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2015/10/23 21:53
大阪発10代バンド「Shout it Out」、優勝賞金100万円を注ぎ込みフリーライブ開催
10代限定の“音楽の甲子園”『未確認フェスティバル2015』で初代グランプリに輝いたShout it Outが20日、グランプリ獲得賞金100万円をつぎ込んだ入場無料のフリーライブ『NO MUSIC,NO TEENAGER』をTSUTAYA O-EASTで開催した。詰めかけた観客を前に、優勝旗を掲げて登場し、改めてグランプリ獲得の報告と、感謝の想いを直接ファンに届けた。
Shout it Outは、大阪・堺を拠点に活動する、平均年齢18.5歳のギターロックバンド。8月に開催された10代限定の音楽フェス『未確認フェスティバル2015』で、応募総数3,254組の中から初代グランプリを獲得。グランプリ獲得賞金の100万円の使い道をメンバー間で話し合った結果、背中を押してくれた方々への恩返し、そしてバンドシーンを盛り上げるために使うべきだという結論に至り、今回、自主企画イベントを開催した。
この日、オープニングアクトを務めたのは、『未確認フェスティバル2015』でしのぎを削った準グランプリアーティストの“リーガルリリー”。3ピースのガールズバンドながらも、ヘビーでパワフルな演奏を披露し、独特の歌詞と個性的な高音ボイスで、会場を温める。
さらに、ゲストアクトとして、Shout it Outメンバーが尊敬する地元・大阪の先輩バンド“Brian the Sun”と“SHE'S”が、彼らからのオファーを快諾して出演。Shout it Outとの対バンは約1年ぶりとなるピアノバンド“SHE'S”が登場すると、キャッチーなサウンドに観客も拳を突き上げてノリノリに。繊細かつダイナミックなパフォーマンスで観客で会場を盛り上げる。『未確認フェスティバル』の前身の大会『閃光ライオット』で準グランプリ受賞経験もある“Brian the Sun”は、アグレッシブな演奏と圧倒的な歌唱力を見せつけ、後輩バンドの記念すべきフリーライブに華を添えた。
そして、満を持してトリで登場したShout it Out。『未確認フェスティバル2015』の優勝旗を掲げて登場したVoの山内彰馬は、改めて初代グランプリ獲得の報告をし「ありがとうございます。今日は楽しんでいってください!」と感謝の挨拶。夢と現実の狭間で揺れながらも、前へと突き進む10代ならではの想いが詰まった楽曲たちを披露し、バンド名同様、ときおりシャウトを響かせて、一気に観客をバンドの世界観へと誘う。
ライブの中盤、Vo山内は「バンド結成から3年半。僕等の夢の一つが叶います」と宣言し、12月16日にミニアルバム『Teenage』をタワーレコード限定で全国リリースすることを発表。そして、そのミニアルバムのリード曲でもある『光の唄』と、収録曲『生きている』を熱唱し、最後に「今日はアンコールはいりません。最後にすべてをこの曲ぶつけます」と、『未確認フェスティバル2015』のエントリー楽曲でもある『17歳』を熱唱し、フリーライブの幕を閉じた。
終演直後、興奮冷めやらぬメンバーがインタビューに応じた。
――まずは、フリーライブを終えた感想を。
山内彰馬(Vo&Gt)「こんなに大きい会場でも、一番後ろの人まで顔が見えて、みんなすごく温かい目でこちらを見てくれて、楽しそうにしてくれていて。やっていてすごく気持ちが良かったです。初めて東京でライブをやったステージが、O-EASTで。当時、ここでやったときは、悔いが残るライブだったんです。今日やりきることができて、1年越しにリベンジが果たせました」
新山大河(Ba)「3年半前にバンドを始めて、ずっと夢として掲げていた『CD全国流通』の発表を、こんな日に叶えられて嬉しかったです」
露口仁也(Gt)「正直、大阪の先輩バンドの後に出るというのが、めっちゃ怖かったんですが、SHE'SもBrian the Sunもいいライブしてはって。“もう、やるしかない!”ってやって、楽しかったです」
細川千弘(Dr/support)「1ヵ月前くらいからサポートでドラムをやらせてもらっていて。僕自身は、こんなに大きな舞台で演奏したこともなかったし、緊張してましたが、終わってみたら、あっという間ですごく楽しいライブになりました」
――賞金100万円をはたいてフリーライブを企画するって、なかなかできないことですよね。
山内「『未確認フェスティバル』でグランプリを獲れたのは、本当に応援してくれた人たちのおかげで。直接ありがとうを言いたかったけど、そういう機会がなかなかなかったので、“じゃあ、自分たちで(機会を)作ろう!”と、ちょっと背伸びして、O-EASTでやってみました。成功やったね!」
新山「1mmも悔いの残らないライブになりました」
――オープニングアクトを務めたのは、その『未確認フェスティバル』で一緒に戦った同期ですね。
山内「リーガルリリーとは、ファイナルステージで初めて知り合って。一緒に仲良くやっていきたいというよりは、『未確認フェスティバル』の第一回の同期として、絶対に負けられないなと。切磋琢磨してこれからもやっていきたいと思っています」
新山「『未確認フェスティバル』のときも、リーガルリリーが先にすごい良いライブをしていて。“アカン、アカン! コレ勝たれへんぞ!”って。やるしかないってスイッチが入ったんです」
――グランプリを受賞した後の反響はいかがですか?
山内「応援してくれる人たちが増えました。協力してくださる人たちの数も増えたし、ライブのお誘いとかも嬉しいことに増えています」
新山「一番実感したのは、Twitterのフォロワー数。バンドの公式のフォロワーが6000人くらい一気に増えて、“こんなに通知って鳴るんだ!”ってビックリしました」
――そして、12月16日にはミニアルバム『Teenage』が全国のタワーレコードで発売されることが決定しました。
新山「今まで、ライブ会場でしかCDを販売していなくて、“通販やってないんですか?”という声も頂いていたので、待っていてくれる人たちにやっとCDを届けられるという想いです」
山内「リード曲の『光の唄』は、僕達が16歳のときに作った曲でずっと歌っている楽曲です。『閃光ライオット』に2年連続応募して、2年連続で落選して。そのときのエントリー楽曲がこの曲だったんです。それで、リベンジのつもりで『未確認フェスティバル』に応募して、ファイナルステージに立つことがでて。そのステージの最後に披露したのも『光の唄』やったんです。なので、まずはこの曲を軸に作りました。僕等の原点です」
――では、最後にこれからの夢を教えてください。
山内「近い夢としては、これまでライブで行けていなかった地方で待っていてくれている人たちに会いに、ライブにいきたいです」
新山「学生の頃、好きなバンドのCDを買って、そのバンドたちに励まされて、背中を押されていたので、いつか自分もそういう存在になりたい」
露口「堺の先輩バンドにKANA-BOONがいて。売れる前からライブを観に行ったりしていたんですが、いつか対バンがしたいです」
細川「僕も中学生のときにバンドが好きで、そのバンドって、当時の僕からしたら、ヒーロー的な憧れの存在だったんです。僕等もぜひそういう存在になりたいなと思っていて。なので、CDを全国で発売できるというのは、その一歩を踏み出せたかなと思います。いずれは、目標とされるような存在になりたいです」
Shout it Outのミニアルバム『Teenage』は、12月16日に全国のタワーレコード限定でリリースされる。