ニュース
2019/03/31 08:31
「でんぱ組虹コンJr.メンバー募集」でんぱ組.inc・古川未鈴&成瀬瑛美に直撃取材「好きなことを好きと言って貫けるよ!」
トイズファクトリーとキングレコードがタッグを組み、それぞれのレーベルに所属するグループ「でんぱ組.inc」と「虹のコンキスタドール」の「Jr.メンバー」を選抜するオーディションの募集がスタートした。アイドル界をざわつかせるこの大型企画について探るべく、オーディション情報サイト「デビュー」がでんぱ組.incのメンバーを直撃取材。でんぱ組.incの結成に関わり、今回オーディションの審査員を務める古川未鈴、そして、現在放送中のプリキュアシリーズ最新作『スター☆トゥインクルプリキュア』の主人公・星奈ひかる/キュアスター役に大抜擢され、夢を実現した成瀬瑛美に話を聞いた。
「でんぱ組虹コンJr.メンバーオーディション」は、SNS時代のいま、ネットカルチャーに沿った新しい時代のアイドルを発掘すべく、上限12名を候補生として採用。合格後は、ディアステージと所属契約し、トイズファクトリーや、キングレコードからのメジャーデビューを約束するという企画。審査員には音楽のみならず、アニメやゲーム、映像、舞台、ファッションなど様々な分野のクリエイターも参加。一大プロジェクトとして展開される。でんぱ組.incの二人もその動向に興味津々の様子だ。
■でんぱ組.inc 古川未鈴×成瀬瑛美 インタビュー
――今回、でんぱと虹コンの「Jr.メンバー」を募集するというビッグニュースに、ぜひ当事者にお話をうかがわなくてはと思って参りました。
【古川未鈴】「でんぱ組.incがデビューして結構な月日が経つ中で、アイドル業界にも秋葉原にも時代の変化があって。アイドルブームみたいなものがもしかしたら落ち着き始めているのではないか?というタイミングでのオーディションなので、また新しい風をアイドル界隈に吹かせられる、そんなグループを作りたいんじゃないかなって感じています。でんぱ組.incと虹コンのJr.メンバーと言う名目での募集は初めてなので…いざ募集するとなるとちょっと不安ではありますよね。でも、ファンレターやツイッターで、“でんぱ組.incになりたい”“憧れてます”と言ってくれる女の子もたくさんいらっしゃるので、そんな子たちにもぜひ応募してもらいたいです」
【成瀬瑛美】「最初に話を聞いたとき、私たちメンバーのライブ本番中の早着替えとかをさせてくれるバックダンサーの子たちを募集してくれるのかなって思って(笑)。実は私自身はアイドルになりたいという気持ちはないんですけど、でんぱ組.incはすごく独特で面白いと思っていて、私自身が今メンバーじゃなかったら、でんぱ組.incに入りたいと思うんですよ! だから、なりたいと思ってくれる個性的な子がいるんじゃないかと(笑)。そんな面白い子を待ってます!」
――今やディアステージには個性あふれるアイドルが所属していて、ほかのアイドルには無い特徴を持っていますよね。
【古川】「それって、正統派アイドルで勝負が出来なかった我らの末路というか…」
【成瀬】「結局そういうこと!!(笑)」
【古川】「やっぱり学生時代に、ちょっとくすぶった生活を送っていたメンバーがでんぱ組.incにも多いので、そういう劣等感を抱いた子たちが、自分たちで戦える武器を手にしたらこうなったみたいなところがあるんです。でんぱ組.incでメンバーの実体験を基にした『W.W.D』という楽曲を歌って思ったのは、同じような経験をしている子ってたくさんいるんだなって。そういう子たちの一つ光になるようなオーディションであればいいのかなって思います」
――そういうアイドルの在り方は、でんぱ組.incが切り拓いた部分があるのでは?
【古川】「どうなんですかね? 最近オタクへの迫害が少なくなったとは思うんですけど」
【成瀬】「それはそれでさみしくて(笑)。それぞれ個々が“これが好き”っていう強い想いを持ってるところがでんぱ組.incの強みだったと思うんですけど。今はそういうグループさんやアイドルさんが増えてきているので、私たちにとっても次の新しい何かを切り拓けるような新しい刺激をくれる子を、このオーディションに期待しているところもありますね。私たちに憧れて入ってくれるのも嬉しいけど、刺激し合える存在になりたいって思うんですよね。ヘンな方向に貫いてる子に来てほしいです! (目の前の水を手に)ペットボトルマニアとか(笑)。そんなんじゃ活かせないかな…アイドルに」
【古川】「わかんないよ? ステージドリンクのペットボトルにやたらこだわりがあるとか」
【成瀬】「毎回ライブのお客さんが楽しみ!」
【古川】「バラエティ番組とかに出られそう」
【成瀬】「そうだねー!(笑) 意外とフックがあるかも?」
――こんな人に来てほしいという希望はありますか?
【古川】「私もえいたそ(成瀬)も、元々秋葉原ディアステージっていうお店から出てきているんです。ディアステージって、自分たちで“あれがやりたい、これがやりたい”みたいなものを発信していかないと形にならないところで、“今日からキミはアイドルだ”みたいなプロデューサーがいる環境ではなくて。だからアイドルに限らず“私、これやりたいんです!!”みたいな積極性のある子が強いのかなって思います」
――実際、でんぱ組.incが生まれたのも古川さんの提案があったからですよね。
【古川】「発端の一つだったのかなとは思います。当時、秋葉原ディアステージはアニソン文化が強くて、アニソンシンガーになりたいって女の子がいっぱいいて、アイドル文化は無かったんです。そんな中で、私はSPEEDさん、モーニング娘。さんに憧れていたので“ユニットのアイドルをやりたい!”と、ずっとずーっともふくちゃん(福嶋麻衣子)に相談していて、そこから始まっているんです。やりたいことを口に出して言うのが一番の夢への近道なので、そういう意味でこのオーディションはすごくいい機会だと思う。“コレがやりたいです!”って言ったことが、ガシッと刺されば、もしかしたら人生変わるかもしれない。自分のやりたいことを言える女の子がいいと思います」
――アイドル志望だけじゃなくて、自分の夢の実現に利用してほしいと。
【古川】「私、昔からディアステージが『登竜門』になればいいなと思っているんです。ディアステージ出身だということが、どこの業界にいっても“ああ、あそこの子は違うな”って。そういうステイタスになれば超カッコいいなって」
――それこそ成瀬さんは「声優になる」「プリキュアになる」という夢を叶えました。
【成瀬】「ディアステージにはすごく恩を感じています。みりんちゃんの“『ファミ通』に載りたい!”とか、私の“プリキュアになりたい!”とか、自分のやりたいことをウワーッ!って周りの仲間やスタッフさんに言っていると、あたたかく力を貸してくれて、応援してくれる。そういう素敵な仲間やスタッフさんが揃っているので、オススメです! なにより仲間が仲間の夢を応援しているので」
――お互いを認め合った仲間がいるという感じがしますよね。
【成瀬】「“みりんちゃんがゲームの番組頑張ってる! うおおおおーっ!”みたいな気持ちになるんですよ! “あんなに難しいFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)も頑張ってやっとる〜!”って。みんなそれぞれ分野が違うところから集まって来ているんですけど、事務所の雰囲気も…他の芸能事務所を全く知らないのでなんとも言えないですけど…雰囲気はとても良いと思ってるので。あと先輩が優しいから(笑)。ほらっ! えいたそとみりんちゃんも待ってるよ〜っ! やさしい先輩だねぇ〜」
――今や、ディアステージの公式サイトを見ると後輩がたくさん在籍しています。
【成瀬】「いますね〜。常に意識してます。この子の声いいな〜とか。この子好き、とか」
【古川】「このオーディションがきっかけで、“今私、超先輩なんだ!”って実感するんです。学生時代にほとんど学校に行けてなくて、先輩・後輩の文化を築いてこなかったので、“今、人生で初めて先輩なんだ”って(笑)。なんとなく後輩って先輩に気にかけてもらったら嬉しいのかな…みたいなことを想像して、たまにツイッターとかで『おっ、シンセカイセンの映像が公開された。カッコいい!』みたいな感想を発してみよう、…とか最近先輩ぶってます(笑)」
【成瀬】「うんうん、きっと嬉しいよぉ〜。私も、気に入った後輩がいると“あの子、でんぱ組に入れよう”とかいう目で見てます」
【古川】「最近は虹コンからでんぱ組.incに加入したり、兼任したりということもあるから。ある種ファミリー的なところも出てきたのかな」
【成瀬】「ハロプロさんみた〜い(笑)」
【古川】「ぺろりん(鹿目凛)もねもちゃん(根本凪)も、でんぱ組.incに憧れて動き始めところがあって、私もアイドルに憧れて動き始めたから、でんぱ組.incってそういう存在なんだということを二人の存在で改めて感じて。だったら先輩らしく、しゃんとせねばな〜とは思います」
【成瀬】「ほぼ実感はないので、あいかわらず、ふだんはホエ〜ッっとしてるし、ただのオタクだし。先輩とは?って感じなんですけどね。」
――ディアステージやでんぱ組.incと出会わなかったら、今頃どうなってたと思いますか?
【古川】「私は、たぶんYouTuberになってたと思います」
【成瀬】「私も!! ゴメン、被っちゃった」
【古川】「何が何でも表に出たい、自分でやるしかないって想いがあふれ出てしまった結果、そういうところに行きつくと思うんですよ」
【成瀬】「私は歌い手になってたと思う。歌をネットに上げて、ニコニコ超会議でライブをしたりとか?」
【古川】「でも、私はおそらく、YouTubeに動画を上げたら、二本目ぐらいで終わってたと思う。やっぱり大変だからね〜。そしてネトゲの住人になっていたかも。本当にそれでいいと思っていたので」
【成瀬】「そうだねぇ〜。私もたぶん人前に出なかったかもしれない。アニメとかの広報、宣伝の仕事に就いていたかも」
――そういう境界にいる子が、表に出たいという夢を叶えるきっかけになるオーディションなのかもしれませんね。
【古川】「自分では思ってもいなかったようなことが、武器だったって気づくことがあると思うので」
【成瀬】「今回のオーディションはアイドルを目指している子じゃなくてもいいんですよね? 例えばなんだろ、陶芸のプロを目指していて、陶芸のプロとして有名になるためにアイドルの活動をしようという人でもいいですよね。人それぞれなんだから」
【古川】「ヘンな言い方だけど、踏み台にするぐらいの気持ちでいいと思います。夢に向かうツールとして使うのも間違ってないと思う」
【成瀬】「使ってください、全然! 自分の目標を叶えるために」
――今回、古川さんは審査にも加わります。
【古川】「錚々たる面々の中に、ぽろっと私がいる感じなんですけど…。アイドルオーディションって、今や星の数ほどあるから、正直、オーディションも選べると思うんです。そのなかでこれだけの審査員の方が居てくれるのは、決め手の一つになるんじゃないかと思います。ディアステージは、すごくポップカルチャーに特化しているので、どちらかというと、オタクのほうが話は早いんじゃないかなって面々が揃っていると思います」
――ゲームやアニメの第一線も方々もいらっしゃいます。
【古川】「アイドルの審査員にスクウェア・エニックスの齊藤陽介さんが入ってるの!?ってビックリすると思うんです。“この人がいるんだったら応募してみようかな”って思わせてくれるような魅力的な審査員が揃っているので。見てくれる人の数が多い分、用意されている椅子の数が多くて、選択肢がすごく広いオーディションになっています」
――応募して来てくれた子にはどんなことをしてあげたいですか?
【古川】「初めて日本武道館に立った時、その2年前から『武道館に立ちたい』って宣言して活動して、言ったことが本当になった。だからこんなオタクの私たちでも武道館に立てるんだぞっていう前例を見せてきました…ということは伝えられるんじゃないかな」
――このインタビューを読んで応募しようと考えている人に、メッセージをいただけますか?
【古川】「実は昔、雑誌の『月刊デ☆ビュー』をめっちゃかじりつくように読んでました。映画『バトルロワイアル2』のオーディションも応募したなあ…。元々学生時代いじめられていて、とにかく有名になりたい! 何かみんなをギャフンと言わせられるぐらい有名になれる手段はないのか?という、見返したい気持ちだけでやってきて…オーディションに全部落ちてたっていう。だから今回取材してもらって“ドヤ!”って復讐を遂げました(笑)。私は、デビューを読んでいる子たちの気持ちが分かります。オーディションに応募する子たちって、悔しい!みたいな経験をした子も多いんじゃないかと思うので、そういう気持ちをバネにして来てもらえればいいと思う。アイドルってみんなホントに悔しい想いをしているので、その気持ちは力になるぞ!っていうのは、声を大にして言いたいですね」
【成瀬】「本当に応募しないと始まらないので、とりあえず、ちょっとでもやりたい気持ちがあったら、このインタビューを見た瞬間に、履歴書を書く!頑張れ!と言いたいですね。一方で、強い想いが無くてノリで応募してもいいと思うので、インスピレーションをピピン!と感じたら、応募してください。私もここで声優の夢を叶えられたので、“自分の好きなこと好きと言って貫けるよ”って、教えてあげたいですね」
「でんぱ組虹コンJr.メンバーオーディション」の応募資格は12歳から22歳の女性。応募の締め切りは4月5日必着。応募要項はオーディション情報サイト「デビュー」に掲載中。