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2014/11/25 20:11
アイドリング!!!菊地亜美 泣き笑いの卒業ライブ!
アイドリング!!!菊地亜美が24日、NHKホールで行なわれた『アイドリング!!!14th LIVE 井の中のアイドリング!!!大海でバタアシング!!!』において、同グループから卒業した。
アイドリング!!!の14thライブの昼公演が終わり、夜公演=自身の卒業ライブが始まる前に、会見を開いた菊地亜美。「卒業する実感が全然ありません。『今までありがとう』的な話を誰ともしてないし」と話していた。卒業までの30時間密着ドキュメントを生配信して寝てないこともあり、「もうちょっとで寝られる……という気持ちもあって、複雑です」とも。
そして幕を開けたライブ。スクリーンに菊地がアイドリング!!!2期生としてデビューしたときからの映像が流れた。バラエティでは頑張りつつ、歌ではいつも端の方や後ろ……というところで、ステージ中央にフロア下からせり上がって菊地本人が現れた。他のメンバーも左右からなだれ込み、彼女が6年半かけてセンターについた『シャウト!!!』からスタート。拳を突き上げてハツラツと。
白い姫チックな衣裳は彼女が三宅ひとみとデザインしたもの。自分のだけスカートがピンクで、頭にはティアラも。後のMCで三宅が「亜美は意外と控えめなので、1人だけ違う色で無理やり押し切りました」と話していた。『サマーライオン』『キュピ』など、この日は多くの曲を菊地センターのまま続け、22人全員の振りを揃えたアイドリング!!!らしいパフォーマンスを見せていく。
セットリストも菊地が決めた。「思い出の曲ではありきたりかなと思ったんですけど、ラジオでファンの人に好きな曲を聴いたら、全部入ってなくて(笑)」。ユニットコーナーも自分がいたユニットではなく、「卒業する前に入りたかった」ユニットの曲を集めた。
『想いの詩』では数年ぶりのピアノ演奏を、関谷真由らの歌のバックで滑らかに披露。北海道出身ながら関西アイドリング!!!の『まけへんで!』も橘ゆりからと共に関西弁で歌う。「同じ上京組として」とのことで。2009年のユニットバトルからは、唯一のバラードだったキュンキュンアイドリング!!!の『ベタな失恋〜渋谷に降る雪〜』を、いつにない表情でしっとり歌い上げた。
MCに入ったところで、卒業生で親友の谷澤恵里香がサプライズで現れ、菊地に花束を渡す。さらに「ちょっと待った!」と、番組司会のバカリズムも長ラン姿で登場。2本撮りの予定だった収録が1本になり、急きょ駆け付けたとか。背中に“祝卒業 菊地亜美”と縫われた特注の長ランを菊地に渡すと、袖を通した菊地から即座に「タバコ臭い! これ着てくつろいでいたでしょう?」とツッコまれていた。
次に挑んだのが目玉の“50分メドレー”。菊地が50分ノンストップで、メンバーと共に歌い続けるというもの。もともと彼女が『27時間テレビ』を観て、最後に司会のSMAPが40分メドレーを披露したのに感動した……という話を、プロデューサーと雑談でしたところ、「やっちゃう?」というノリで決まった企画。
TRFのカバー『寒い夜だから』で始まり、『恋ゴコロ』『戦闘恋愛少女ロボB型の憂鬱』などを次々にたたみかけていく。冒頭から、あまり“卒業”を感じさせないライブだったが、『Iのスタンダード2014』の曲中で、中学生の清久レイアと橋本瑠果がタイムリミットでここで最後と菊地が告げ、瑠果が「亜美さんは人類で一番面白いと思います」と泣き出すと菊地も涙を見せ、続くバラード『粉雪が舞う街並みで』などでも涙声になる場面が。彼女のアイドリング!!!での時間が残り少ないことを改めて意識させられる。そうこうしながら、定番の『やらかいはぁと』まで15曲で、50分メドレーをエネルギッシュに完走した。
菊池が「『笑って卒業したい』と言ったので、ウルッとこないようにバラードとテンション高めの曲を交互に入れていたのに、るかぴょんの号泣につられて」と話すと、酒井瞳が「亜美ちゃんの泣き方も子どもっぽいから、私ももらい泣きした」と返す。
本編はラスト2曲に。「力強く歌いたいと思います」という『MAMORE!!!』に、さわやかな卒業ソング『さくらサンキュー』で、笑顔のまま締めた。アンコールにはTシャツにタオルを首にかけて登場。そのタオルを会場と一体になって回す『SHA KA LA KA PARTY』、いろいろなメンバーと肩を組みつつの『職業:アイドル。』と続け、盛大な“あみみ”コールも起こる。「卒業を今、実感して……鼻水が出ちゃった」と笑う菊地。
アイドルとしてのラストソングは『さよなら・またね・だいすき』。メンバーが肩を組んだ横1列からバラけて、手を左右に振りながら、ゆったり歌う。全員とタッチして再び横1列になり、“今日はありがとう 忘れないでね”と歌声が響いた。泣き顔のメンバーもいたが、菊地自身は時折り涙をタオルでぬぐいながらも、笑顔のままだった。
その後、各期ごとに手紙を読んだり、はなむけの言葉を伝える。NEO期の佐藤麗奈は「他の(先輩)メンバーはアイドリングNEOに入りたくないと言っていたのに、あみみさんは一番に“入りたい”と言ってくれて嬉しかったです」と涙。5期や4期からは「会話という会話をしたことがなくて、ちょっと怖かった」(高橋胡桃)、「もっと早く打ち解けたかった」(尾島知佳)といった声も出たが、菊地は「自分から話し掛けるのは緊張しちゃって。卒業を発表してから、もったいないと思って話すようにしたんだけど」と答えていた。
3期の橋本楓は最初から涙で「入ったときから一番可愛がってくれた先輩です」と卒業を惜しみ、菊地の大きな瞳からも涙が流れた。1期で年下の先輩に当たる外岡えりかは「仕事に対する姿勢を尊敬してました」と称賛。この言葉を聞いた菊地は大感激でまた涙。同期の2期からは「アイドル番組らしからぬ発言で罵倒されて『何だコイツ?』と思った」(長野せりな)など“批判”も相次いだが、「ヘンなところはいっぱいあるけど、実はやさしくて、メンバーのことを考えていて」(朝日奈央)との話も。
一番仲の良かった三宅は「昔から亜美は『バラエティに出たい』、私は『女性誌の仕事をしたい』と夢を語り合って。私がMOREビューティーズに決まったとき、一番に報告したら、抱きついて喜んでくれて嬉しかったよ」と声を詰まらせて語った。一方、酒井瞳が「ごはんを食べてるときも、昔は下ネタを振られるのを嫌がっていたのに、バラエティに出だしてからは自分から言うようになって。しまいには、おしぼりで……」と言ったところで、菊地に「それは言ったらダメ!」と制止されるひと幕も。
最後は菊地から涙と笑いの半ばしたメッセージ。「明日からアイドリング!!!でないのかと思うと寂しいです。バラエティに出られるようになったのもアイドリング!!!のおかげ。半分ぐらいは事務所の力だと思いますけど(笑)。1週間くらいテレビに出ないと『菊地消えたな』とか言うでしょう? だから『見ないね』と言われないように頑張ります」
そして、拍手と声援を浴びながら「バイバーイ。みんな大好きだよ」と手を振った。
ライブ前の会見では、谷澤恵理香から「個人だとファンが10分の1に減る」と言われたとの話も出た。実際、グループ卒業後に苦戦する元アイドルは多い。だが、アイドリング!!!でも「初期はPVに3秒シュッと映るだけ」という状況からグループの顔になった菊地亜美の意欲と努力は並外れている。「『情熱大陸』に出たい」という夢もいつか叶うと期待したい。
Text/斉藤貴志