ニュース
2016/03/15 19:29
『声優アワード新人発掘オーディション』最多15社にスカウトされた20歳とは?
『声優アワード』の誕生とともにスタートし、今年10回目の記念すべき年を迎えた『声優アワード 新人発掘オーディション』が13日、文化放送メディアプラスホールで開催された。今回の最終選考出場者のなかで最多15社からのスカウトを受けた、東京都出身の20歳・馬鳥尚悟さん(ばとり・しょうご)は、際立つ個性と歌唱力で、今後が期待される存在となった。
この日の最終選考には、1000通を超える応募者のなかから勝ち残った36名が参加。自己PR・テキストリーディング・2人1組での掛け合い台詞・質疑応答の各審査が行われた後、24社の声優事務所が同時に札を上げてスカウトする『スター誕生』形式で合否が決するが、今年は合格者数23名と例年より豊作。すでに高い技術力・埋もれない個性を持つ卵たちが揃っていたようだ。
そんなオーディションのなかで、もっとも多い15社の札が挙がったのが馬鳥尚悟さん(ばとり・しょうご/20歳・東京都出身)。この日は専門学校の卒業式だったが、声優の夢へのきっかけとなるオーディション優先。自己PRでは力強く伸びやかな歌声を披露し、テキストリーディングや掛け合い台詞でも堂々とした演技を見せた。
質疑応答で、目を引く独特な髪型について質問されると、「天然パーマなんです。伸ばすとアフロになっちゃうんですよ」と笑顔。日本人離れした特徴的な顔立ちについては「日本人と、アメリカとフィリピンが多めで、中国とスペインが少なめで入ってます」とパーソナリティを語って印象を残した。
そして一番の緊張が会場を包み込んだ審査発表で、この日一番の15社からスカウトを受けた馬鳥さん。「さっき待ち時間に審査員の方から“何語がしゃべれるの?”と聞かれて“日本語だけです”と答えたら、もう札が上がらないんじゃないかと思ってたので良かった」と話し、「これからは英語も覚えたいと思います!」と語り、最後まで笑いを誘う度胸を見せていた。
そうした緊張の場面でも臆することがないように見えた馬鳥さんだが、オーディション後の取材では「以前ちょっと引きこもりだったときがあったんです」とステージで見られた姿とは違った意外な事実を告白。しかし「アニメの『とらドラ!』(ドタバタ学園ラブコメ)を観て、学生ものの身近な感じで、こういう日常を自分も作りたいなって思って、それから学校に通えることができるようになったんです。それで“アニメの力ってすごいんだな”“人ひとりの人生を変えられるレベルなんだ”と思って、そういう業界に関わりたいと思ったんです」と、声優を目指したきっかけを語った。
「自分にわざとプレッシャーをかけて臨むことで、本番のプレッシャーに勝てるように、『間違えたら死ぬ』って言う気持ちでずっと練習してきました」という馬鳥さん。「札が挙がらなかったら死ぬぞって気持ちで来ていたので、挙がってよかったなって思います。果たせてよかった」と、本番にも覚悟と気合いを持って臨んでいただけに、喜びとともにホッとした安堵の表情を見せていた。
今後については「声優を中心にタレント業や歌手にも挑戦していきたい。宮野真守さんが男性声優初の日本武道館ライブを成し遂げたんですが、自分は東京ドームを目指して頑張りたいと思います!」と気合い十分。表現者としての将来に、目を輝かせていた。