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2017/02/09 22:58
志尊淳、初主演舞台への意気込みを語る「プライド捨てて飛び込みたい」
俳優の志尊淳が9日、KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで行われた、舞台『春のめざめ』製作発表会見に、演出の白井晃、共演の大野いと、栗原類とともに出席。
KAAT神奈川芸術劇場の芸術監督として、近代戯曲を現代に蘇らせるシリーズに取り組んでいる白井晃が『ペール・ギュント』『夢の劇-ドリームプレイ-』『マハゴニー市の興亡』に次ぐ第4弾として上演するのは、ドイツの劇作家、フランク・ヴェデキント作の名作戯曲『春のめざめ』。
本作は、思春期の少年たちの性への目覚め、生きる事の葛藤、それに対する大人たちの抑圧などが描かれ、そのセンセーショナルな内容から、当時上演禁止の処分を受けた問題作。2006年にブロードウェイでロックミュージカルとして上演されて話題を呼んだ本作を、今回は、ヴェデキントの原作をもとに、白井の世界観で構成し、ストレートプレイでの上演する。
今作で舞台初主演を務める志尊は「今は嬉しい気持ちでいっぱいですが、出演が決まった当初は、プレッシャーや不安が多かった」と正直な思いを語りつつ、「僕自身、久しぶりの舞台になるので、プライドを捨てて、白井さんの胸に飛び込む気持ちで精一杯やらせていただけたら」とコメント。
また「僕自身、10代のころに『春のめざめ』で描かれている葛藤とかを感じる瞬間はすごくあった。まだうっすら覚えている記憶はあるので、それを自分の内側から掘り下げていけるよう、準備をしていきたい」と意気込みを語る。
大野は、本作について「この作品を読んだときに、120年前に書かれた話なのに、こんな風に性を扱った作品があるんだということに、すごく驚きと魅力を感じました。この作品に出演させていただくことに誇りを持って挑んでいきたい」とコメント。以前、朗読劇で同作品に携わったという栗原は「今回初めての経験がすごく多いですが、僕のすべてをこの舞台に捧げて、観に来てくださるお客様が『観に来てよかった』と思ってもらえるような舞台にしたいです」と挨拶。
演出を手がける白井は「この作品を若いみなさんと作ることによって、若い俳優のみなさんが何を考えているのか、どういう感性の中で俳優業に取り組んでいるのかを見つけていけると思っています」と語り、「ほかの若いキャストのみなさんも何回もオーディションを繰り返しながら、役者さんたちを選びました。若い俳優のみなさんと、このKAATで新しい『春のめざめ』が作れたらなと思います」と期待を膨らませた。
今作が舞台出演2作目となる大野は、初舞台を振り返って「すごく緊張したんですが、演じ終えたときに楽しくて。こんなにも役を生きられるんだっていうところにすごく魅力を感じました」と語り、「今回、再び舞台に立たせていただくことができるので、自分の中で納得できるように頑張っていきたいです」と気を引き締める。
2013年のDステ12th『TRUMP』以来の舞台出演となる志尊。「舞台作品は久しぶりなのですが、その空いていた期間の中で自分が経験してきたものを、どのように表現したらいいか、それ相応なものを提示しないといけないんじゃないかなど、いろいろと考えていたんですけど、“そんなものは必要ない”と今は感じています。身を投げ出す覚悟で挑みたい」と決意を新たにする。
そんな志尊に対して、白井は「非常に柔らかいナイーブな青年のようにお見受けしたんです。でも、お会いしてみると、非常に負けず嫌いで、自分に与えられたものを乗り越えないと気がすまないタイプ。見た目以上に芯が強くて頑固なところがある」と語り、「僕にとっては、ぜひとも志尊くんにメルヒオールをやってもらいたいと思った引き金でもあった」と明かした。
最後に志尊は「この作品を読んだときに、1回目と2回目では自分の中で感じるものがまったく違っていて。人それぞれ、感じるものがまったく違う作品だと思います」と語り、「同世代の方で共通する感情だったり、親の世代の方も子供たちの性の目覚めに対してどう対応していいかとか、どの年代の方もいろんなことを感じていただける作品になっていると思います。ぜひ観に来ていただいて、人それぞれ、いろんなことを感じていただけたら」と呼びかけた。
舞台『春のめざめ』は、5月5日(金・祝)〜23日(火)までKAAT神奈川芸術劇場<大スタジオ>にて上演。その後、京都、北九州、兵庫公演が行われる。