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2013/08/28 12:52
舞台版『心霊探偵八雲 いつわりの樹』再演が開幕
シリーズ累計370万部を突破している大人気小説を舞台化した、舞台版『心霊探偵八雲 いつわりの樹』が、21日に青山円形劇場にて開幕。初日公演を前に、公開ゲネプロが行われた。
同作品は、死者の魂が見える赤い左眼を持つ大学生・斉藤八雲が、次々と起こる不可解な事件を解決していく『心霊探偵八雲』シリーズの原作者の神永学氏が、舞台上演のために書き下ろしたオリジナルストーリー。2008年に同劇場にて上演され、本格ミステリーと、観るものを引き込むエンターテインメント性の高さが話題を呼んだ舞台で、今回はメインキャストを一新しての再演となる。主人公・八雲役には、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンで、立海・仁王雅治を演じた久保田秀敏が抜擢され、八雲とともに事件に関わり、彼に惹かれていくヒロイン・小沢晴香役には、『仮面ライダーフォーゼ』、映画『HK/変態仮面』、ドラマ『リアル鬼ごっこ THE ORIGIN』にてヒロインを務めた清水富美加が抜擢され、初舞台に挑む。さらに、アニメ版『心霊探偵八雲』で、刑事・後藤和利の吹き替えを担当した、東地宏樹が、実際に同舞台で後藤役を演じている。
とある神社で一人の死体が発見されたことから物語が始まる。被害者は担当刑事である石井(佐野大樹)の同級生だった。容疑者はすぐに判明するものの、その証言内容と、目撃者であり被害者の恋人である女の証言とは全く異なるものだった。そして同じ頃、晴香は友人から心霊現象について相談を受け、断りきれずに八雲に助けを求める。『毎回トラブルを持ち込むな』と文句を言いながらも、重い腰を上げる八雲だったが、強い憎しみを持った霊と対峙することになる。一見、接点がないように見える2つの事件だったが、事件が進むにつれ、深いところで繋がっていることが判明してくる…。
中央にステージがあり、その周りを360℃客席で囲む青山円形劇場ならではのステージには、『いつわりの樹』とイスが4個というシンプルなセットが組まれ、役者たちが縦横無尽にその空間を使い、芝居で魅せる。物語も最後まで目が離せないストーリー展開になっており、“自分もその現場にいるのではないか?”と錯覚するくらい引き込まれる、臨場感たっぷりの演出が印象的だった。複雑に絡み合う人間関係と、人間誰しもが抱いている心の弱さや愛と憎しみが浮彫になる中、八雲や晴香が導き出したラストに、最後は共感し、涙できるミステリー感動作だ。
舞台版『心霊探偵八雲 いつわりの樹』は、28日(水)まで青山円形劇場にて上演。なお、現在発売中の『デ☆ビュー』9月号には、八雲を演じた久保田秀敏のインタビューを掲載中。