丸美屋食品ミュージカル『アニー』の公開ゲネプロが26日、新国立劇場 中劇場にて行われた。この日ゲネプロを公開したのは、オーディションで選ばれた岡菜々子（おか・ななこ／10歳）がアニーを務める「チーム・バケツ」。自由で生命力に溢れたアニーが躍動した。

　日本上演34年目となるミュージカル『アニー』。山田和也演出版の上演は今年で3年目となる。明るくいつも希望を忘れないアニー像はもちろんだが、不況のニューヨークを生き抜くタフさ、いたずらっぽさ、ずる賢さまでも魅力的に描き、子供から大人まで多くの観客のハートをつかんでいる。

　特に今年のバージョンはコミカルなシーンのメリハリがハッキリしていて、アクションや表情も大きく楽しい。台本のなかにも登場するハーポ・マルクス擁するマルクス兄弟をほうふつとさせるような笑いも。

　またアニーを取り巻くキャラクターも個性的。3年目となるウォーバックス役の藤本隆宏は、成り上がり者のがさつさも織り込んで、アニーによって愛情に目覚める姿を好演。ハニガン役の早見優は、普段の活動では全く見せてこなかったやさぐれ感を表現し、滲み出すセクシーさで魅了する。青柳塁斗（ルースター）と服部杏奈（リリー）の悪役カップルも憎たらしさをアップさせ、彼らがこらしめられるラストがより痛快になっている。

　今回の公開ゲネプロを行ったのはチーム・バケツでアニーを演じる岡は、オーディションに向けて磨いた伸びやかな歌声を存分に発揮。明日への希望を信じさせてくれる、説得力のある笑顔が印象的だ。孤児たちの息の合ったやり取り、そしてダンスキッズの個性あふれる「N.Y.C.」も見どころだ。

　丸美屋食品ミュージカル『アニー』は、4月27日（土）〜5月13日（月）まで新国立劇場 中劇場にて上演。8月より、全国ツアー（大阪、松本、仙台、広島、名古屋）公演あり。