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2017/02/16 22:31
田村芽実、憧れの本田美奈子.さん役で女優として本格始動「天国の本田美奈子.さんに“私を選んで”とお祈りしてました」
2005年11月6日に急性骨髄性白血病で38歳の若さで亡くなった歌手「本田美奈子.」さんの軌跡をたどる舞台『minako-太陽になった歌姫-』の製作記者発表会が16日、都内で行われた。主演に抜擢されたのは、昨年5月にアイドルグループ・アンジュルムを卒業し、これが最初の仕事となる田村芽実。幼い頃から本田さんに憧れていた田村は、喜びとともに大きなプレッシャーを感じていると明かし「私が本田美奈子.さんのようになれるのか?という不安もあるんですけど、きっと本田さんが私のことを選んでくれたんじゃないかなっていう気持ちも少しあるので、その気持ちを信じて頑張りたい」と語った。
今回舞台で本田さんの役を演じる田村は「私が物心ついたときから憧れている方で。小さいときに、眠る前に天国の本田美奈子.さんに“何かあったら私を選んでください”って本当にお祈りしていたんです。今、ここに立たせていただいていることもビックリです」と喜びとともに驚きを感じている。
さらに「このお仕事をいただいてから、お墓にも3回ほど行かせていただいたんですが、本田さんのお墓だけ、パーッて太陽が降り注いでいる感じで。私、本田さんのお墓にだけ聴こえるように小さな声でちょっと歌ったんですね、そうしたら私の歌と一緒にビューンって風が吹いて。きっと一緒に歌ってくださってるんだなって思いました」と神秘的な体験をして、より深い縁を感じたようだ。
作・演出を務める野沢トオルは、ハロー!プロジェクトのイベントやライブのMC指導なども務めており、スマイレージ時代の田村に出会っていた。昨年5月の卒業ライブも観ており「卒業ということでソロが何曲かあったんですが、それを聴いたときに、この子は本当にハロー!プロジェクトの宝だったなあ、これからミュージカルで活躍する女優さんとしてとんでもなくなるなあって思った」と確信したという。
そして『minako-太陽になった歌姫-』の仕事を任されたとき、主演女優について「悩むことも無く田村芽実にお願いしたいって思った」のだという。そして「高杉社長(本田さんを発掘し、生涯を見守った高杉敬二氏)に会って、田村でお願いしようとした矢先、高杉さんのほうから“田村芽実って知ってる?”みたいなお話をいただけて。(田村は)いろんな縁の巡り会わせで主演になったんだなって。そのときは本田さんの大ファンだっていうことも知らなかったものですから、本当に不思議な縁によって僕らすべてが同じ舞台に立つんだなって思っています」と感慨深げに語った。
その後、田村は本田が入院中に発表し大ヒットを記録した『アメージング・グレース』を生披露。抜群の歌唱力に加え、フワフワと天然で明るいキャラクターが一変するギャップで取材陣を驚かせた。続いて、毎年開催される追悼ライブで司会を務めるなど、本田さんと親交が深かった早見優が登場し花束を贈呈。さらに本田さんの母・工藤美枝子さんからの手紙がサプライズで読まれると、田村は大粒の涙を流し「胸がとてもいっぱいになってしまって。こんな華やかなところなのに、すいません。お母様の気持ちとか本田美奈子.さんの思いものせて本番を頑張りたいと改めて思いました」と決意を新たにした。
発表会見後の囲み取材で、早見は「キャッキャッという笑い方と、底抜けの明るさがちょっと似ている」と田村と本田さんの共通点を指摘。田村も「野沢さんからも、役柄50パーセント、私50パーセントで進めても離れていないと言っていただいています。自分だったらどうする、本田美奈子.さんだったらどうするというのを合致させて頑張りたい」と意気込んだ。
「本田さんはとても華奢な方なので、ひと月に0.5キロずつやせることから始めます。すでに2キロぐらいやせました! そこもストイックに!」と役作りに入っている田村。それを聞いた早見が「美奈子ちゃんはものすごくいっぱい食べて、歌で力を出していたの」と言うと、田村は「じゃあいっぱい食べて、いっぱい歌います!」と元気に返事。
早見が、本田さんのキャラクターを偲ばせるエピソードとして「『レ・ミゼラブル』で一緒だったとき、彼女の家に遊びにいったら、ホットケーキを作ってくれたんです。それが完璧な円形ですごく美味しくて。それを見たとき、彼女は歌に対しても、何に対しても愛を持って、丁寧に作り上げるんだということがわかったんです」と明かすと、田村は「私も全てにおいて丁寧にやっていきたい。私、ホットケーキが作れないので、まずふわふわの丸いホットケーキを作れるようになって、稽古場に差し入れて、素敵な稽古場を作りたい」と、憧れの人に近づくための目標を掲げた。
舞台『minako-太陽になった歌姫-』東京・渋谷「CBGKシブゲキ!!」で5月17日から21日(全8回)まで上演。同会場には本田さんの生前の衣装などが展示された回顧展も開催される。