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2014/12/26 19:21
ももいろクローバーZ、笑顔溢れるクリスマスライブ「みんなで笑えるこの場所をずっと守りたい」
ももいろクローバーZが24日・25日の両日、さいたまスーパーアリーナで恒例のクリスマスライブ『ももいろクリスマス2014 さいたまスーパーアリーナ大会〜Shining Snow Story〜』を開催した。
ライブは、国際的に高い評価を受けるダンスパフォーマー・黄帝心仙人がプロデュースする、アニメーションスタイルのダンスチーム「タイムマシーン」の演じる物語で開幕する。人間と全く変わらない感情を持つ完璧なロボットを創造しようとする研究者たち。しかし、『エガオ』を創ることだけがどうしても難しい。会場のファンは、未完成なまま放たれたロボットの少女と一緒に、ももクロの笑顔溢れる世界を体験することになる。
「ロボットだって笑顔にできる」。そんな夢と少しの自信をメンバーがのぞかせるオープニング映像に続いて、白いシルクハットをかたどった巨大ステージにももクロが登場。おなじみの『PRIDE』のテーマソングに乗って、5人が被った白くのっぺらぼうの仮面に、プロジェクションマッピングで、機械の顔からとびきりの笑顔までさまざまな表情が映し出されていく。フィジカルな全力パフォーマンスと最新の特殊効果が融合しているのも、ももクロのライブの大きな見どころでもある。
ライブは高城れにの「咳」をきっかけにはじまる『黒い週末』でスタート。今年、音楽監督・武部聡志率いる「ダウンタウンももクロバンド」は、ブラスセクションが一気に10名増えた計23名のビッグバンド編成となった。分厚く迫力を増したももクロサウンドは圧倒的で。中でも『泣いてもいいんだよ』のブラスアレンジのカッコよさには、有安杏果も感激していた。
メンバーたちのキュートなクリスマス仕様の衣装、バンドの演奏するクリスマス名曲メドレー、そして歴代の『ももクリ』映像で、クリスマスムードがどんどん高まっていく。そして『ももクリ』の定番曲『サンタさん』で恒例の高城によるマジックショーへ突入。「ファンタジーをみんなと分かち合いたいんだよ」という高城と、“永遠のパートナー(?)”玉井詩織のコンビが大掛かりな「串刺しからの脱出マジック」を大成功させ、喝采を浴びた。
そして、ニューヨーク・ヤンキース田中将大投手が登板の際にかけている曲『My Dear Fellow』の途中、サプライズで田中投手本人が登場すると、スタジアムさながらの大歓声が巻き起こる。「ついに『Z』入れたじゃん!」(百田)というももクロカラーのグローブをはめた田中投手に対し、金属バットを手に対峙する百田夏菜子。その流れで長い花道を使った1打席対決が始まった。「気持ちいい当たり具合」(百田)の死球であわや乱闘!のシーンもありつつ、三振に討ち取られた百田。ももクロと共に振りを踊った田中投手は「メリークリスマーくん」の言葉で締めくくった。
対決の興奮が冷めやらぬまま、メンバーがトロッコでアリーナを一周、熱狂するファンの近くまで行き笑顔を届けると、そのまま一旦バックステージへ退場。入れ替わりに登場した総勢30名の社交ダンサーで構成された「ソシアルクローバーZ」が、バンドによるインストアレンジの『全力少女』、『月と銀紙飛行船』、『ミライボウル』で華麗に舞うと、ゴージャスなショーのステージへと空気は一変する。
そこへ迷い込んだ、冒頭の少女型ロボット。「エガオ」について未だ理解できず、「わずらわしい感情なんていらない」と混乱するロボットに、タキシード風の衣装に変身して再び現れたももクロが語りかける。すべてがスマートに便利に、無駄なことが切り捨てられていく世界では、「迷うこと」や「努力すること」が失われて、その先にある歓びも、人と人が支えあうことも無くなっていく…。ミュージカル的演出で初披露する『一粒の笑顔で…』(セーラームーンミュージカル等を手掛ける小坂明子による新曲)が、ロボットに感情を、笑顔を与えていく。
今日のももクロの「笑顔」も、ぶつかって迷って乗り越えて、メンバー同士、そしてファンとの笑顔の交換を重ねてきたことで育ってきたもの。人間らしく「わずらわしい感情」にもあえて振り回され、メンバーの笑顔に心動かされるために集まっているファンも多いだろう。ロボットの少女とともに満面の笑顔を咲かせた会場全体が、とびきりのキラーチューン『行くぜっ!怪盗少女』に一気になだれ込み、タイムマシーン、ソシアルクローバーZも登場して、ももクロ主演のミュージカル大作は大団円を迎えた。
アンコールでは、2015年1月28日に発売の伝説的ロックバンド・KISSとのコラボレーションシングル『夢の浮世に咲いてみな』のトレーラー映像が公開され、すでにお馴染み、松崎しげるが歌う『愛のメモリー』に乗せて、2015年4月4日・5日(日)福岡・ヤフオクドームでファンクラブイベント『〜ホワイトベレー全員祭り〜 ももクロどんたく』の開催が発表された。
4時間にもおよぶ盛りだくさんのライブで、たくさんの笑顔に包まれたももクロ。最後の挨拶ではそれぞれに余韻を楽しんだ。「人間が一番最初に覚える表情は笑顔なんだって。それは生まれてきたことを喜ぶ家族の顔を一番最初に見るから。生まれてきたことに感謝して、来年のクリスマスももっともっとみんなの笑顔が見たいです」(高城)、「今年あーりんにはサンタは来てなくて、大人になったなぁって思ったわけだけど、ライブになると子供みたいにただただ楽しくて、全部忘れて楽しんじゃう。サブステージで『灰とダイヤモンド』を歌ったとき、歌詞の意味がすごく入ってきて、頑張ってきて良かったなと思いました」(佐々木彩夏)。
「ファンのみんな、スタッフ、共演者の皆さんに囲まれて、私たちの周りにはなんでこんなに素敵な人が集まっているんだろうって。これはサンタさんからももらえない素敵なプレゼントです。ももクロである意味を見つけたと感じるし、ももクロでよかったってライブのたびに思います。私たちを見たいと思って来てくれる人がいる限り、ももクロであり続けます」(玉井)、「会場のみんなが一人残らず同じだけ笑顔になってくれてたら嬉しい。本当にここは素敵な場所。自然と笑顔になれるし、イヤなことも全部忘れられる。笑いたいなって思ったとき、私たちを見に来てくれたらいいな」(有安)。
最後にマイクを取った百田は「みんなで笑えるこの場所をずっと守っていきたい。私たちの全部がなくなってしまっても、この景色だけは見られるようにずっと頑張っていきたいです。私たちはいろんな形で笑顔を届けていきたいと思うんですが、私たちに興味が無い人には届きません。だから届かないところは、皆さんが周りのたくさんの人を笑顔にしてください。そしたら笑顔の輪が広がると思います」と挨拶し、「ハッピーメリークリスマース!」と満面の笑顔で年に一度のクリスマスを締めくくった。