小栗有以、岡田奈々らAKB48メンバーが出演する舞台版『マジムリ学園』の初日が19日、日本青年館ホールで開幕した。

　本公演は7月から日本テレビで放送されたドラマ『マジムリ学園』をアナザーストーリーで描く舞台版。ドラマから続投の小栗有以（AKB48）と、舞台版から参戦の岡田奈々（AKB48）がW主演し、熱いストーリー、迫真のアクション、そして舞台オリジナル曲の歌唱とダンスが展開される。

　2010年のドラマ『マジすか学園』から連綿と続くシリーズの最新舞台版だが、『マジすか』に散見されたコメディ要素は極力排され（馬嘉伶と、横山由依演じるエロ先生に名残がある程度？）、スタイリッシュでシリアスな演出が印象的だ。嵐が丘学園内の冷徹な身分制度に立ち向かう革命闘争と、荒地工業高校での四天王の覇権争いが、Wヒロインを追う形でパラレルで描かれ、クライマックスに向けて交わって行く展開に引き込まれる。

　「美少女アイドル」と「ケンカ」。舞台を観れば、この相性の良さが分かってもらえるはずだ。怒り、叫び、笑い、泣く…。体を張って、小細工なしに生々しい感情をマックスでぶつけ合うシーンの中で、メンバーたちの魅力が弾ける瞬間を目撃することができる。そしてこの公演のなかで一皮も二皮も剥けていく彼女たちの成長も見届けることが出来るだろう。

　清水小百合（リリィー）を演じる小栗有以は、「2万年に1人の美少女」の異名を持つアイドル“ゆいゆい”とは異なる表情を見せる。腹の下に落とした声のトーン、高い身体能力で跳び、殴り、蹴る姿はドラマ以上に生の舞台で映えた。

　そしてもう一人のヒロイン北条沙織（ネロ）を演じる岡田奈々の鬼気迫る表情も必見だ。元々凛とした美形の岡田が、瞳の奥に暗く燃える情念を宿したネロにピタリとハマっている。演技はもちろん、ダンス、歌唱力も遺憾なく発揮されている。

　出演はほかに、岡部麟、向井地美音、倉野尾成美、山内瑞葵、��橋彩音、馬嘉伶、武藤十夢、福岡聖菜、岩立沙穂、佐々木優佳里、太田奈緒、谷口めぐ、小田えりな、神志那結衣、横山由依ほか。公演は10月25日まで、日本青年館ホールにて。舞台版『マジムリ学園』は日本青年館ホールにて、28日日まで上演。

■舞台版『マジムリ学園』あらすじ

舞台は、ニュータウン、ユートピア嵐が丘。そこにある「私立嵐が丘学園」は、学園内に“ヒラルキー制度”が存在し、生徒会長と生徒会メンバーからなる“選民”が、一般生徒の“平民”を支配する世界だった。そこに彗星のごとく現れた“リリィー（小栗）”は、そんな支配者にも屈することなく、果敢の立ち向かっていく。そんなリリィーの前に突如立ちはだかったのは、隣地にある“荒地工業高校の”ネロ（岡田）“。嵐が丘学園生徒会の陰謀と、リリィーVSネロの戦いが今、幕をあける。
◆原作：秋元康　◆演出：丸尾丸一郎（劇団鹿殺し）