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2013/07/25 23:01
実写映画『ガッチャマン』完成披露記者会見&試写会レポ
実写映画『ガッチャマン』の完成披露記者会見が東京国際フォーラムで行われ、松坂桃李、綾野 剛、剛力彩芽、濱田龍臣、鈴木亮平のキャスト陣のほか、メガホンをとる佐藤東弥監督が出席した。
本作は、1972年から放送されていたテレビアニメ『科学忍者隊ガッチャマン』を実写化させたもの。実写化にあたって佐藤監督は「いわゆる完全コピーをするか、要素だけを残してオリジナルで作るかという選択肢があって、僕はガッチャマンに対する僕たちのイメージは常に意識しつつ、変えることを恐れずにやってくという風なつくり方のスタンスで、最終的に見終わった時にこれはガッチャマンだと思ってもらえればいいな」と要素はそのままに、がらりと印象を変えての作品に仕上げた。
当然、アニメ原作、しかもシリーズ最高視聴率は27.1%と当時の人気もさることながら、熱狂的かつ長年のファンもいる作品だけに演者もプレッシャーは相当のもの。それでも「本当の意味で総監督でした(松坂)」と語るように、監督に救われた部分は大きいようだ。
大鷲の健役を演じる松坂は「監督に最初に言われたのが『原作の世界観というものは気にしなくていい。僕らが用意する』ということ。監督の熱い想いを見たときに『あ、これはこの監督の熱い思いと同じ熱の高さでこっちもいれば間違いない』と思ったんです」と。
さらにコンドルのジョー役の綾野も「原作の“コンドルのジョー”の再現だけでなら非常に肩身の狭い印象だったんですけど、『今2013年になって、今の時代を生きるガッチャマンを作りたい』と監督のメッセージを僕は感じまして。原作の完成度とかではなくこの原作からいただけるエッセンスやイメージ、アイディアを僕たちが演じる2013年において具現化するということを感じ、逆に客観的に台本が読めました。撮影でも『2013年ガッチャマンを作るんだ』っていう思想が全員にきちんと乗り移っていた」と、監督を中心に自信の作品ができたようだ。
また今回の見どころといえば、アクションシーンもその一つ。そんなアクションシーンを、今回会見後に行われた完成披露試写会のOPで特別披露!ワイヤーアクションによる降下パフォーマンスで、松坂は5メートル、綾野が4メートル、鈴木が3メートル、濱田が2.5メートルの高さから、試写会に集まった4000人を前にしてステージに舞い降りた。
松坂は「撮影でもワイヤーを使っていたんですが、今日が一番高いところから飛びましたね。さすが東宝、やりますね〜。宣伝部チームはやることが違うな」と感想を語り、綾野も「こんないちかばちかのこの感じ。でも無事ケガなく皆さんの前に立ててることは幸いです。よかった」とホッとした表情。
今回撮影で初の本格的アクションに挑み「楽しかった」と語る紅一点・白鳥のジュン役の剛力は、「うらやましい。私も飛びたかった」と残念そう。「皆さんずっと『怖い』って言ってて、龍臣くんに関しては『お腹痛い』って。可愛いな〜って思いながら頑張れって。一番近くで皆さんを見てて、感動して泣きそうになっちゃいました。すごいかっこよかったですよね」と同意を求めると、観客からは盛大な歓声と拍手がまき起きた。
ちなみに「本編で一番高いところ飛んだのは剛力さん」と監督から話があると、綾野は「(剛力さんは)非常にポジティブオーラがあって、アクションに対して『楽しい、楽しい』って。僕たちは割と戦々恐々しながらやってたんですけど」と本当に楽しそうに撮影する姿に感服。みみずくの竜役の鈴木も「本当に楽しんでるもんね。俺の隣でずーっとパンチの練習してて。撮影で疲れて、朝一で剛(力)ちゃんの笑顔をみると『頑張ろう』って思ってましたよ」と共感。
ほかに撮影中の大変だった思い出について聞いてみると、鈴木からは「このスーツを着るだけですごく大変なんですよ」と、今回特注で作った総額2千万円という豪華なスーツについて。「着るのに15〜20分、脱ぐのに15〜20分くらいかかるんだよね(松坂)」、「なんでトイレに行きたいって言う時の緊張感。30分トイレのために現場を止めるのはって(綾野」、「やっぱり現場の空気は止めちゃいけないって、みんな思ってるんですけど。トイレに行きたい気持ちもあるんで、目で合図するんですよ『トイレに、行くかい?』(松坂)」、「スタッフにも『そろそろじゃないかい?』って(綾野)」とやり取りがあり、撮影の思い出話を笑いを交えながら語られた。
また、本編全体通してCGが駆使され、剛力も「完成を観てCGがすごく想像を超える細かさで、私も驚きが隠せないくらい」と話すほどで、CG作業は半年を要した。そのため撮影はグリーンバックが多く松坂は「『あそこに全長4mの敵がいます。戦ってください』とか、『月です。地球です。宇宙です』どうぞって感じで」とざっくりした説明に戸惑いも……。濱田(燕の甚平役)は「ざっくりな説明が多かったんですけど、4人の皆さんは理解してるので、教えてもらったりとかついていったりとか、すごく難しかったけど自分で想像しながら、映画を後で見るとすごい迫力になってるんで。まだできている途中とかそういうものを見てるのが楽しくて、それが『こんななるんだ〜』という迫力で、CGってすごいなって改めて思いました」と5人の中で最年少ながら、実にしっかりしたコメント。
ただ鈴木に関しては「皆さんグリーンバックって言ってますけど、竜の衣装グリーンなんですよ。だから僕だけ水色バックで、5人のシーンも4人でやってるんですよ。一緒に戦ってるシーンでもすごく孤独感があって」と違った苦労も。
そんな苦労もありながら、チームワーク抜群で作り上げた映画『ガッチャマン』。松坂は「出来上がった時の映像をみたときに、グリーンバックでの撮影が多かったんですけども、でも僕らが監督の言葉だったり、他の人のその中にあるヒントを手繰り寄せて自分たちの中で作っていた『ガッチャマン』の世界観といものが映像になったときに、『あ、間違ってなかったな』って。それだけ全スタッフがこだわって、こだわって、こだわりぬいた、作り手側の熱い想いがギュッとつまった作品。CGも日本映画では観たことがない映像になっているのではないかと。そして、5人の関係性人間ドラマも見どころの素晴らしい作品です。ぜひ観て、たくさんの人に広めてください」と語り、最後の挨拶を占めた。
実写映画『ガッチャマン』は8月24日より全国東宝系にてロードショー。なお、8月1日発売の『デ☆ビュー』表紙には、松坂桃李が登場! 巻頭インタビューもお見逃しなく!