
ライブハウスの爆音とは異なる映画館の高音質で、スクリーン上のVtuberとアイドルを客席のファンがオールスタンディングで応援するという特殊な形態のライブだが、遠隔地のスタジオにいる出演者側も客席の熱量をリアルタイムで感じ取りながら、またステージから煽るというインタラクティブ性もあって、すぐにその距離感が縮まって行く。
そしてヴァーチャル組のステージを見たリアルアイドルは「声が可愛すぎて! 尊いってこういうこと! ステージの使い方も上手」(高萩)、「ヴァーチャルの皆さんの可愛い動きは人間には難しいけど(笑)、勉強になったなーっと思うので取り入れて行きたい」(寺田)、「みこちゃんみたいに、たまに“疲れた〜っ”とか言ってみたい(笑)」と、ヴァーチャルならではの独特の可愛さの表現に舌を巻き、刺激を受けた様子。
そしてこのライブならではのヴァーチャルとリアルのスペシャルコラボが実現。香坂美充とニーナの2人で歌う「ザ☆ピ〜ス!」(モーニング娘。)に始まり、さくらみことアップアップガールズ(2)の「ちょこっとLOVE」(プッチモニ)、ときのそらとalomによる「Kiss me 愛してる」(℃-ute)を連続でパフォーマンス。ヴァーチャルとリアルのアイドルのリアルタイムの共演が最新技術で可能となった。
そして、会場でお忍びで観ていたつんく♂からその場でメッセージが届けられた。「ニーナのプロデューサーの飯窪は、そっちにいるらしいけど、YOU出ちゃいなよ」とムチャ振りすると、スタッフは“無理っす”という顔だったそう。ニーナが「ボスも出てくれればいいんですけど…いまごろ裏でお弁当食べてまーす」とフォロー。さくらみこに対しては「キャラすごいええねー」、ときのそらには「さすがやな〜」と絶賛。しかし香坂美充には「おにぎりトーク、弱っ!」とヴァーチャルシンガーのMCに“リアル”なダメ出しをしていた。
そして今回の試みについて「今回初体験させてもらったけど、ヴァーチャルでもリアルでも歌の表現力って大事なんやなぁって思った」と感想を語り、「最初からヴァーチャルで観てるから、リアルがヴァーチャルに感じてきて、よく分からなくなってくるな」と、そのシームレスな感覚に驚きを表していた。そして最後に「いい声、いい歌をたくさん聴かせてもらいました、ありがとう」と、手応えを感じているようだった。ラストは出演者8人全員で「歩いてる」(モーニング娘。)を歌唱。様々な可能性を感じさせたライブ『It's a Virtual&Real Pop World!』。つんく♂の今後のプロデュース構想にも新たなヒントを与えたに違いない。
■ライブ終了後の出演者コメント
(ライブの感想/第2弾・第3弾への希望)
【香坂美充】「ライブを目標に活動してきたので、今回こうして素敵なメンバーの皆さんと一緒にライブが出来てすごくすごく楽しかったです。お客さんも皆さん優しくて。私のことを知らない方も多かったと思うんですけど、一緒に“オイ!オイ!”って声を出してくれて、すごく嬉しかったです。今後機会があったら、海の上(の映像)でライブとか? 私はニューヨークでライブをするのが夢なので、ニューヨーク感が味わえるセットで出来たらいいなと思います」
【さくらみこ】「踊りも頑張ろうと思って挑んだんですけど、やっぱりみんなみたいに踊れなくて悔しいなあって思いながら、もっともっとアイドルっぽく踊れるように練習しようと思いました。参考になりました! ありがとうございます。今回、みこも初ライブで、すごくすごく緊張したんですけど、憧れのそら先輩と、こんなに素敵なアイドル、Vtuberの皆さんと一緒に共演出来て、とっても嬉しかったです。今後やることが出来たら、リアルのアイドルさんとの共演なので、もうちょっと距離が近づけられたらいいなって。ハイタッチとかもしてみたいなって思いました」
【ニーナ】「私も初めてのライブだったんですけど、私のボスがモーニング娘。OGの飯窪春菜さんなので、今日はつんく♂さんがいらっしゃってるので、すごくプレッシャーをかけられたんですよ! “しっかりしなさいよ”って。ニーナ的には楽しく出来たんですけど、たぶんこの会見の後、反省会が待ってると思うと気が重いです…。つんく♂さんも“飯窪、YOUも出ちゃいなよ!”っておっしゃってたんですけど、ニーナもボスと共演したいなって思います」
【ときのそら】「Vtuberとリアルなアイドルさんとが共演するということで、すごく新鮮だったんですけど、Vtuberの皆さんが仲良くしてくれるのはもちろん、リアルのアイドルの皆さんも優しくお喋りしてくれたし、パフォーマンスがとにかくすごくて、いろんなことを学ばせてもらいました。活動の場が広がりますし、すごく新しい風が吹いたなということで、とても嬉しく思いました。今回は私たち8人でライブをしたんですけど、もっともっといろんなことができるようになったら、フェスみたいにたくさんの人とパフォーマンスできる機会があるんじゃないかと思うので。おっきいフェスがやりたいです」
【alom・小室さやか】「私は小さい頃にモーニング娘。さんに憧れて歌手になりたいと思って目指したので、つんく♂さんの音楽を楽しむイベントに出られたということは、本当に夢の一つが叶ったというくらい、すごく楽しい時間でした。でも、ヴァーチャルのアイドルさんと絡んでダンスするシーンが無かったので、少し寂しいなって思ったんですよ。なので、次はがっつり絡んで振り付けとかやったら盛り上がるんじゃないかと思います!」
【alom・寺田真奈美】「初めての体験で、これまでのライブでは味わえない緊張感があって、対応できてたんかなって不安な部分もあるんですけど、自分の音楽人生にとっていい経験になったので、また次があれはもっと成長してヴァーチャルに溶け込めたらいいなって思います。次があるとしたら、私もヴァーチャルになりたいです!(笑)。すごい可愛いじゃないですか、みなさん。私もひらひらさせて歩きたい!」
【アップアップガールズ(2)吉川茉優】「アプガ(2)はこれまでいろんな形でライブをやってきたんですけど、ヴァーチャルの世界に飛び込むのは初めてで、どうなるかなってすごくドキドキしていて。でも本当に楽しくて! 本当にそこにお客さんが声援をくださってるような感覚で、ライブハウスじゃなくてもライブが映画館で出来ちゃうというのって本当に新しいことだなって思いました。つんく♂さんの前でパフォーマンスをさせていただくのが初めてだったのですが、その感想が『。。。』だったので(苦笑)、もっと成長したパフォーマンスを見ていただけるように頑張りたいなと思いました」
【アップアップガールズ(2)高萩千夏】「小さい時からハロオタで、オタクして頑張ってきて良かったなって思いました。そして日本の技術すごいなって。次はもっと技術開発者の皆さんが凄い事をしてくれるんだろうなって思っているので、ぜひ今度は人間の世界にヴァーチャルの皆さんに来ていただいて。今回は画面越しだったので、ヴァーチャルの皆さんを目の前で見てほしいなって思いました。ダンスとかも絡めたら観てる人ももっと面白いと思うので、日本の開発者の皆さん、頑張ってください! 未来が楽しみですね」