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2015/03/09 18:03
両親役の言葉に主演・藤野涼子も感涙 映画『ソロモンの偽証 《前篇・事件》』公開スタート
映画『ソロモンの偽証 《前篇・事件》』が7日に公開初日を迎え、丸の内ピカデリーにてキャスト&監督による舞台挨拶が開催。主演を務めた藤野涼子をはじめ、板垣瑞生、石井杏奈、清水尋也、富田望生、前田航基、望月歩の中学生キャストと、大人役キャストの佐々木蔵之介、夏川結衣、小日向文世、メガホンを取った成島 出監督が登壇した。
本作は宮部みゆきの最高傑作と呼ばれている小説『ソロモンの偽証』を映画化。クリスマスの朝に起こった生徒の死をきっかけに、生徒たちが自ら“校内裁判”を開き、同級生の謎の死の真相を暴いて行く長編ヒューマン・ミステリーだ。
製作にあたり、中学生33名のキャスティングには一万人にも及ぶオーディションとワークショップを行い選出。主人公・藤野涼子の父親を演じた佐々木は「中学生キャストは一万人を背負って立っている覚悟があった。毎日全身全霊で芝居をぶつけてくるので、毎回本当に心打たれた」と感服。さらに「試写を観たときに、『“涼子”はこのときこんな風に考えていたんだ』、『こんなにうちの“涼子”は立派になった』と思った。娘のおかげで僕はお父さんにさせてもらった」と父親に似た感覚を覚えたようだった。
佐々木と同じように“涼子”の母親役の夏川も「“涼子”と初めて会った時は、とってもあどけなくて可愛らしい普通の中学1年生で。撮影が進んでいき、彼女なりの悩みや戸惑い、自分で乗り越えていく姿をそばで見て“このコなら大丈夫、乗り越えられる”って思うように。“涼子”の母になれて良かった」とコメント。
すると、その言葉に藤野は思わず涙・・・。「役を演じるってことは、今回が初めてのことで。“涼子”自身も成長したい想いが本作の中にあり、自分自身も成長できた」と演技はほぼ初挑戦という、すべてが初めてづくしな中、主演の重圧に耐えてきた想いが溢れたようだった。
ほか中学生キャストもプレッシャーもあったようで、本格的な演技は初挑戦だったという富田は「役をいただいたときは、嬉しさを不安が包んでるような、演じれるのかとても心配だった」と告白。それでも「毎日の稽古の中で、全力で芝居をすることができるようになった」と話し、清水も「時間をかけて役を作り上げていく大切さを知れた」など、役者として一回りも二回りも大きくなったようだ。
それでは素はまだ子供っぽさが残るキャスト。注目してほしいシーンについて聞かれた板垣は「後篇では(演じる)神原が何をしにこの学校に来たのか、いろんな謎が解けていきます。前篇は悲しい感じなんですけど、後篇はなんだろう・・・、えっと・・・明るいというか、救われる救済な映画になっています」と言葉を探す場面や、前田も「僕すごい汗っかきなんですけど、夏すっごい暑い体育館で撮影してたんです。その中で水分を調節することで汗の分量を抑えられるようになりました。それは意外な進歩かなって思っています(笑)」など、子供らしいあどけない姿を見せていた。
死体となって発見される生徒役を演じる望月は「僕としての後篇の見どころは裁判シーンなんですけど、僕は先に命を落としてしまうので(笑)。僕がどうして命を落とすことになったのかなど、心の中に僕を置いて観ていただけたら嬉しい」と笑いを混ぜたコメントで和ませた。
「オーディションから今日まで約1年強かかり、やっと皆さんたくさんの方々に観ていただける日がやってきました」との石井のコメント通り、オーディションから初日を迎えるまで長期間かけて作り上げた本作。
「“涼子”たちの演技を見て、役者として役を作る、演じるのはどういうことなのかを考えさせられた。ぜひ後篇を見逃さないようよろしくお願いします!」と小日向も強くアピールし、監督からも「前篇のテーマは勇気です。この子たちが勇気を持って進んでいく。後篇は裁判の中で奇跡のように救済が起きてきます。最後、生きていく希望の光にこの映画はたどり着きます。後篇もぜひ劇場でご覧になってください!」とコメント。キャスト全員「4月11日公開の後篇まで何度も観てほしい」と呼びかけた。
映画『ソロモンの偽証 《前篇・事件》』は現在絶賛公開中。また《後篇・裁判》は4月11日に全国ロードショー。
なお、現在発売中の『デ☆ビュー』4月号には、本作の監督・成島 出と読者の対談記事を掲載。また、出演する板垣瑞生が所属するダンスボーカルグループ・M!LK(ミルク)のインタビューも掲載している。