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2015/10/03 17:06
東京パフォーマンスドール・上西星来、難役のヒロイン抜擢にも自信「上西の『おさえ』を演じます」
9人組ガールズグループ・東京パフォーマンスドールの上西星来が2日、ヒロインに抜擢された舞台『ダブリンの鐘つきカビ人間』(3日から渋谷・パルコ劇場)の公開ゲネプロおよび囲み取材に登場した。02年に水野真紀、05年に中越典子が演じた難役「おさえ」に10代で大抜擢され、プロデュース公演初出演&初ヒロイン抜擢となる上西は「上西の『おさえ』を演じます」と意気込みを語った。
『ダブリンの鐘つきカビ人間』は、後藤ひろひと作・G2演出による伝説的人気作の10年ぶりの再演。中世の民話の世界を思わせる架空の街を舞台に、外見と中身が逆転し醜いカビだらけの姿に澄んだ心を持つ青年と、思ったことと反対の言葉しか話せなくなった少女の淡い恋を軸に描く、美しく残酷な世界に不思議と笑いと感動と恐怖が混在するダークファンタジー。
キャスト囲み取材にて、シスター役ほかを演じる篠井英介は「こんな人(カビ人間)が主人公なんて、演劇ならではのファンタジー。演劇ってこんなにも想像をかきたてて、遠いところに連れて行ってくれるんだという、余韻が残る作品を感じていただきたい」と作品の魅力を語る。
その「カビ人間」役の佐藤隆太は「ファンタジーの世界ではあるんですが、G2さんの演出が細やかなので、観ている方が自分に置き換えることができたり、リアルと幻の幅広い世界を旅してもらえる作品です。カビ人間とおさえの食い違いがはじめは可笑しく見えるんですが、おさえに惹かれていくカビ人間の純粋さがあって、だんだんと胸が苦しくなっていく、心の変化を観てもらえます。本気で笑えて本気で泣ける極上のエンターテインメントだと思います」とアピールした。
ヒロイン「おさえ」役に大抜擢された上西星来は「今日劇場で場当たりをして、稽古場とは違うスポットライトと音響を感じて、楽しみが増えました」と堂々と挨拶。全ての台詞が感情と逆の言葉となる難役には、舞台経験が豊富な佐藤も「しんどい役ですよね」と気遣う。しかし上西は「稽古でどんどん感情移入していくなかで台詞を間違えたり、感情によって台詞が出て来なくなることもあるんですが、(プロデュース公演は)初めてなので何をやるにも難しいので大丈夫です! 稽古を積んできたので間違いないです」と笑顔で自信をのぞかせる。
取材記者からは「これまで大女優の演じた役だが」とプレッシャーをかけるような質問も飛んだが「以前の作品をDVDで観たとき、自分が台本で読んだときと受け取りかたが全然違っていたんです。だから、私は“上西のおさえ”を演じようと思います。自分は自分なんだと思います」と力強い言葉で答えた。
若手の役者たちの力を感じている篠井は「元々が小劇場に書き下ろされた作品なので、劇団員のエネルギーや、破綻があってもかまわないぐらいのパワーが満ち満ちている台本。それをこの若い人たちが演じるのは、小劇場第三世代としては演劇の歴史を見ているよう。出演はしているんですが、外から観たいと思う作品です」と期待を込めて語った。
「観ていていろんな感情になっていただけるように頑張るので、ぜひ劇場にいらしてください」という、フレッシュな上西が挑む異色のエンターテインメント作『ダブリンの鐘つきカビ人間』は3日19時の回から25日まで、東京渋谷・パルコ劇場にて上演。その後大阪、福岡、仙台、札幌にて公演。なお上西星来が『ダブリンの鐘つきカビ人間』について語ったインタビューが、オーディション&エンタメ情報サイト「デビュー/Deview」に掲載中だ。