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2017/05/27 20:55
福士蒼汰と工藤阿須加が、成島出監督からのねぎらいの言葉に感涙「いつか必ず恩返ししたい」
映画『ちょっと今から仕事やめてくる』が27日に公開初日を向かえ、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われた舞台挨拶に、福士蒼汰、工藤阿須加、小池栄子、吉田鋼太郎、成島出監督が登壇。
北川恵海の人気小説を原作に、『八日目の蝉』『ソロモンの偽証』の成島出がメガホンをとる本作。ノルマが厳しい“ブラック企業”に勤め、心身ともに疲弊した青山隆(工藤)が、幼なじみを名乗る謎めいた男・ヤマモト(福士)との交流を通じて、生き方を模索する様子を描く。
ヤマモトを演じた福士は、今作で関西弁に挑んでいるほか、バヌアツ共和国で撮影されたシーンでは、現地の言葉「ビスラマ語」も披露している。「フランス語と英語が混じった現地の言葉なのですが、言語はすごく好きなので、楽しく勉強しました」とコメント。さらに、バヌアツでの撮影について「海や空もすごくキレイなんですが、人の心もとてもキレイで。僕たちを見かけると手を振ってくれて、振り返すとまた喜んで手を振ってくれるっていうのが、不思議な感覚でしたが、本当に心が豊かなんだなって感じました」と振り返る。
工藤も、福士と一緒に5日間ほどバヌアツに滞在したそうで「福士くんは4日間撮影していて、僕は1日だけで撮影が終わりました(笑)」と明かし、「1日だけ福士くんの撮影に同行させてもらって、そのほかは、観光とか、少しゆっくりさせていただきました。ホテルの目の前の海でボーっとしたり、青山はバヌアツに来たらどんな生活をするんだろうっていうことばかり考えていました」とコメント。
すると小池が「うらやましい。私はグラビアとかバラエティで海外ロケはあるけど、けっこう過酷な思い出ばっかりだし…」と嘆く。吉田も「行きたかったですね」と語りつつ、「せっかく行ったのに、たいしたことしてない工藤が、どうなんだろうかと」とツッコミ、小池は「お土産くらい欲しかったな〜」と本音をポツリ。
また、小池は「完成披露試写のときに、福士くんの名前のうちわやプラカードが多くて、工藤くんが気にしていた」と暴露しつつ、「今日は『工藤くん』とか『阿須加くん』というのもいっぱいあって、姉ゴコロとしてホッとしています。工藤くんも喜んでいると思います」とコメント。工藤も客席を見渡し、「良かったです」と満面の笑顔を浮かべていた。
映画のタイトルにかけて、「ちょっと今から俳優or監督やめてくる」をテーマにトークを展開し、「今の仕事を辞めることになったらどんなお仕事をしたいか」についてそれぞれ回答。工藤は「農家。野菜を作りたい」と語り、「農業の勉強をしていたこともあって。土に触れたり、野菜に触れることで、自分の中に溜まっているものが浄化されたりするので」とコメント。
福士は「仕事辞めたら…仕事しないです」と衝撃の回答をし、「海外周るのが好きなので、世界一周とか、いろんな国を周りたい。あまりプランを決めずに行きたいですね」と明かすと、吉田から「すごいね、そういう貯金あるんだ〜」と突っ込まれ、「(貯金は)ある程度ですよ!!」と弁解し、笑いを誘っていた。
成島監督は、キャンペーンで全国を回った際のエピソードを告白。「昨日、最後のキャンペーンが大阪だったんです。(福士が演じるヤマモトの)大阪弁どうかな?と気になっていたのですが、いろんな人たちに聞いたら、独特の間とかも完璧だったと、○(マル)をいただきました」と胸をなでおろす。福士も「非常に嬉しいです」と喜びをかみ締め、「僕自身は教えてもらったことを出すしかなくて。与えられたものをどれだけ吸収できるかだったんですが、方言指導の烏龍パークの加藤(康雄)さんをはじめ、周りの方々がいたからできたと思います」と語った。
そして、舞台挨拶終盤。本来ならば、福士が最後に締めの挨拶を行う流れだったが、MCから「ここで成島監督から、二人へお言葉があります」と、突然のアナウンス。台本にはない進行に、福士と工藤は困惑気味のまま一歩前へと進む。
突然のことに驚きを隠せない二人に対して、成島監督は「正直最初はきついかなと思って、(吉田が演じた)山上部長並に二人をそうとう追い詰めました」と明かし、「5ヵ月間、僕にしごかれながら、青山のようにつぶれそうになったときもあったと思うけど、本当に頑張ってくれました。みなさんが今日、目にしたものがそれの成果です」とコメント。続けて「一皮むけるということを『俳優として脱皮する』と言いますが、この2人にとって、この作品がそういうものになったと思います。それは本当に2人の努力の結果。これから日本映画界を背負っていく俳優が今日ここに誕生したと思います」と称賛。
そして「真面目に二人を誉めてあげたことが1度もなかったので、今日はみなさんの前で二人にお礼を言いたい。息子みたいな年なので、親バカみたいなことを言っちゃいましたが…」と照れ笑いをみせつつ、「ありがとう」と感謝の想いを伝え、福士と工藤をそれぞれ抱きしめた。
成島監督から、サプライズで贈られたねぎらいの言葉に対して、福士はコメントしようとするが、感極まって、なかなか言葉が出てこない。客席からの声援に励まされながら「『ありがとう』って言うのは、僕のほうだなって思います」と言葉を詰まらせながらコメントし、「確かにすごく厳しくご指導していただいて、大変だなとはもちろん思っていたけど、やりがいがあったし、楽しかったから、自分も止まらずに走っていけたんだろうなって思います」と振り返る。
さらに「僕はこれからも10年、20年と役者人生を歩んでいくと思いますが、今の気持ち、役者としての心は、たぶん一生忘れない。今回の作品、成島監督に出会えたことは、僕の大きな財産になりました。ありがとうございました」と涙ながらに想いを伝える。
一方の工藤も涙を堪えながら「最初にこの話をいただいたとき、正直不安しかなくて」と当時の想いを吐露し、「どうしたらいいかわからないときに、最初から最後までお父さんのように、僕と福士くんのそばにいてくれて、役者として生きていくためにどうすればいいかということを、愛を持って教えてくれました。本当に感謝の気持ちしかないです」と声を震わせながら語る。
そして「この映画では、成島監督にいろいろと助けていただいたので、次、成島監督の作品に出させていただくときには、僕らが監督を助けられるような役者になって、いつか必ず成島監督に恩返ししたいと思います。本当にありがとうございました」と大粒の涙を流して感謝の想いを語った。
映画『ちょっと今から仕事やめてくる』は、本日5月27日より全国ロードショー。なお、オーディションエンタメサイト『Deview/デビュー』では、工藤阿須加のインタビューを掲載中(下記リンク参照)。