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2015/06/27 14:30
『まれ』恋模様に急展開! 山崎賢人、不器用な圭太に「もうちょっと行けよ!って思った(笑)」
2011年のデビュー以来、映画にドラマにとコンスタントに出演し続け、着実にキャリアを積み、若手俳優の中でも抜群の存在感を放っている山崎賢人。現在オンエア中のNHK連続テレビ小説『まれ』の圭太役では、さらに幅広い年代に認知されてきた。そして7月5日スタートの連ドラ『デスノート』(日テレ系)ではL役に抜擢、9月には映画『ヒロイン失格』が控えるなど、注目度は上がる一方。
現在放送中の『まれ』は、家庭の事情で東京から能登に夜逃げ同然で移り住んだ希(土屋太鳳)が、様々な出会いを通して、自分の原点だったパティシエになるという夢を取り戻し、世界一のケーキ職人を目指す姿を描いた物語。第13週では、能登で日本一の輪島塗職人を目指す圭太と、横浜でマイペースに生きる大輔(柳楽優弥)、2人の男性の間で揺れる気持ちに混乱しながらも、ケーキ作りの修業に打ち込む、全てに全力な希の恋模様が見逃せない展開に。
6月27日の放送では、そんな複雑な三角関係を経て、希が圭太に告白するという山場を迎えた。お互いが不器用な幼なじみ同士のやりとりは、微笑ましくもあり、もどかしくもあり……と、王道のラブコメ要素もたっぷりだったが、はたして、現場の空気はどんな感じだったのか? 物語の半分を経て、山崎賢人が改めて思う、圭太の魅力とは!?
「圭太も、そして希も、もうとにかく不器用なんですよね。友だち・仲間として応援したいのか、それとも特別な感情があるのか、自分でもわかっていなかった。そのときの感情を素直にぶつけるから、すぐに言い合いになるのがおもしろかったです。ふたりの掛け合いのシーンのときは、つい一緒に笑っちゃったりしてました。圭太の魅力は……漆塗りに対する、ひたすら真っ直ぐな想いかな。真っ直ぐ過ぎて周りが見えなくなることもあるけれど、それでも一本筋が通っている部分は、圭太の一番の魅力だなと思います。でも、女性スタッフには大輔(柳楽優弥)のほうが人気があるみたいです(笑)。まぁ、大輔は大人ですからね。そこは圭太にはない部分なので、人気があるのもわかります(笑)」
そんな不器用な圭太を演じていて感じたのは、共感なのか、それとも、もどかしさなのか。「圭太が言った『好き』という台詞が、希が作ったケーキのことなのか、それとも希のことなのか……!?という部分で、ちょうど大輔さんが帰ってきてうやむやになるシーンがあったんですが、そういう若干、圭太が行ききらないところは、“もうちょっと行けよ!”って思ったりしました(笑)。希とのシーンに関しては、台本を読んでいるときから、いろいろと想像はしていたんです。圭太が希の部屋で箸を取ろうとして、それこそ、“壁ドン”みたいな状況になるところも、圭太にとっては、“自分が初めて作って、希にあげた箸がない!”ということだけで距離が近くなったほうがおもしろいな……とか。そういうのも、圭太らしくていいなと思いました」とほほ笑む。
希同様、自分の夢に向かって努力を続ける圭太と自身との、共通事項についての自己分析も。「圭太には“日本一の漆塗り職人になる”っていう大きな夢があって、地道にコツコツ修業を積んでいる。自分も、役者をやっていく中で、一つひとつの作品に集中して全力で臨むことが、将来、“さらにいい役者になりたい”という夢に繋がると思っていて。特に、幼なじみを演じるメンバーはみんな、すごく意識が高いんです。長い期間、そんな人たちと一緒にいるというのも、初めての経験で。例えば、洋一郎役の高畑(裕太)くんは演劇の学校に行っていたというのもあって、大きなお芝居が得意なんです。でも『今回は映像で、コメディ要素もあるから、いろいろ考えている』と言っていたんです。やり過ぎないで、お調子者でハイテンションな感じの洋一郎のあのバランスは、本当に上手いなって思いました。リアクションも、“どこから声出てるんだよ!?”っていう感じも含めて、すごくおもしろい(笑)。そして高志(渡辺大知)の、台詞がないからこそ表情で気持ちを伝えるところも、見ていてとても勉強になります。そんな現場を経験させてもらっていることは、きっと今後の自分の人生の糧になっていくんだろうなと。自分でも、“よし、やってやろう!”っていう気持ちが上がっていっているのがわかります」と、内に秘めた熱い想いを吐露。
普段は雄弁ではないのに、大好きな漆のことになると、まさに水を得た魚のように話が止まらない圭太。彼のように、山崎賢人が前のめりになるのは、一体どんなとき?
「人の話を聞いているときですね。大体“それから? それで!?”と、前のめりになっていると思います。漆塗りを職人の方に教えてもらっているときも、普段は遠慮がちな感じなのですが、いざ漆を塗り始めると、集中していてすごくカッコイイんですよ! その方がなぜ漆職人になろうと思ったのか、関東から能登に行ったのかという話も興味深かった。あと最近だと、高畑くんや大知くんと映画の話をしているときも、すごく楽しくて、テンション上がっています。映画も、音楽も好きだし、お芝居も、すごく楽しい。なので、『まれ』の新しい台本が届いたときも、前のめりです(笑)。いつも、週の終わりにいいところで(話が)切れるので、続きが気になってしょうがない。自分たちも、どんな風に物語が進んでいくのか、わからないので。そして現場で台本が 形になっていく過程もおもしろくて、いつも前のめりになっています」と笑顔で語る。
インタビュー中、多くを語らずとも、一つ一つの質問に、じっくりと考え丁寧に答える姿や、同世代の役者たちとの芝居を通じて、内に秘めた熱い想いを持って芝居に向き合っている山崎の姿と、不器用ながら希への想いに向き合い、“日本一の漆塗り職人になる!”というまっすぐな圭太の姿がまさに重なる。希の恋模様が急展開を迎えた『まれ』の物語の行方はもちろん、山崎がこの『まれ』を通して、役者としてどんな成長を遂げ、ステップアップしていくのか……その後の活躍ぶりにも期待したい。
NHK 連続テレビ小説『まれ』は、毎週月曜〜土曜 NHK総合ほかにて放送中。
(取材・文/根岸聖子)
※山崎賢人「崎」は、正しくは「大」の部分が「立」。