アジアシネマアカデミー京都×デビュー「映画俳優スタートアップ講座」レポート | 特集 | Deview-デビュー

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アジアシネマアカデミー京都×デビュー「映画俳優スタートアップ講座」レポート

2025/10/01

「京都には俳優が質の高い芸能を学べる環境が揃っている。まずは地元でしっかりと勉強をしてほしい」

映画俳優スタートアップ講座

2025年11月に京都に新規オープンする映画の学校「アジアシネマアカデミー京都」と、「デビュー」のコラボによる、俳優志望者のためのワークショップ「映画俳優スタートアップ講座」が2025年9月23日、京都の中心部に位置する新京極通りにある誓願寺にて開催された。

映画俳優スタートアップ講座

映画俳優スタートアップ講座ワークショップの会場となった誓願寺

開催地となったこのお寺は落語発祥の地であり、芸道上達の場としても知られる。参加者は京都、大阪、そして東京在住者が多く、大学で映画を学んでいる俳優たちも参加。授業は東京で映画の企画・製作を行い、スクールとしても過去15年で約15,000人を超える俳優や脚本家を輩出してきた映画24区の代表であり、11月に開校するアジアシネマアカデミー京都でも総合プロデューサーとして参加することが決定している三谷一夫氏が講師を担当した。

映画俳優スタートアップ講座講師を務めた三谷一夫氏

まず1限目は「映画俳優にとって演技スキルよりも大事なこと」として、

(1)ものづくりの感覚を養うこと
(2)脚本読解力を強化すること


の2点をあげ、それぞれなぜ必要なのかということを、映画の撮影体制や制作工程の現況をふまえながら解説した。特に「脚本読解力の向上」については芸能事務所の養成所や芸能スクールによるレッスンの内容にも触れ、「1シーンや2シーンの短いテキストではなく、脚本1冊からいかに作品の勘所を掴めるかが俳優としての勝負の分かれ目」と力説した。

映画俳優スタートアップ講座「映画俳優スタートアップ講座」の模様

2限目では、「脚本読解」を具体化すべく、京都を舞台に制作された1冊の映画脚本と事前に受講者に渡してあったワークシートを使用。受講者各々がどのように脚本を捉えてきたかを個々に発表。その後、講師が脚本読解のポイントとなる「3行ストーリー」「葛藤」「スルーライン」を挙げ。「脚本を深く読み解く」とは具体的にどういうことなのかを解説した。

映画俳優スタートアップ講座「映画俳優スタートアップ講座」の模様

当日は時間に余裕もあり、参加者が実際にカメラの前で演じることも行われた。この日、芝居をするのが初めてという人もいたが、「全く気にならないほど自然にシーンの中に溶け込んでいくことができていた」と三谷氏。そして「脚本を読み解く力がついてくれば、自ずと演技もできるようになりますので、若い俳優の皆さんには日頃から大事にしてほしいと」三谷氏は語った。

映画俳優スタートアップ講座

映画俳優スタートアップ講座「映画俳優スタートアップ講座」の模様

最後の3限目では、普段の生活の中で、どのような訓練を継続していけば、俳優としてのスキルがあがっていくのかについて説明。三谷は訓練の種類を「インプット」「アウトプット」に分け、俳優の多くが「読む」「見る(観る)」「聞く(聴く)」によるインプットの時間が圧倒的に足りていないことを指摘。また、インプットの量や質がアウトプットである芝居の質に大きく影響することにも触れ、インプットの重要性を唱えた。

映画俳優スタートアップ講座「映画俳優スタートアップ講座」の模様

この日、予定していた3時間はあっという間に過ぎ、最後に三谷氏は「大阪も名古屋も福岡も、地方在住の人はとにかく焦って東京に出ようとする方が多い。確かに東京は映画やテレビドラマの仕事があるし、情報量も地方に比べ圧倒的に多いので焦る気持ちは理解できるが、一方で俳優にとって余計な情報も混在しているので、自分で取捨選択できる能力や経験がないと一瞬で情報の波にのまれてしまい、疲弊してしまう」と指摘。

続けて「京都は、日本の伝統芸能の発祥の地の一つであり、新しい文化・芸能が華やかに繰り広げられた町。俳優が質の高い芸能を学べる環境が揃っている。まずは地元でしっかりと勉強をしてほしい」と語った。

受講者へのアンケートでは、
「同世代の俳優と一緒に受講できて楽しかった」
「俳優に必要なスキルや脚本読解についてみっちり学べる機会に参加できてよかった」
「脚本を理解したうえで芝居ができるのがよかった」
「アドバイスが親身で分かりやすかった」

と、今回の試みに手ごたえを感じたという声が多く上がっていた。

映画俳優スタートアップ講座「映画俳優スタートアップ講座」の模様

11月から「アジアシネマアカデミー京都」が京都で開講するにあたり、俳優クラスの1期生を現在募集中。本アカデミーは三谷氏を総合プロデューサーとして、映画監督の矢崎仁司、金子由里奈、演出家の上田誠(ヨーロッパ企画)やホリプロの津嶋プロデューサーなど業界の第一線で活躍するクリエイターをゲスト講師として多数招聘。また併設される「企画・プロデュースクラス」と互いに無料で聴講できる点も東京にはない新しい形の学びの場である。「『東京を目指せ』だけではなく、もう一歩視野を拡げ、世界(アジア)で活躍できる俳優やプロデューサーを輩出したい」と三谷氏の鼻息は荒い。

Information

アジアシネマアカデミー京都
俳優クラス/企画・プロデュースクラス 第1期生募集

アジアシネマアカデミー京都


将来の日本映画界を背負って立つ若き人材を京都から輩出することを目的とした、関西初となる世界に向けた映画人養成スクールが開講。第1期は「俳優クラス」「企画・プロデュースクラス」の2クラスが2025年11月に開塾する。


アジアシネマアカデミー京都の特徴

第一線で活躍するプロの映画人が直接指導

映画業界の基礎知識習得や技術力向上を目的に、日本映画界の第一線で活躍されている映画プロデューサー・監督・脚本家・技術スタッフ・俳優・芸能事務所らをゲスト講師としてお招きし、実践的なスキルや考え方を直接学ぶことができる。

俳優・脚本家・監督・プロデューサーの垣根を超えた相互の学び

「俳優クラス」「企画・プロデュースクラス」の受講生が互いに無料で聴講が可能なため、視野の広い学びを得ることができる。また、今後のクリエイティブな活動における国内・国外の人脈を拡げることができる。

京都のお寺で実践的に学ぶ

教室は京都の中心地、新京極通りにある誓願寺。ここは落語発祥の地であり、芸道上達の場としても有名なお寺。毎回とても清らかな気持ちで授業に臨めるはず。また講師やゲストたちが関わるプロの現場にも体験参加できる機会も作っていく予定。

【プロデューサーメッセージ】

かつて都として栄えた京都は、日本の伝統芸能の発祥の地の一つであり、新しい文化・芸能が華やかに繰り広げられた舞台です。特に能楽、狂言、歌舞伎、日本舞踊、邦楽、落語など様々な分野で京都が重要な役割を果たしてきました。私はこれまで主に東京で映画に関わる企画やクリエイターの育成に長年携わってきましたが、今回を機に芸能が根付いた京都の地で本格的にものづくり、そして映画に関わる人材の育成にチャレンジしてみたいと思います。国籍や場所の垣根なく、アジア視点でものづくり思考ができる俳優・監督・脚本家・プロデューサーを京都から輩出できれば幸いです。多くの方のご参加をお待ちしています。


アジアシネマアカデミー京都総合プロデューサー
三谷一夫
【三谷一夫プロフィール】

映画24区プロデューサー。金融業界から映画業界に転身後、映画『パッチギ!』『フラガール』など多くの名作を生んだ映画会社に参加。2009年に映画会社「映画24区(キネマ旬報企画)」を立ち上げる傍ら、映画人育成のスクールを開校。現在に至るまで16年間で15,000人を超える俳優や脚本家を輩出。2018年には映画界に数少ない女性クリエイターらにスポットをあてた話題の映画『21世紀の女の子』や地域映画シリーズ「ぼくらのレシピ図鑑」を立ち上げ、これまで『36.8℃(堀田真由主演)』『夏、至るころ(池田エライザ監督)』『メンドウな人々(片岡千之助・的場浩司主演)』を手掛けた。その他直近の企画・プロデュース作品に『フィリピンパブ嬢の社会学』『ブルーイマジン』『道草キッチン』など。2018年に京都の映画会社KYO+に参加。2024年にはTORAインターナショナルを設立し、アジアを視野にいれた映画の企画開発や俳優のエージェントを開始。著書にシリーズ通算20,000冊を超える『俳優の演技訓練』『俳優の教科書』(いずれもフィルムアート社)などがある。

アジアシネマアカデミー京都公式サイト:
https://acak.jp/

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