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2019/03/19 19:49
陳内将&久保田秀敏、芸人×俳優の異色コラボ『劇団アニメ座ハイブリッド』初参戦への意気込み
座長の若井おさむをはじめ、アニメキャラクターのモノマネを得意とするお笑い芸人たちによる「劇団アニメ座」と俳優がコラボする舞台公演、「劇団アニメ座ハイブリッド〜めぐりあい・舞台〜」がいよいよ3月21日(木・祝)より幕を開ける。オーディションサイト『Deview/デビュー』では、第2弾となる本作に出演する陳内将&久保田秀敏に、アニメ座初参加への意気込み、本作のみどころなどをインタビュー。
【陳内将&久保田秀敏インタビュー】
◆「芸人さんの畑に僕ら役者が飛び込み、芝居を構築していく新たな挑戦」
――アニメ座への出演が決まったときの率直な感想を教えてください。
【陳内将】「お笑い芸人さんと一緒にお芝居の舞台に立つというのは、これまでも経験したことがあったんですが、今回は、芸人さんの畑に僕ら役者が飛び込んでいって、そこから芝居を構築していくというまた新たな挑戦になるなと思いました。きっと、それぞれの本業を活かして、フォローし合いながら作っていくことができるのかなと。芸人さんを尊敬していますし、稽古のときは、全力で芸人さんの技に甘えつつ、自分がここで求められている役割をしっかりと果たして、いろんなものを吸収していけたらなと思っています。本を読んだときにも感じたんですが、またぜんぜん違うジャンルの舞台に挑戦するんだなという印象でした」
【久保田秀敏】「僕も芸人さんに対してリスペクトしかないので、今回役者として新たに成長できる、とても良い機会だなと思いました。イベントや舞台で芸人さんと絡むことはありますが、一つの作品の中でこれだけ多くの芸人さんたちと絡める機会って、なかなか無いと思いますし、僕ら役者陣もここは腕の見せどころだなと。それぞれ活躍しているフィールドが違うので、今回観に来てくださる方の中には舞台を知らないお客さんもいらっしゃるでしょうし、逆にお笑いを知らないお客さんもいらっしゃると思うので、この作品を通して、エンタメがどんどん広がっていけばいいなと思っています」
――お笑い芸人さんと俳優のみなさんとの化学反応がとても楽しみな舞台ですが、天津・向さんが手がけた脚本を読んだ印象は?
【久保田秀敏】「僕はアニメ座に出ると聞いたとき、勝手な思い込みで、僕も何かのアニメのキャラクターになってやるのかな?と思っていたんです。でも、本を読んでみたら、意外と物語上しっかりとした立ち位置の役柄で、剣の達人ということなので、これはちゃんとやらないとなって思いました」
【陳内将】「ヒデにぃ(久保田)とはこれまでも何度か共演しているんですが、今回初めて向き合う役というか、僕ら二人がストーリーの中で軸となって展開していくので、それが個人的に嬉しかったです。僕らがシリアスな芝居をしっかりとやっていくことで、より芸人さんたちのコミカルな部分も引き立つなと思いました」
【久保田秀敏】「さっきみんなの前でアムロ・レイのモノマネを披露しちゃったから、僕の役のキャラ設定、たぶん変わってくると思う(笑)」
【陳内将】「僕も歌を披露するシーン、吟じようかな(笑)」
――それぞれ演じられる役についても教えてください。
【久保田秀敏】「本読みをして思ったのは、本当にまっすぐで実直な人だなと。ちゃんじん(陳内)が演じる勘三郎のことを良きライバルであり、仲間でもあると思っていて。だからこそ、剣を捨てた勘三郎に対して、“なんでお前はそんな簡単に剣を捨てられるのだ!”という真っ直ぐな思いがある、正統派な人間なのかなと思っています。でも、さっきアムロ・レイやっちゃったし、今後どうなっていくのか……(笑)。そういう部分もちょこちょこ出しつつ、軸となる部分はブレないように演じていきたいなと思います」
【陳内将】「これからブラッシュアップの作業に入るので、最終的にどうなっていくか僕らもわからないし、そこは楽しみなところでもある。僕が演じる勘三郎は、剣の腕前はあるんだけど、歌の方が好きという理由で道場を辞めてしまうという役。勘三郎は目の前にある楽しいことや賑やかなことに行きがちなんだけど、そうなった経緯は何だったのか?とか、もともと壮蔵とは仲が良かったっていう設定でもあるので、そういう深い部分や過去の部分もしっかりと作っていけたらと思っています」
【久保田秀敏】「そうだね。壮蔵と勘三郎の関係性については、二人でもいろいろとアイディア出しつつ作っていきたいね」
――稽古期間が普通の舞台よりも短期間ですし、お笑い芸人さんと作品を作り上げるということで、いつもとは違う感性が必要だったり、役者としての技量も試される舞台でもあるのかなと。
【久保田秀敏】「今回の舞台で気をつけたいなと思うのは、僕ら役者たちが背伸びをしすぎないことかなと思います。笑いって、ついつい欲しがっちゃうんですよ。“あ、ちょっとウケたから、もう1コ乗せてやってみよう”みたいな感じで、どんどん上積みしていって、逆にまったく面白くなくなってしまうこともあるので。僕らが笑いを取ろうとしても、芸人さんたちのスキルには絶対に適わないから、そこは身を委ねてやったほうが面白い。なので、僕らは僕らで、しっかりとお芝居をして、その地盤を固めることが先決なのかなと思います」
【陳内将】「僕らが普通にセリフを読んでいたら、向さんがツッコミで面白くしてくれるからね。そこを変にボケセリフみたいに言っちゃうと、ぜんぜん面白くならない」
――役者は役者で自分の役割を全うすることが大事だと。
【陳内将】「若井さんのアムロ・レイやR藤本さんのべジータとか、みなさんテレビとかで目にしたことがあると思うんですけど、そういうアニメキャラに成りきった芸人さんが居て、そこに向さんが”天津・向”本人として舞台に立って、僕ら役者は役として生きている……という、舞台上がすごくカオスな状態なんです(笑)。これまでだったら、たとえばDステ『十二夜』で、我が家の坪倉さんがシェイクスピア作品の登場人物を演じるとかは見てきているけど、今回の作品は舞台上での居方がみんなそれぞれ違うし、それってすごく面白い試みだなと」
【久保田秀敏】「そうだよね。アムロ・レイもしかり、べジータもしかり、いろんなキャラクターが出てくるから、まず視覚的に楽しめるっていうのがアニメ座の良いところなのかなと思います。それに、一つの作品で交わることのなかったキャラクターたちがどんどん絡んでいくから、お客さんは何も考えず、観ているだけで面白いと思います」
――ちなみに、お二人が好きなアニメキャラは?
【久保田秀敏】「僕はがっつりドラゴンボール世代なので、やっぱりべジータは好きですね。学生時代に友達とドラゴンボールごっことかもやっていたし、友達がM字バングにしてべジータみたいな髪型やっていたから、R藤本さんを見てそれを思い出しました(笑)。あと、昔からモノマネのレパートリーの中で、アムロ・レイをやっていたので、実際に若井さんと一緒にやれるっていうのは嬉しいです」
【陳内将】「僕はアニメがけっこう好きなので、いっぱいあるな〜。好きな作品でいうと、『浦安鉄筋家族』や『ドラえもん』も好きだし……。今回、ルフィ(石川ことみ)がいるのもテンション上がる!」
【久保田秀敏】「石川さんのルフィ、すごいよね。上手いし似ているし、ビックリした」
【陳内将】「野沢雅子(アイデンティティ・田島直弥)さんもいるしね」
【久保田秀敏】「そうそう、アニメのキャラではないけど(笑)」
【陳内将】「孫悟空じゃなくて、野沢雅子役っていうのが、また面白いなって思いました」
――注目してもらいたいポイントは?
【陳内将】「役者として出演するからこその見せ場が、殺陣のシーンだと思っていて。僕とヒデにぃの立ち回りで、それまで楽しんで観ていたお客様を、どれだけアッと言わせられるか。そこをしっかりとお芝居で迫力ある殺陣を見せられたらなと」
【久保田秀敏】「コントでやるような、“斬って、斬って、ウワー”っていう、ただのチャンバラじゃない、コレが役者のすごさなのか!?って思ってもらえるような殺陣を、いいスパイスで見せられたらいいなと思います」
【陳内将】「あとは、井深克彦の使われ方も最高だよね。“かっちだからこそ面白い”っていう感じになっているので、ぜひ注目してみてください!」
――これまで様々な役を演じてきたお二人ですが、お芝居や役者というお仕事の楽しさ・魅力はどんなところで感じていますか?
【陳内将】「出会いかな。現場を重ねていくごとにいろんな人に出会える職業であるということもそうですし、別の現場に行ったときに、ふと“あの人だったらどう表現するだろう”とか、いろいろと頭の中で浮かんでくるんです。そういう一つひとつの出会いが、自分の引き出しにもなるというか、財産になっているなと改めて思っています」
【久保田秀敏】「この仕事ってすごく特殊で、普段関わることのできない人たちと関わることもできたり、お客さんを笑顔にすることができたりするお仕事だなと。こんなにお客さんに喜んでもらえて、楽しんでもらえて、そして非日常の世界に惹き込めるお仕事って、なかなかないんじゃないかなと思っていて。だからこそ、やりがいや魅力を感じています」
――芝居に魅了されたきっかけは? たとえば、何かの壁にぶつかって、それを乗り越えたときに芝居をもっと好きになったとか。
【陳内将】「まさにそれだと思います。僕はアンサンブルからのスタートだったし、そこから役をいただいたことで次のステップに上がれたと思ったけど、またそこで新たな壁にぶつかって、自分はまだまだダメだなと実感して。でも、次に行ったときに、その課題をクリアできてステップアップして……っていうその積み重ねなんですよね。稽古でも、僕はスタートダッシュ形で、台本も最初に全部覚えてやるんですが、毎回、稽古期間の中盤にもっと伸びたいのに上がりきらないっていうところで行き詰るんです。そこを共演者や演出家と相談したりして、次に稽古場に行ったときに変われたり、お客さんに観てもらって喜んでもらえたっていうことの繰り返しが、まだ僕を魅了してくるのかなって思います」
【久保田秀敏】「僕は地元で御神楽をやっていたので、人前で何かを演じるということは小さいころからわりと身近にあったので、恥ずかしさより、最初から楽しさのほうが大きかったんです。でも、実際にお芝居をやってみると、メソッドとか技術も知らないから、ぜんぜんできなくて。現場を積み重ねていくうちに、様々な事を学んで、いろんな人から盗んで自分に落とし込んでいくというのをやっていくことで、どんどん役者の楽しさが増していきました。僕は不器用なタイプなので、今でも毎現場、毎現場、いろんな役者さんを見て、盗めるものは盗んで吸収するというのを自分の課題にしているので、今回のアニメ座も芸人さんからいろんなスキルを盗んで取り入れようっていうのが僕の課題です」
――では最後に、芸能界デビューを夢見る『Deview/デビュー』読者に向けて、夢を叶えるために大切だと思うことはどんなことでしょう?
【陳内将】「辞めないことが大事なんじゃないかなと思います。人間って生きていたら誰しも“谷”ってあると思うんです。よく言う言葉ですが、落ちるところまで落ちたらもう上がるしかない。僕もその通りだと思います。ずっと良いときもないし、ずっと悪いときもない。上手くいかないなっていうときでも辞めずに、“じゃあ、今何をやるか、何ができるか”というのを考えて続けていくことが、きっと自分の夢に近づくことなのかなと思います」
【久保田秀敏】「僕は中学生くらいのときから芸能界に憧れていて、『デビュー』さんもよく読んでいました。雑誌の最後のページにオーディション用の履歴書があって、それを切り取ったまでは良かったんですけど、そこで一回挫折をしたんです」
――どういう挫折を?
【久保田秀敏】「応募しようかなと思って、応募用紙を切り取ったんですけど、それを机に置いてずっと眺めていただけで。というのも、僕が住んでいたのが福岡のド田舎だったので、芸能界なんて本当に雲の上の存在みたいな感じだったんです。でも、大人になって諦めきれずにいたとき、たまたまスカウトされて、それがきっかけ自分が夢見ていた世界にいることができている。美容師を辞めてこの世界に飛び込んだっていうのも行動力なのかなと。“モテたい”、“好きな俳優さんのようになりたい”とか、この仕事をやりたいと思うきっかけは何でもいいと思うんです。きっかけさえ掴めば人生は変わるので、一歩踏み出す行動力、そして引き寄せる運というものを大事にしていれば、きっと夢は叶えられるものだなと思っています」
【プロフィール】
陳内 将(じんない・しょう)●1988年1月16日生まれ、熊本県出身。近年の主な出演作に、ミュージカル『黒執事〜NOAH'S ARK CIRCUS〜』、舞台『戦刻ナイトブラッド』、朗読劇『予告犯』、『MANKAI STAGE『A3!』〜SPRING&SUMMER 2018〜』、舞台『文豪とアルケミスト 余計者ノ挽歌』など。今後、舞台『COCOON 星ひとつ』(5月〜6月/東京・大阪)、MANKAI STAGE『A3!』〜SUMMER 2019〜 夏組単独公演(8月〜9月)などが控える。
久保田秀敏(くぼた・ひでとし)●1987年1月12日生まれ、福岡県出身。エイベックス・マネジメント所属。近年の主な出演作に、舞台版『心霊探偵八雲』シリーズ、ドラマ『世にも奇妙な物語‘18秋の特別編』、映画『不能犯』、ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』、舞台『駆けはやぶさ ひと大和』、舞台『戦刻ナイトブラッド』、舞台『文豪とアルケミスト 余計者ノ挽歌』など。今後、フォトシネマ朗読劇『命のバトン』(4月13〜14日/東京)、ミュージカル『憂国のモリアーティ』(5月/東京・大阪)、斬劇『戦国BASARA』天政奉還(7月/東京・大阪)などが控える。
【公演概要】
『劇団アニメ座ハイブリッド〜めぐりあい・舞台〜』
日時:2019年3月21日(木・祝)〜3月26日(火)
場所:東京・CBGK シブゲキ!!
◆出演者:
俳優/陳内将、久保田秀敏、寿里、井深克彦、富永勇也
芸人/若井おさむ、天津向、キャベツ確認中、石川ことみ、こりゃめでてーな伊藤、セブンbyセブン玉城、 R藤本、桜 稲垣早希、ガーリィレコード、アイデンティティ
◆チケット料金(全席指定・税込)
全席指定一般:5,500円
※未就学児の入場は不可。
※当日券は500円増し。残席がある場合のみ販売予定。
作・演出:劇団アニメ座
企画:座間 隆司(テレビ朝日ミュージック)/長井真(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
制作:株式会社テレビ朝日ミュージック/株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー
主催:株式会社テレビ朝日ミュージック/吉本興業株式会社