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2016/03/15 19:01
『第十回声優アワード 新人発掘オーディション』23名の声優の卵が合格を手に
才能ある声優の卵を発掘・育成する『第十回声優アワード 新人発掘オーディション』が12日、文化放送メディアプラスホールにて開催された。1000通を超える応募者のなかから最終選考に勝ち残った36名は、自分が持つ「声」と「個性」を出し切って合格を目指した。
本オーディションは、年度毎に印象に残る活躍をした声優を称える『声優アワード』の誕生とともに産声をあげ、今年で10回目の開催。当日は事前に行われた声優事務所による一次選考を通過した36名が集結。同日に授賞式が行われる『第十回声優アワード』と同じステージを使い、自己PR・テキストリーディング・2人1組での掛け合い台詞・質疑応答の最終審査が行われた。
自己PRでは、とにかく名前を覚えてもらおうとひたすら名前を連呼したり、いろんな声色を使い分けたり、歌や一発ギャグ、殺陣といった自分が持つ個性・武器を思う存分にアピール。
続く掛け合い台詞審査では、当日その場で渡された2分程度の台本を2人1組で演じる。5分ほどの練習時間のなかでキャラクターを想像し、舞台背景を設定するなど、相手との息を合わせるだけでなく、細かい演技プランも考えなくてはいけない高度な内容。実際に審査員からは“どこまで台詞を読み込んでいたか”について突っ込んだ質問が飛び、「演じるキャラクターをおばあちゃんにしてやってみて」といった無茶ぶりや「キャラクターを作らずに自分の素のままで演じて」などのリクエストも。参加者は緊張しながらも必死に対応していった。
すべての審査が終わると小休憩をはさんで審査結果へ。例年通り1人ずつステージに登壇し、24社の声優事務所の審査員がスカウトを希望する出場者に対して札を上げる形式で行われる。幸運にも札が上がると、思わず号泣したり、飛び跳ねたりと、緊張から一気に解放され、喜びを爆発させる参加者たち。「休憩時間おにぎりを食べようと思ったんですけど、全然ノドに通らなくて。でも(合格して)おにぎり美味しく食べて帰れそうです!」と喜びを表現すると「人生の中で数回しかないくらいのすごく美味しいおにぎりになると思うから、噛み締めて食べて」と司会者から激励の言葉をかけられるなど、微笑ましい場面も多数みられた。
今年は例年より多い23名が合格を手にし、記念すべき10回目の『新人発掘オーディション』は豊作の年となった。合格者は今後『ドラフト会議』のように各事務所と所属に向けて交渉に入る。「次は『声優アワード』の受賞式で、このステージに戻ってきます!」と合格者が口にしたように、このオーディションでスカウトされた声優のタマゴたちの大きく成長した姿が見られるのを期待したい。
■『声優アワード 新人発掘オーディション』合格者Pick Upインタビュー
★生形真弓(うぶかた・まゆみ/20歳・埼玉県出身)
「もともと子役として以前に役者をやっていたんですけど、中学1年生くらいのときにあるアニメで声優の仕事っていうものがあるんだと知り、自分の体を使わずキャラクターを表現するってことが本当に素晴らしいことだな思ったことがきっかけで声優を目指し始めました。今回のオーディションのため、自己PRを友達に聞いてもらって練習したり、当日配られる掛け合い台詞は何が来るのかわらないので、漫画や小説を参考にして、“こういうのが来ても大丈夫!”っていうようにたくさん練習しました。今回、夢を追うのを最後にしようと思って受けたので、死ぬ気で頑張りました。楽しかったです!」
★桐 日菜華(きり・ひなか/20歳・山形県出身)
「高校時代演劇部に所属していて、その大会で惜しくも全国手前で落ちてしまって。それがすごく悔しくて本気で役者になろうと思っていたところ、アニメを観て、声だけでさまざまな想いを伝えることができる声優さんに憧れを持ったのがきっかけでした。私はもともと声が低いんですが、緊張するとさらに声がハスキーになっていくので、本番ではとにかく明るくしゃべるようにすることと、とにかく審査員の方々に目力をバリッと張るようにして頑張りました。今回最後の頼みで受けていたので、たくさんの事務所の方が札を挙げてくださって嬉しかったです。これからは、男の子役の声優や、自分のもらった役でステージに立って歌いたいなって思っています」
★馬鳥尚悟(ばとり・しょうご/20歳・東京都出身)
「7年くらい前に観たアニメがきっかけで、引きこもりがちだった自分が変わることができて、『アニメの力ってすごい』と思い、アニメの世界に関わりたくて目指しました。自己PRでは、特技にしている歌を歌いました。誰かに学んだわけでもなかったんですが、いろんな方から褒めていただける自分の唯一の部分だったので。今回『札が挙がらなかったら死ぬぞ』ってくらいの覚悟の気持ちで来ていたので、その想いが果たせてよかったです。声優の宮野真守さんが憧れの人ですし、役者としてはウィル・スミスさんに憧れていて、できればハリウッドにも挑戦したいので、声優だけでなくタレント業にもチャレンジしきたいなと思っています!」