世界的ミスコンテスト『ミス・ワールド2018世界大会』への出場者を決める、日本代表選考会が28日、ANAインターコンチネンタルホテル東京で開催され、応募総数7210人の中から選ばれた30名のファイナリストが頂点を競った。日本代表に選ばれたのは東京都出身の21歳、伊達佳内子（だて・かなこ）さん。伊達さんは、戦国武将・伊達政宗直系の21代目の子孫というプロフィールの持ち主だ。

　伊達さんは慶應義塾大学法学部政治学科に通う4年生。早くから社会貢献活動に目覚め、高校時代には「トップ30高校生」に選ばれ、中国清華大学に派遣留学。世界の貧困と格差の状況を目の当たりにし、途上国の支援活動に青春を捧げてきた。今回『ミス・ワールド』に応募したのも、「Beauty with a Purpose（目的のある美）」というテーマに共感し、一介の学生ではなく『ミス・ワールド』という立場を活かして「この状況にインパクトを与えられる」と感じたからだという。

　その崇高な志に加え、堪能な語学力、身長169cmのスタイル、そしてタレント性を披露するステージで見せた圧倒的な歌唱力など、世界大会に送り出す資質を備えていたことが、日本代表選出の決め手となった。

　受賞後の囲み取材では「びっくりのひと言。言葉にならない」と受賞の瞬間を表現する伊達さん。「これだけ素晴らしいファイナリストの中で1ヵ月半過ごすことが出来て、この舞台で皆様にお目にかかることが出来たことが心から嬉しいです」と充実した表情で語った。今回のコンテストにあたって「スポーツは好きなんですが、筋肉質になりやすくて。ミス向きではないと思っていたんです。今回は自分の身体を変える努力をやってきました」と努力したポイントを語った。

　審査の中で特に印象に残っているのは、チームワーク部門の審査である海上自衛隊の訓練体験。「（自衛隊は）自分たちとは遠い存在だと思っていたんですが、実際にそこに伺うことが出来て、生身の人間としての自衛隊の皆様の訓練のご様子や、日々どうやって心身を磨いているのかを見るとともに、ボートの訓練などでほんの少しでも実際に体験させていただきました。そして、自衛隊の見方が変わるということもありましたし、自分自身、国防や安全保障を考え直す機会にもなったと思います。私、政治学科なんですけども、そのことも含めて興味深い経験でした」と振り返った。

　伊達さんは政宗公から21代目の子孫。今回の快挙について『政宗公は何といってくれるか？』と取材陣に聞かれ「“良くやった”と言ってくれるんじゃないかと思います（笑）。“世界で一旗あげてこい”って言ってくれるんじゃないかと思うので、精いっぱい取り組んでまいります」と回答。また『自分の中に政宗公を感じるときは』と聞かれると、「正直、ご本人を存じ上げているわけではないんですが…」と前置きし、「負けず嫌いな、目の前のことに全力で取り組んでいきたいという心持ちは、政宗公にもあったのではないかと思います」とし、「あとは、まゆ毛が太いところかな（笑）」と笑わせた。

　今後は、2018年11月9日から12月8日の間、中国・海南島の三亜で開催されるグランドファイナル世界大会に日本代表として挑む。「お役をいただいたからには、全身全霊、目指すは世界一ということで、大会まで勉強して精進していきます」と決意を新たにしていた。