東日本大震災から1年が経った11日、鉄道をコンセプトにした中高生アイドルユニット・ステーション♪が発起人となり、「日ごろお世話になっている鉄道に恩返し」をするべく、岩手県・南リアス線の三陸鉄道の復興チャリティーイベントが開催された。イベント開催の呼びかけに応え、震災の只中にいた東北地方のテクプリを筆頭に、北海道から九州まで全国から13組のアイドルが東京・六本木のライブハウスに集結。被災地に元気と笑顔を届けるべく、熱のこもったパフォーマンスを繰り広げた。

　いまだ震災の爪痕の残る岩手県・三陸鉄道のチャリティーライブの発起人となったのは中高生アイドル「ステーション♪」。リーダーの金城成美は「震災から1年を前に、ステーション♪で何か出来ることはないかと考えて、私たちが鉄道をコンセプトにしたアイドルユニットということで、一番被害が大きかった三陸鉄道さんへ寄付をすることにしました。これまで秋葉原などでさまざまな募金活動をしてきて、今回ここでみなさんに集まっていただいてライブが実現しました」と感謝のコメント。

　ライブに集結したのは、H&A（静岡県）、拳銃少女（東京都）、JK21（大阪府）、ステーション♪（東京都）、青春女子学園（福岡県）、テクプリ（宮城県）、DokiDoki☆ドリームキャンパス（東京都）、Pieace（埼玉県）、ぷりんせす♪りぼん（静岡県）、hy4_4yh（東京都）、ほいっぷ★Girls（北海道）、MYM Melody（東京都）、ミラクル（静岡県）の13組のガールズユニット（50音順）。ライブに先だって行われた会見には各組から代表者が登壇。ぷりんせす♪りぼんの藤田光音は「私たちはまだ小学生なので、出来ることは限られていると思うんですけど、いままでチャリティーイベントなどでファンの方に買っていただいたグッズを義援金にしたりしてきたので、これからもそういう活動を続けたいと思います。あとは私たちが笑顔で、元気で歌とダンスをやることが、被災地の方々の力になることを信じて頑張ります」と語った。

　東北から唯一の出演となった宮城県のアイドル・テクプリのリーダーRIKAは、「私たちテクプリは内陸部に住んでいて、家族も無事でした。しかしまだ、海岸部には本当に悲惨な状態が残っています。私たちが普通に遊んでいた公園とか広場とかにも瓦礫があったり、仮設住宅があったりというのが現状です。でも本当に大変な人たちこそ今前を向いているので、私たちも前を向こうというメッセージを発信していければと思います」と気丈にコメント。

　今回のイベント参加にあたっては葛藤もあったという。しかし「今回は正直なところ1年目の当日ということもあり、本当に悩みました。ここに来るべきなのか、仙台に居た方がいいのか……。メンバーと話し合った結果、私たちに出来ることを少しずつでもやろうと、ここに来ました。そして同じように全国からの皆さんを東北に呼んでライブをしようという計画も今立てています。6月に予定（ZEPP SENDAI）しているので、そちらも注目してください」とまっすぐな目で語った。

　ステーション♪の金城は「募金活動をしている最中に“私、実は東北の出身で、被災して今、東京に来ているんだよ”という方もたくさんいて。その方からたくさん話をいただいたので、今日のライブを通じて絶対に笑顔を届けようと思いました。集まった募金は5月に直接被災地に届けに行きます」と宣言。ホスト役として来場者の出迎えや進行にも積極的に関わっていた。

　チャリティーに賛同した全国のアイドルによって出来あがった、手作りで温かいイベント「3.11三陸鉄道チャリティーLIVE」。このアイドルのチャリティーの輪が、テクプリによる仙台でのイベントや、さらに大きなムーブメント育っていくことに期待したい。