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2019/01/17 12:01
『映画刀剣乱舞』公開直前、鈴木拡樹×荒牧慶彦インタビュー「またみんなで新しいものが作れるという嬉しさがあった」
人気PC&スマホアプリゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を原案とした、初の実写化作品『映画刀剣乱舞』が、いよいよ1月18日(金)より公開される。『デビュー』では、舞台『刀剣乱舞』同様、三日月宗近を演じる鈴木拡樹&山姥切国広を演じる荒牧慶彦の二人にインタビュー。映画化への想いや映像作品ならではの難しさ、刀剣男士たちの撮影裏エピソードなどを語ってもらった。
【鈴木拡樹×荒牧慶彦インタビュー】
◆「舞台版をやっていたからこそ、映画化すると聞いたときは驚きました」
――舞台『刀剣乱舞』初演から同役を演じられているお二人ですが、映画化されると聞いたときの率直な感想を教えてください。
【鈴木拡樹】「舞台版をやっていたからこそ、映画化すると聞いたときは驚きました。自分が(舞台を)やっていなければ、“刀剣乱舞という作品を映画化するんだ”と普通に受け止めたと思うんですが、なぜか、とても意外に感じたんですよね(笑)」
【荒牧慶彦】「確かに、僕も驚きました。それに加えて、僕は最初、“映画になる”という情報だけを聞いていて、キャストが自分たちだということは知らなくて。“誰がやるんだろう?”って思っていたんです。なので、自分たちが同じ役として出演できるということに、驚きと喜びを感じました」
【鈴木拡樹】「舞台版のキャストが多いとわかったときは、またみんなで新しいものが作れるという嬉しさがありました。でも、その“新しさ”には難しさもある。刀剣それぞれの歴史やキャラクターはそのままのベースでありつつ、本丸に来てからの記憶というのは、舞台版と映画版とではまた別のものになるので。舞台で作り上げてきた関係性とは、また別に、新たに作り直さなければいけないなと思いました」
【荒牧慶彦】「特に、三日月宗近と山姥切国広の関係性の違いは、一番変化が大きいかも。あと、僕が感じたのは、現場でキャストの方々とコミュニケーションを築き上げる部分においては、舞台版のキャストが多い分できているし、自分のキャラクターも含め、他のキャラクターのこともわかっているし、作りやすいだろうなと思いました」
――映像作品になると、演出、見せ方も変わってくると思いますが、演じる上で、どのような意識の違いがありましたか?
【鈴木拡樹】「舞台と映像との違いというものに関しては、撮る前からなんとなくわかっていましたが、実際撮ってみて感じる部分は多かったです。映像では同じシーンを繰り返し何度も演じて、それを違う角度から細かく撮影をするんですが、舞台では稽古は繰り返してそのシーンを演じたりはするけど、本番では1回だけ。普段、舞台での芝居に慣れている分、映像での気持ちの微妙な変化や気持ちの持って行き方が難しく感じました。でもそこに楽しさも感じていましたね」
【荒牧慶彦】「映画は撮影する順番が台本通りではなくバラバラなので、後半のシーンを撮ってから最初のほうを撮るとなったときに、“あ〜あそこはもっとこうすればよかったかな”と思うこともありました。もちろん、撮影時はその時のベストを尽くした結果ではあるんですが……。舞台の稽古だったら修正や変更して、本番の公演に向けて磨いていけるけど、映像は撮り直しがきかない。そこは難しかったですね」
◆「撮影の合間はみんなで、衣裳のままトランプとかで盛り上がった」
――映像作品ならではの殺陣も、舞台版とはまた違った迫力がありました。
【荒牧慶彦】「舞台はしっかりとした床の上で殺陣をやりますが、映像では外で撮影する際、下が土の道や砂利道だったりするので、みんな足を取られたりすることもあって、難しさを感じました」
【鈴木拡樹】「そういうリアルさを感じたよね。僕は建物の中で戦うシーンがあるんですが、やっぱり狭い空間だと太刀は不利だなと思いました。これはゲームの中にもある設定なんですが、うまく反映されているなと。あと、アクション監督が、事前にクルーを起用して撮った、実際のアクションシーンを映像にして見せてくれたので、“こういう風に見えるのか”というのがわかったのはすごく助かりました。それに、映画版では、舞台版で描ききれなかったものを、映像で補填してくれる良さもあるのかなと。大勢が戦う合戦のシーンでは、戦いをリアルに表現されていて、舞うように戦う我々に対して、泥臭い合戦シーンの両方が堪能できると思います」
――撮影中のエピソードと、あとは撮影の準備が整うまでの間など、キャストのみなさんはどのように過ごしていたのでしょうか。
【荒牧慶彦】「たいちゃん(不動行光役の椎名鯛造)が、ブヨに噛まれていました(笑)。ちょうど春前という季節で、昼間は暖かい日もあったんです。撮影が山の中だったりしたので、衣裳で足が出ている組のたいちゃんときたむー(薬研藤四郎役の北村諒)は、虫に刺されたりしていて、対策が大変そうだったよね」
【鈴木拡樹】「朝方はすごく寒かったしね。“草木も凍る”って言いますが、本当に凍ってるじゃん!っていう(笑)。映像では違和感がないんですが、現場にいた人間からすると、この寒さでよく足を出しているなと思っていて。まぁ、もちろん仕事なんですけど(笑)。あと待ち時間は、スタッフさんが気を遣ってくださって、合間に遊べるようにとトランプとか雑誌とかいろいろと用意してくださっていて。撮影の合間はみんなで、衣裳のままトランプやUNOをよくやっていました。最初は普通に遊んでいたのに、だんだんとオリジナルのルールが追加されていって、新しいゲームに進化していたよね(笑)」
【荒牧慶彦】「しかもゲームに白熱しすぎて、ついつい声が大きくなってしまったことがあって。待機場所が撮影していた場所にちょっと近かったこともあり、僕らが熱中してワーワー騒いでいたら、スタッフさんに『すみません、うるさいので静かにしてくだい』と怒られるっていうこともありました(笑)」
――キャスト同士、とても和やかな撮影現場だったんですね(笑)。お互い、役者としてはどんな印象をお持ちですか?
【鈴木拡樹】「まっきー(荒牧)は、持続して1つのことにこだわるストイックさがありますね。舞台の稽古場でも、1つ気になったことがあるとそれを黙々と追求している。そういう姿を毎回、作品を一緒にやる度に見ているので、本番どんな風な完成を持ってくるんだろうっていう楽しみが共演者としてあるなと思っています。常に、ひとつの武器を磨き続けているようなタイプなのかなっていう風に感じます」
【荒牧慶彦】「拡樹くんは、視野がとても広い役者だなと。まわりが見えすぎていて、気の配り用が神がかっているんです。誰かが悩んでいると、いち早く察知して、相談に乗ったり、アドバイスしてあげたりしている姿をよく見かけます。なおかつ、自分のこともちゃんとできているという、すごい役者です!」
◆「目標に向かって自分のペースで一歩ずつ進んでいくことが大切」
――普段はどんな関係性なんでしょう?
【鈴木拡樹】「実は、まっきーの人との接し方を見て、学んでいる部分が結構あるんだよね」
【荒牧慶彦】「えー! そうなんですか!?(笑)」
【鈴木拡樹】「先輩でも後輩でも、いい距離感でナチュラルに接しているから。特に後輩への教え方が、上からいく感じではないから重圧がなくとても上手い。僕はあまりそういうのが得意じゃなくて、考え込んでから話しかけたりする方なので、相手もその固さを感じてしまうだろうなと自分でも感じる瞬間があって。自然に接することができて、押しつけじゃなくいろんなことを与えてあげることができるというのは、理想だし、いいなって思う」
【荒牧慶彦】「僕はジョークを挟んだり、ふざけたりするのが好きなんですが、拡樹くんも結構好きなんだろうなって思う(笑)。舞台の通し稽古で、なぜかお互いへ、エアーで手紙を読み出したりして」
【鈴木拡樹】「共演しているのに、劇中で全然会わなかったから(笑)」
【荒牧慶彦】「その場の即興で、“こちらは今、こういう状況です”って手紙をエアーで読み合っていたんです」
――では最後に、読者へのメッセージを。芸能界デビューを夢見る読者に向けて、お二人が思う“夢を叶えるために大切なこと”とは?
【荒牧慶彦】「僕は行動あるのみだと思います! 夢を抱いているのなら、何歳からでもいいから、その夢のために行動したほうがいいんじゃないかなと。失敗しても、恥をかいてもいい。そうしないと、経験を積むことができないですから。僕自身、初めての現場や初めてのことに挑戦するときは、すごく緊張するし、尻込みしちゃうときもあります。でもやってしまえば、案外なんとかなるもんなんですよ。まあ、時にはなんとかならないこともあったりしますけど(笑)。なので、何でもいいから、まずは1回でも挑戦する、何か行動してみることが大事なのかなと思います」
【鈴木拡樹】「夢を叶えるために大切だと思うのは、目標を見つけることと、その目標に向かって自分のペースで成長していって歩んでいくこと、ですかね。どうすればいいかわからない場合は、きっと周りを見ればヒントが見つかると思うんです。周りの人のことも見て、いろんなことを吸収しながら、その目標に進んでいってほしいなと。ただ、成長の速度は人それぞれだと思うので、周りの人と比べたりするのではなくて、自分のペースで一歩ずつ進んでいくことが大切だと思います」
『映画刀剣乱舞』は2019年1月18日(金)より全国ロードショー。なお、鈴木拡樹×荒牧慶彦のインタビュー全文とそのほかの撮り下ろしカットは、オーディションサイト『Deview/デビュー』にて掲載中(下記リンク参照)。
【鈴木拡樹×荒牧慶彦インタビュー全文】
https://deview.co.jp/Interview?am_interview_id=723
【プロフィール】
鈴木拡樹(すずき・ひろき)●1985年6月4日生まれ、大阪府出身。オウサム所属。2007年、TVドラマ『風魔の小次郎』で俳優デビュー。翌08年に舞台『最遊記歌劇伝-Go to the West-』で初主演を果たして以降、舞台を中心に数多くの人気作で主演を務める。近年の主な出演作は、【TV】WOWOW『2.5次元男子推しTV』、NHK Eテレ『マリーの知っとこ!ジャポン』、【舞台】『弱虫ペダル』シリーズ、舞台『刀剣乱舞』シリーズ、劇団☆新感線『髑髏城の七人』Season月<下弦の月>、「No.9 ―不滅の旋律―」など。今後、TVアニメ「どろろ」(2019年1月7日よりTOKYO MX、BS11ほかにて放送開始)、舞台「どろろ」(2019年3月上演予定)、WOWOWオリジナルドラマ「虫籠の錠前」(2019年3月より放送予定)などが控える。
荒牧慶彦(あらまき・よしひこ)●1990年2月5日生まれ、東京都出身。トキエンタテインメント所属。2012年12月、ミュージカル『テニスの王子様』青学vs比嘉 甲斐裕次郎役で本格的に俳優デビュー。その後、人気アニメ・漫画・ゲーム原作の2.5次元舞台を中心に活動中。近年の主な出演作は、【舞台】『あんさんぶるスターズ!』シリーズ、『K』シリーズ、音楽朗読劇「ヘブンズ・レコード 〜青空篇〜 」、【映画】『お江戸のキャンディー2』、『シュウカツ3』、【TVアニメ】『戦刻ナイトブラッド』、『その時、カノジョは。』など。2019年1月〜3月に上演される、MANKAI STAGE『A3!』〜AUTUMN & WINTER 2019〜への出演も決定。