ニュース
2017/04/25 21:53
『CRISIS』3話メインゲストに抜擢された新人俳優・堀家一希「小栗旬さんの“心だけ熱くして”という言葉が心に響きました」
新人俳優・堀家一希が、25日放送のドラマ『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(毎週火曜21時/関西テレビ・フジテレビ系)第3話にメインゲストとして出演した。特捜班が追う謎のテロ組織「平成維新軍」に利用されテロに手を染める若者・藤崎正一を印象的に演じた堀家にインタビュー。小栗旬、西島秀俊ら俳優陣との共演から、デビューのきっかけ、今後の夢についてまで話を聞いた。
■堀家一希インタビュー
――ドラマ第3話を拝見しましたが、小栗さんや西島さんとのアクションシーンは真に迫ったものでした。
「小栗さんは本当にフランクに接してくださって、“肩の力を抜いていいよ”って言ってくださったので、落ち着いて撮影に臨めました。自分がすごく緊張していたのを感じ取ってくださったんだと思います」
――なにかアドバイスはもらえました?
「“とりあえず体の力を抜いて、心だけ熱くしてくれたらいいから”って、すごくカッコいいことを言っていただけて、心に響きました。“役の想いを持って、身体をリラックスさせて。そうしたら大丈夫だから”って。緊張したり、アクションの段取りのことを考えてしまうと、体が固まってしまいがちなんですけど、そのひと言で気持ちにも余裕が生まれました」
――パンチはわりと小栗さんの顔面すれすれまで飛んでいましたね?
「本当はめちゃくちゃ怖かったです(笑)。アクションチームの方からも稽古のとき“そんなんだったら殴ってるように見えないから。もっと近くを通るようにして!”って注意されていたんです。現場で小栗さんは“思いっきり殴って来ていいよ。作品を良くするためだったら俺に当たってもいいから”とおっしゃっていて。それを聞いたときに自分の中でも反省して、当てるぐらいの気持ちでかかっていけました。自分が本気で殴りにいかないと、相手も本気になれない。お互いに助け合うことの大事さも学びました」
――演じた藤崎正一は、贈収賄事件の罪を被って自殺に追い込まれた議員秘書の父への想いから、国会議員や社会への復讐心を抱き悪の道に堕ちた少年。台本をもらったとき、この役についてどう感じましたか?
「最初は客観的に、かわいそうという第一印象から入っていって“この子にどういう物語があったんだろう”って考えていったらすごく切なくなりました。僕自身は両親から優しく育てられてきたので、両親のいない兄弟の人生を脚本で読んでみるとすごく切なくなって。でも逆に、自分とは全く違うということで、やりたいと思いましたし、やりがいのある役だったと思います」
――純粋であるからこそ、テロリストに利用されたという部分もあります。
「最後に孫を連れた議員を殺そうとする場面で葛藤するところに、実際は心の優しい面が出ていて。僕自身おばあちゃん子なので、そういうところでは親近感が湧きました」
――小栗さん、西島さんと拳銃を突きつけあい、涙を流しながら言葉を振り絞るシーンがクライマックスです。
「正直、あのシーンは緊張でしかなかったです…。今回のエピソードでもラストですし、兄弟の人生においても、死という最期なので。ドラマの上でもお二人に追い詰められましたが、精神的にも追い詰められていました。正直シーンが始まって、小栗さんの“生きてさえいれば、いずれまたチャンスが来るぞ”っていう台詞を聞いたところで、すごく来るものがありました。死ぬ覚悟をしている兄弟の目の前でああいう台詞を言われると、そこで湧き上がってくる複雑な感情がありました。あとは緊張で混乱した感じもあって」
――若手俳優にとって憧れの存在である2人との共演は、多くのことを学べそうですね。
「小栗さんと西島さんと銃を向け合うシーンで、僕が全然泣けなくて。そこは僕のアップなので、全然休んでいただいて結構なんですが、僕がやりやすいように、2人はずっと立っていてくださったんです。銃を構えたままの体勢って結構キツいんですよ。でもずっとお芝居で付き合ってくださるという、先輩として、俳優としての優しさも感じました」
――実際に作品を観ての感想は?
「兄弟を含めた3人が、隠れ家のマンションでコンビニ弁当を食べているときの幸せな感じとか、お互いを救いあうシーンとか、人間味のあるシーンが前半にあって。そうやって作ってきたものを、一気に最後のシーンで兄弟で撃ち合うという形で壊して…。そこに西島さんの“俺たちに、勝ち目はあるのか?”という呟きがあることで、平成維新軍の壁の大きさや脅威を感じさせるエピソードになったのかなと思います。優しそうな表情も垣間見せた上でのラストシーンなので、視聴者の方にも響いたんじゃないかと思います」
――この作品を観て気になった人のために、デビューのきっかけを教えてください。
「レプロエンタテインメントの育成部門・レプロアスターに3年前の高校1年のときに所属して、昨年5月にレプロエンタテインメントに所属しました。幼稚園ぐらいのころからテレビの世界に憧れを持っていて、最初はお笑い芸人になりたかったんです。小学校のころは友達とコンビを組んで、芸人さんのネタをモノマネしたりして遊んでました。その後、『ザ・マジックアワー』(三谷幸喜監督・脚本)という映画を観てから、コメディの映画、芝居のなかでの笑いに興味を持って、そこから俳優を目指してオーディションに応募するようになったんです。高校時代は地元・岡山から大阪のレプロアスターに通ってレッスンを受けていて、高校卒業と同時に上京しました」
――そこからはオーディションで多くのCMに出演して、舞台や映画にも次々出演が決まっています。舞台『破壊ランナー』は上演中ですし、映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』も5月公開と、多くの人に見てもらえる機会が増えそうですね。
「上演中の『破壊ランナー』は、生身の演技と言葉の説明で巨大ロボットを演じる『パワーマイム』とか、これまで学んだ演技を覆されました。でもすごく熱い芝居はまさに自分が望んでいたものですし、楽しいです! “本当に俺は今、音速で走ってるんだ”っていう気持ちで走ってたら、芝居とかも忘れて、舞台で走ってることが楽しくなってくるんですよ。本当に感謝しています。映画『夜空〜』はレプロに入って初めての仕事で、初めてカメラの前に立った現場です。それをきっかけにオーディションにも少しずつ通っていくようになったので、僕にとってありがたいお仕事でした。石井裕也監督は、丁寧に指導してくださったので、役者として頑張っていこうと気合が入った仕事です」
――特技はサッカーだそうですが、趣味は?
「最近は読書が趣味で、江戸川乱歩とか推理モノをよく読んでいます。芝居の先生から、台本を読むときにも役立つと勧められてからなんですが、最近は何でも芝居に結び付けてしまって。ただ単に楽しめばいいときも、どこかで芝居のことを考えてしまうのが逆にダメなところだなって思ってます。あと、面白いものを見つけたらすぐ写真を撮ってます」
――最後に今後の目標、夢をお願いします。
「目標は『朝ドラに少しでも出る』です。さっきも言ったようにおばあちゃん子なので、実家のおばあちゃんに観てもらいたくて。俳優としては、将来特別に賞がほしいとかはないんですが、ただ俳優という職業だけで食べていきたいです、死ぬまで(笑)。芝居って楽しいので。だから連続ドラマのレギュラーに入りたいです。同じ役者さん、スタッフさんと長い期間をかけて作品を作ることで、新しい発見もあると思っています」
■堀家一希(ほりけ・かずき)
1997年11月21日生まれ、岡山県出身。CM「ニューバランス『HANZOコレクション』」「第一興商」や舞台などに出演。舞台『破壊ランナー』(30日まで。六本木ブルーシアター)、映画『夜空はいつでも最高密度の青空だ』(5月13日/新宿ピカデリー・ユーロスペースにて先行ロードショー)に出演。レプロエンタテインメント所属。