映画『ガンバレとかうるせぇ』主演で映画デビュー。その後も才能ある若手監督の映画で次々と主演を務める、インディーズ映画界の若きミューズ・堀春菜。堀の最新作『空(カラ)の味』が、5月1日からテアトル新宿を皮切りに公開となる。塚田万理奈監督の実体験を基にした作品で、監督の分身ともいえる摂食障害に陥る女子高生・聡子を演じ、田辺・弁慶映画祭にて主演女優賞を受けた堀の評価が業界内で高まっている。

　『空(カラ)の味』は、ぴあフィルムフェスティバル、田辺・弁慶映画祭、うえだ城下町映画祭など多数の映画祭で受賞・高評価を得た映画『還るばしょ』の新鋭・塚田万理奈監督による初長編作品。監督自身が「お墓まで持っていこうと思っていた私の日々の話」という実体験を基にした作品。摂食障害に陥った主人公に自身を重ねながら、細やかな感情のひだを描き切る手腕で、一人の少女の心の旅に観客を誘う。

　主演の聡子役を演じるのが、20歳の女優・堀春菜。2014年、映画『ガンバレとかうるせぇ』(佐藤快磨監督)主演で映画デビュー。釜山国際映画祭での上映をはじめ、国内外の映画祭で賞を受賞。その後も『time』(中川駿監督)、『ぼくらのさいご』(石橋夕帆監督)に立て続けに主演として出演してきた。

　最新主演映画『空(カラ)の味』は、新人監督の登竜門である第10回田辺・弁慶映画祭コンペティション部門でグランプリ、市民賞、映検審査員賞、そして主演女優賞を獲得した。プレゼンターで特別審査員の佐藤現氏は「デリケートな問題を抱えた少女の不安、衝動など微妙な心の揺れを繊細な表情で演じ切っていました」と堀の演技を高く評価した

　今後堀は、YBSスペシャルドラマ『セブンティーン、夏　北杜』（冨樫森監督／2017年放映）に出演を果たすなど、映画を中心に活動の幅を広げる。映画通や業界関係者の間で知られる存在の堀が、新世代女優として、メジャー作品でブレイクを果たす日も遠くないはずだ。

　映画『空(カラ)の味』はテアトル新宿（東京）で5月1日、4日、11日、13日〜19日、シネ・リーブル梅田（大阪）で6月10日〜12日公開。

■映画『空(カラ)の味』あらすじ

家族や友人達に囲まれ、何不自由なく暮らしていた女子高生、聡子。彼女の人生に、ほんの少しの違和感が生まれ始める。言い様のない不安と、止めることのできない衝動。聡子はいつしか、自分が摂食障害に陥っている事に気付く。理由は分からないまま、穏やかな不安に呑まれていく聡子は、ある日、危うげな女性マキと出逢う。マキとの交流に、開放されていく聡子だったのだが…。