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2016/03/18 17:32
『第十回声優アワード』各賞決定 主演男優賞の松岡禎丞、「これからも期待と不安を胸に僕は現場に行く」と初心忘れず
2015年度に最も印象に残る声優や作品を表彰する『第十回声優アワード』授賞式が12日、文化放送メディアプラスホールにて行われ、各賞が発表された。主演男優賞にはTVアニメ『食戟のソーマ』幸平創真役の松岡禎丞、主演女優賞には劇場アニメ『心が叫びたがってるんだ』成瀬順役の水瀬いのりが選ばれた。
『声優アワード』は、その年度に「最も印象に残る」声優や作品を対象に、その業績を称える本格的な声優を対象としたアワード。2006年に創設され、日本音声製作者連盟、KADOKAWA、文化放送、小学館、小学館集英社プロダクション、アーイメージがアニメ業界各社と協力し、声優を表彰し、声優の地位向上を図ることを目的としている。
10回目を迎え記念すべき年となった今回、主演男優賞に選ばれたのは松岡禎丞。2015年度出演作としては、力強い演技で物語を牽引した『食戟のソーマ』、第1シリーズから引き続き主人公・キリトを演じた『ソードアート・オンライン2』が印象深いが、ほかにも『アブソリュート・デュオ』(九重透流)や『冴えない彼女の育てかた』(安芸倫也)など多数の作品で主人公を演じた実力派だ。
トロフィーを授与された松岡は「この賞は僕ひとりの力で獲ったものだとは、僕は思っていません」とコメント。「ちょっとすごい手が震えて仕方ないんですけど」と緊張から言葉をつまらせながらも「思えば2009年からやらせていただいて、あのとき僕は22歳で今年で30歳になるんですけど。ずっとやっていけば不安や緊張感は取れるものなのかなって思っていたんですが、ここまでやらせていただいても不安と緊張は取れません。これからも一つひとつの現場を大事に、期待と不安を胸に僕は現場に行きたいと思います」と初心を改めて胸に刻んだ。
同じく昨年主演として活躍した女優として表彰されたのは、水瀬いのり。2015年7月より放送されたテレビアニメ『がっこうぐらし!』で初主演、その後9月に公開された『心は叫びたがってるんだ』での言葉を封印された少女という難しい役柄を繊細に演じたことが高く評価。さらに『ご注文はうさぎですが?』シリーズのチノ役、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』のヘスティア役など多作品で主要キャラを演じ、ますますの活躍が期待されている。
そんな彼女の声優を目指したきっかけは5歳。「キャラクターとお話がしたいというすごく小さな憧れから夢をみた仕事です」と壇上で幼い頃の自分を思い出す。「15年後、自分が主演女優賞をいただくなんて思ってもいなかったので、本当にこの場にいることが夢のようでとても嬉しいです。今日この賞をいただいた自分をゴールだと思わずに、さらなる高みを目指し邁進していきたいと思います。自分もいつか、誰かの夢や目標になれるよう声優というお仕事を頑張っていきたい」と力強い言葉を口にした。
また、助演男優賞・パーソナリティ賞のW受賞となったのは鈴村健一。「パーソナリティ賞もいただき、助演男優賞もいただきW受賞ということで本当に感謝しています」と感激。助演作品としては『曇天に笑う』(比良裏)や『監獄学園』(シンゴ)『銀魂』シリーズ(沖田総悟)はもちろんだが、特にオリジナルを知るファンからも評判が高かった『おそ松さん』イヤミ役は声優・鈴村健一出演作品としては見逃せない。
受賞スピーチでも、「助演男優賞ということで、僕は芸歴が22年になるんですが、この業界に関わり方が変わっていく中で、誰かを助けるまさに助演という仕事も本当に最近増えてきました。そういう意味でいろんな人たちをこれから支えていけるような役者になっていきたいなと思っていますし、そのための賞だと思っています」と真摯なコメントをしながらも、「ここでぜひ皆さんにご唱和いただきたいと思います。時代を超えて今も語り継がれるあのギャグを」と前置きし、「それではいくザンスよーー!3・2・1シェーーー!」と渾身の「シェー!」を披露。この日一番会場を盛り上げていた。
各賞受賞者は以下の通り。
■主演男優賞/松岡禎丞
■主演女優賞/水瀬いのり
■助演男優賞/鈴村健一、細谷佳正
■助演女優賞/伊藤静、早見沙織
■新人男優賞/梅原裕一郎、武内駿輔、村瀬歩
■新人女優賞/上坂すみれ、高橋李依、田中あいみ
■歌唱賞/i☆Ris
■パーソナリティ賞/鈴村健一
■功労賞/千々松幸子、中村正、野村道子
■シナジー賞/ちびまる子ちゃん
代表登壇者:TARAKO
■富山敬賞/森久保祥太郎
■高橋和枝賞/井上喜久子
■キッズファミリー賞/ピエール・コフィン
■最多得票賞/神谷浩史
■特別賞/A応P
※今回は、特別功労賞に代えて、本年度ご逝去された声優を顕彰。