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2018/07/30 20:01
話題作に次々と出演中の俳優・山田裕貴、「悔しい想いをたくさんしてきた」という役者人生を振り返る
今年の夏に、瀬戸康史、志尊淳、山田裕貴らが所属するワタナベエンターテインメントが、10〜22歳までの男性を対象とした『BOYSオーディション2018』を開催。オーディションサイト『デビュー』では、現在放送中のドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』をはじめ、映画『万引き家族』、『虹色デイズ』、『あの頃、君を追いかけた』主演など、話題作に次々と出演する山田裕貴にインタビュー。
今や映画やドラマに引っ張りだこの山田だが、デビュー前には「ワタナベエンターテイメントカレッジ」で芝居などのレッスンを受けつつ、エキストラや先輩たちの舞台の手伝いなどを経験。「悔しい想いをたくさんしてきた」と明かす、役者人生を振り返ってもらいつつ、諦めずに挑戦し続ける彼の原動力や、役者としての信念などを聞いた。
【山田裕貴インタビュー】
◆「自分はダメじゃないんだと思えるまで、努力をするしかない」
――高校卒業後、「ワタナベエンターテイメントカレッジ」(WEC)に入学し、在学中に受けた『D-BOYSスペシャルユニットオーディション』(2010年)がきっかけで芸能界デビューを果たした山田さん。当時はどんな役者像を想像していましたか?
【山田裕貴】「WECに入った当初は、こんなふうにドラマや映画に出られるようになるとは、ぜんぜん想像もできなかったです。自分に対する過信は1ミリもなかったし、WECには同じように夢を持った人たちがたくさんいて、“芸能界に入れたとしても、活躍できるのはここにいる人間の一握りだけだろうな”と。厳しい世界だろうということは、肝に銘じていました。ドラマや映画とかで台詞をいただけて、ポスターに自分がいたりすることに対して、今でも不思議な気持ちになることがあります。一方で、『自分には無理なんじゃないか』とか『やっぱりダメかな』ということは、口にしないようにしていました。『絶対に自分は夢を叶えるんだ!』と自分に言い聞かせていました。そうしないと、心が折れてしまうと思っていたんです。オーディションだって、受けては落ちての繰り返しですから」
――『D-BOYSスペシャルユニットオーディション』では、惜しくもグランプリを逃したものの、急遽設けられた『D-BOYS部門』のグランプリを受賞。そのとき、山田さんは大粒の悔し涙を流されていました。そのように、これまでに心が折れそうになったこと、挫折しかかったことも、なくはないと思いますが。
【山田裕貴】「そのオーディション途中の合宿審査で、『(自分の)弱みを見せないから何も伝わってこない』と言われたことがあって。あのときは、涙が出るくらい悔しかったんです。当時は19歳とかでまだまだ未熟だったし、“ちょっと見ただけなのに、何がわかるんだよ! 俺のこと何も知らないくせに”と思っていたんですが、今になってみるとその言葉の意味を理解できる。変に格好つけなくていいってことだったんですよね。もっと、わかりやすく言って欲しかったなぁ(笑)。当時は、言われたことの意味もわからないし、訳がわからなくなってしまって、悔しくて、オーディションのファイナルの日まで、毎日10kmくらい走っていました。答えもわからないし、ごちゃごちゃ考えてしまうのがイヤで、とにかく当てもなく無心で走って発散するしかなかったんですよね(笑)」
――一生懸命やっているのに、自分を否定された感じがしてくやしかったのでしょうか。
【山田裕貴】「でしょうね。ちょっと見ただけで、俺の何がわかるんだ!? と。でも、そこで悔しくて人目もはばからずに泣いていたことが印象に残ったみたいで、“あ、ようやく弱みをみせたな”と。挫折というのでは、その思い出がすごく残っています。そういう悶々した気持ちを日記にも書いたりしていたし、僕、意外と闇が深いんですよ(笑)」
――そういう気持ちも大事ですよね。悔しい思いをしたことはやっぱり忘れない?
【山田裕貴】「めっちゃ覚えてます。悔しい思いをしたことは何回もありましたし。現場ではよくイジられるタイプだったりするので、無茶振りにうまく応えられず、“期待はずれだな”といった反応をされたこともあったり。デビューして仕事をいただくようになってからのほうが、悩むことも頻度も増えました」
――それでも、芯の部分は決して折れなかった。くじけないために、どのような心がけ、マインドでいましたか?
【山田裕貴】「中学までやっていた野球を辞めて、自分の高校が甲子園に出ているのをスタンドで応援したときに、“なんで自分は野球を辞めてしまったんだろう”という自分の中での挫折を経験して。だからこそ、“次に自分でやると決めたことは絶対に死ぬまでやる”と決めていたので、どんなにツライことがあったとしても辞めるという選択肢はなかったです。あと、自分はダメだと思うことは、自分で自分の可能性に蓋をしてしまうことだと思うので、ダメじゃないんだと思えるまで、努力をするしかないと思っていて。台本を読み込むことだったり、自分なりの答えを出すまで考え抜くとか。自分の考えを貫けるよう、真剣に向き合ってきました」
――芸能界を目指す読者の中には、それこそ、オーディションに挑戦しては落ちて……という繰り返しで、落ち込んでいる人もいます。選ばれないことに直面し続けると、心も疲弊してしまいがちですが、どう向き合ったらよいでしょう?
【山田裕貴】「そもそも、オーディションっていうのは受かるほうが奇跡だと思うんです。そりゃあ、受けるからには、受かるために全力で臨みますよ。みなさんもそうだと思うんですけど。だから、選ばれなかったときは、僕だってツライ(笑)。来年の連続テレビ小説『なつぞら』もオーディションだったんですが、朝ドラに関しては、5〜6年オーディションを受け続けていて。毎回受けるけど結果が付いてこなかったから、僕もオーディションに行くのが嫌になった時期もありました。でも、いつの頃からか朝ドラだから…この映画だから・・・とか、そういう風に考えないようになりました。1つの良い作品を作るということを頑張るためにオーディションに行くという感じになっていきました」
――自分の中で、“こうすれば受かる!”みたいな必勝法は、あったりしますか?
【山田裕貴】「たぶん、必勝法なんて存在しないんじゃないかな。ただ、印象を良くみせようとか、上手くやろうとするのは、違うのかなと思います。自分を客観的に捉えて、いかに自分自身を理解しているかが大切なんじゃないかなと。『D-BOYSスペシャルユニットオーディション』では、堀井新太がグランプリだったんだけど、彼は本当に、何も考えていなかったし(笑)、そこが逆にすごいなと思った。ファイナリストのみんなで『今日、何やる?』って話をしていたときも、『う〜ん、あとで何か思いついたことやる!』って。そういう人って強いんですよね。縛られていないし、発想が豊かで自由度が高い。今思えば、彼は純粋に、オーディションというものを楽しんでいたんです。芝居でも、シリアスな演技をしていても、演じること自体が楽しいって思えることってあるんです。そういう感覚でやっていたときのほうが、評判も良かったりする。だから、“受かる”とか“落ちる”とかに縛られず、のびのびとオーディションを楽しむ姿勢で臨むほうがいいと思います」
――デビューから途切れることなく、ドラマや映画に出演されていますが、役者としての目標というのも変化してきた感じですか?
【山田裕貴】「そうですね。今は俳優として、より多くの人に知ってもらう、作品を観てもらえるようになることに力を注いでいる感じです。昔はそこまで意識していなかったけれど、そういうことも必要なんだなとすごく今感じていて。自分が出ていることで、その作品を観てみようと思ってもらえるような役者にならないとなって思っています」
――最後に、オーディションを受けようとしている人にメッセージをお願いします!
【山田裕貴】「オーディションを受けることに対して、そんなに気負う必要はないと思います。芸能界って楽しそうだなっていう、ちょっとした興味でも、踏み込んでみたら意外とアツくなれるかもしれない。悔しい思いをしたことで、エネルギーが湧くこともあります。夏休み期間だし、試しにオーディションでも受けてみるか!ぐらいの感覚でいいと思います。迷っているぐらいなら、やってみたほうが早い。結果はどうであれ、挑戦したことで何かに気づける可能性もあるので、ぜひ行動に移してみてください」
ワタナベエンターテインメント『BOYSオーディション2018』の応募詳細は、公式サイト(https://boys-ad2018.themedia.jp/)および、オーディションサイト『デビュー』にて掲載。なお、『デビュー』では、山田裕貴のインタビュー全文のほか、同事務所の新人開発担当者へのオーディションについてのインタビューも公開中。