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2015/10/06 16:43
アイドリング!!!は最後までメソメソしない! 初の日本武道館でお祭り騒ぎのラストライブ
10月31日で冠番組が終了するとともに“全員卒業”となるアイドリング!!!が5日、ラストライブ『5th LIVE ング!!!ング!!!祭りだ!!! 〜良きところで武道館グ!!!』を初の日本武道館で開催した。
「最後だけどしんみりしない」と“祭り”をテーマに掲げ、オープニングは外岡えりか&横山ルリカによる和太鼓の演奏から。9年前の結成当初は9人いた1期生から残った2人は、息もピッタリに見事なバチさばきを見せた。そして19人でメインステージの階段上に並び、『百花繚乱アイドリング!!!』から初期ナンバー4曲を続けた。ミニスカの浴衣衣裳で生足のステップが映える。バックには2年10ヵ月ぶりのフルバンド。会場は6500人の観客で埋まり、サイリウムが一斉に振られる。橋本楓が「こんな素敵な景色を見られて幸せ。この空気をいっぱい吸って帰りたい」と話す。
『S.O.W.』『無条件幸福』などのアッパーチューンで躍動し、『SHA KA LA KA PARTY』ではメンバーが4台のトロッコに乗りアリーナへ繰り出した。アイドリング!!!のライブでは初めて。番組MCのバカリズムも「武道館だから」と面までかぶった剣道着姿で登場し、小手をしたままエレピの弾き語り(?)。これが美しいメロディに乗せたAV&エロ本賛歌でメンバーを引かせる一幕を挟み、ユニットコーナーへ。
3期生ユニット・HIP◇ATTACK fromアイドリング!!!(◇はハートマーク)は『太陽のサマサマデイズ』などを歌い、「これにて解散!」と宣言。NEO期の5人は制服衣裳でパワフルな卒業ソング『Sakuraホライズン』を勢い良くパフォーマンス。1期生の外岡と横山は『Over Drive』『Stay with me』と続け、歌もダンスも貫録のカッコ良さ。2人は「9年頑張って良かったね」と抱き合い拍手を浴びた。
また全員が白+イメージカラーの衣裳に着替えて集合し、『GO EAST!!! GO WEST!!!』のラストのフレーズ「友達だから」で全員が花道でギュッとひとつに。さらに、再びのバカリズム(柔道着)と森本さやかアナ、“全員卒業”発表後に加わったメンバーの身内3人の7期生まで勢揃いでソロパートを回す『Iのスタンダード』で沸かせる。『One up!!!』ではライブ恒例の「ワッショイ、ワッショイ」が武道館に響き、しっとりした『baby blue』では「スタンド」「アリーナ」「みんなで」と合唱して会場が一体に。
ラストスパートは『MAMORE!!!』など定番曲をたたみ込む。『やらかいはぁと』の史上最大のオレンジのサイリウムの海にメンバーも感激し、盛り上がりはクライマックス。このブロックでの19人の力強くもしなやかなダンスはさらに熱を帯び、集大成を感じさせた。ラストは「いろいろな想いを重ねながら聴いてください」と『〜などあって〜良きところで』。笑ったし泣いたしダマされたしスベったし……。アイドリング!!!の様々なシーンがフラッシュバックした。
アンコールでは19人がピンクのハッピを着て再登場。最後まで元気に歌いつつ、『職業:アイドル。』では、外岡が「アイドル卒業しまーす!」と明るく叫んだ。そして、ついに「ホントのホントに最後の曲」と歌ったのが『さよなら・またね・だいすき』。イントロで全員が肩を組み、1列になって体を揺らしながら歌い、タッチし合う。歌い終わって外岡が、9年間グループを支えた功労者として振付の村上陽子に涙ぐみながら感謝を伝え、そして「たくさんの愛を頂きました。その愛を抱えて最後まで突っ走ります。1人ずつになっても応援してください」と告げて、感動的にフィナーレ。
……と思いきや、バカリズムが今度は拳法の袴姿で現れ、「俺の目の黒いうちはメソメソエンディングは許さない!」と、サンバ曲『モテ期のうた〜Season2〜』を要求。メンバーたちがトロッコやランウェイで歌うのを尻目に、バカリズムは横山や朝日奈央らを次々につかまえ、鼻の穴に指をツッコんでブタ鼻にしてカメラに晒していた。一方では、メンバー同士で抱き合ったり、おぶったり、関谷真由や佐藤麗奈がランウェイをダッシュしたりと、自由なお祭りのカオスのなかでアイドリング!!!らしく最初で最後の武道館ライブは幕を閉じた。
現在のアイドルブームの初期をAKB48と共に担ったアイドリング!!!の功績は小さくない。個性的な各メンバーたちの卒業後の活躍にも期待したい。
(文・斉藤貴志)