日本上演34年目を迎えるミュージカル『アニー』の公開稽古が26日、新国立劇場中劇場で行われ、主演のアニー役ダブルキャストの岡菜々子、山崎玲奈、ハニガン役の早見優、ウォーバックス役の藤本隆宏が囲み取材に出席した。

　ゲネプロを終えたばかりの岡は「明日から本番と思うとお腹が痛くなるけど、チーム・バケツ、チーム・モップのみんなが楽しくお話してくれるので緊張がほぐれます。最後まで頑張りたい」と意気込む。山崎も「初主演ミュージカルなので、お客さんに自分のアニーを伝えられるように頑張ります」と宣言した。

　大富豪・ウォーバックス役を演じて3年目の藤本隆宏は「彼女たちは自由。形で演じるのではなく心で演じて、歌っているのが素晴らしい」と2人のアニーを絶賛。「（主演という重圧を）お互いに共有して、励まし合っていてすごく仲が良い」と、2人の関係性について語った。

　そう言われた2人は「そうらしいです（笑）」と飄々としたもの。学校の友達がゴールデンウィーク10連休を満喫しているさなかに本番を迎えるが、山崎は「今、季節が何かも忘れるくらい集中しているので。家にこもってるより大笑いして演技していたほうが絶対楽しい」と言い、岡も「家でゴロゴロしているよりはいいです。楽しくてアッという間」と答え、取材陣を笑わせた。

　子供嫌いでアニーをいじめるハニガン役の早見は「こんな意地悪な役は初めて」だという。そして「演出家の方からアドバイスをいただいて、すっかりハニガンが降りてきて、普段からすごく意地悪な感じになってて。でも役としてはすごく楽しい」と笑った。しかし「アニーがホントに上手だから、ウォーバックスさんとのシーンを見ててキュンキュンして、気付いたら泣いちゃってて。あっ私の出番だ！っていうことがあります（笑）。入り込んじゃうんですよね〜」と、どうしても優しい部分が隠せないようだ。

　今作の見どころについて藤本は「早見さんのセクシーさ！　ブロードウェイの女優さんを見ているようです」とべた褒め。早見は照れながらも「いつも褒めてくださるんですけど、今日はちょっと傷つくことを言われまして。メイクで隣に座ったとき“子どものころから見てました”って言われて。その頃は私だって子どもでしたよ！」とおかんむり。藤本は「憧れの存在だったので嬉しくて…表現を間違えましたね」と焦っていた。

　ミュージカル「アニー」は27日から新国立劇場中劇場で開幕。5月13日まで上演。