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【PR】「本物の俳優になる」トライストーン・アクティングラボ レッスン生インタビュー

2021/08/01

「本物の俳優になる」

「本物の俳優になる」トライストーン・アクティングラボ レッスン生インタビュー

小栗旬、田中圭、綾野剛、坂口健太郎、間宮祥太朗、木村文乃など、実力派俳優が多数所属するトライストーン・エンタテイメント直営の俳優養成/演技研究所『トライストーン・アクティングラボ(TSAL)』。ここで学ぶ受講生たちは、様々な境遇を経て、本物の俳優を目指し、本気で芝居を学ぶために集った、熱い心を持った俳優・女優たち。彼らがTSALと出会ったきっかけ、そして彼らの芝居にかける想いを聞いた。

トライストーン・アクティングラボ(TSAL)とは?

上にあげた実力派俳優が多数所属するトライストーン・エンタテイメントマネージメント部が運営する俳優養成/演技研究所。現場で培ったノウハウと、本格的な講師の指導により、俳優としてのオリジナリティと魅力を光らせるレベルの高いレッスンを、初心者から経験者までに提供している。TSALからは、映画やドラマで活躍中の前原 滉、東野絢香らが続々とトライストーン・エンタテイメントの所属俳優となっている。代表はトライストーン・エンタテイメントと同じく、数々の大作を手がけてきた映画プロデューサー・山本又一朗氏。TSAL在籍中から映画、テレビドラマ、舞台、CMなどに出演するチャンスを設けている。詳細は下記URLから。

トライストーン・アクティングラボ 2021秋スタート レッスン生募集 詳細はコチラ

〜「年齢と実力を重ねていくといい」という講師の言葉を道標に〜

  • 原澤珠江
  • 原澤珠江

原澤珠江

はらさわたまえ●1999年11月27日生まれ、神奈川県出身。身長158cm。特技:声楽、ロックダンス。趣味:映画鑑賞、舞台観劇、デッサン。専門学校時代に舞台を多数経験。TSAL入所後は「SANSAN Disc」CMのエキストラに出演。今年6月に劇団BLUESTAXI第34回公演「Some Like It Hot!」に出演。

「箱入り娘だった私が遊女役に。TSALで知らなかった自分を発見させてもらいました」

──昨年5月にTSALに入所。それまでの経歴を教えてください。

「高校卒業後に舞台芸術学院で2年間学びました。卒業後の進路は特に決めていなくて、なんとなく劇団に入るのかな? くらいにしか考えていなかったのですが、学内の舞台公演を観に来てくださったTSALのスタッフさんから『役者を職業にするためには』といったお話を聞き、具体的に将来を考えるようになったのがTSALに入所したきっかけです」

──TSALに入所して1年、ご自身の成長をどのように感じていますか?

「専門学校では主に舞台演技についていい学びをさせていただいてきたのですが、自分の中で『演技が安定しない』という課題がクリアできていない感覚がありました。それがTSALでメソッドという演技の方法論を学んだことで一気に開けたんです。TSALのレッスンでは毎週取り組む台本も役もどんどん変わっていくんですが、その早い展開の中で自分の中でぐるぐる考え込むよりも、まず踏み出してトライしてみるというフットワークの軽さが身に付いたように感じています」

──今年6月には外部の舞台に出演。どのような経緯だったのですか?

「TSALの講師の方が主宰している劇団の公演で、私は主人公の母親で遊女という役で出させていただきました。私はよく講師の方から冗談で"箱入り娘"と言われるのですが、それこそ映画『新宿スワン』みたいな作品には今まで触れたことがなかったんです。TSALで紹介してくれた映画を観るようになって、こんな世界観があるんだとびっくりしました。レッスンでも色気のある役を当てられることもあって、自分でも知らなかった自分を発見した頃にお声がけいただいた舞台だったので感慨深かったです。観に来てくれた専門学校時代の友人も『見違えた』と言ってくれて、この1年、TSALで学んできて本当によかったと実感しました」

──将来の目標を教えてください。

「映画と舞台で活動できる役者を目指しています。舞台はもともと専門学校時代からのめり込んでいたのですが、映画はTSALに入所してから特に是枝裕和監督の作品が心に沁みて、こういう世界の作品に携わってみたいと思うようになりました。講師の方に『愛の深い母親役が似合そうだから、年齢と実力を重ねていくといい』といった道標をいただいたので、その言葉を信じて地道に演技に取り組んでいきたいです」

〜演技を学ぶ短大から、職業としての役者を目指すTSALへ〜

  • 投元日佳里
  • 投元日佳里

投元日佳里

なげもとひかり●1998年9月8日生まれ、神奈川県出身。身長168cm。特技:アルトサックス、着付け、英会話。趣味:映画鑑賞、散歩。TSAL入所後は、サルメカンパニー第5回公演「瞬間プレイボーイ」ヒロイン役などに出演。

「あなたは何屋さん? という講師の投げかけで役者としての自分に向き合いました」

──TSALに入所して今年で3年目。それまでの経歴を教えてください。

「演技を学べる短大に進学したのですが、職業として役者を目指すならプロダクションが主宰する養成機関が近道なのではないかといろいろ調べていたところ、WebデビューのTSAL受講者インタビューにたどり着きました。トライストーンは演技派の役者さんが多く、自分の目指す将来像にも近いと考えて、短大をやめてTSALに入所しました」

──TSALでのレッスンで印象的だった出来事は?

「ある講師の方の『自分は何屋さんなのか考えてみよう』という投げかけにハッとしたことがありました。自分の強みを知って味方にしよう、と。それまで私はただ演技が楽しいというだけで、自分と向き合うことをあまりしてこなかったので、そこで初めて『自分ってなんだろう』と考えるようになりました。行き着いたのは、自分はどこにでもいるタイプだということ。それは決して武器にならないわけではない。だけど強烈な個性がない分、他の人よりも作品のテーマや役のことを深く理解しておかないと芝居も浅くなってしまうと思い、それからは準備や考察をもっと大切にするようになりました」

──"どこにでもいるタイプ"としての強みを感じたことはありますか?

「今年3月にTSALで映像に取組むプロジェクトがあり、1週間ほどのワークショップを通して配役が行われました。私がいただいた役は等身大の女の子。一番やりたかったところには配役されずでしたが……。ようは適材適所ということで、プロになっても必ずしもやりたい役ができるわけでないんですよね。そういう悔しさも噛み締めつつ、でもいただいた役も第2希望ではあって、それも"何屋さん"に通じる出来事でした」

──将来の目標を教えてください。

「トライストーンへの所属を目指してTSALに入ったのですが、講師の方にほかのプロダクションに推薦していただくなど、さまざまなチャンスもいただいています。いろんな可能性を探りながら、職業として役者になるという当初の目標をまずは実現させたいです。そして"どこにでもいるタイプ"という自分の特性を味方にして、『投元日佳里が演じる役は共感できる』と感じてもらえる役者になりたいです」

〜先輩女優の「自分で動かないと」の言葉に導かれTSALの門を叩く〜

  • 三浦翔子
  • 三浦翔子

三浦翔子

みうらしょうこ●2000年1月6日生まれ、東京都出身。身長159cm。特技:ダンス、絵を描くこと。趣味:音楽鑑賞(K−POP)。慶應義塾大学の演劇サークルでの舞台経験多数。TSALに入所後はオリコカード、三井不動産などのWebCM、カンコー学生服「カンコー委員会第4期生オーディション」募集用Web動画に出演。

「現在大学4年生。就職活動はせず、俳優という職業を目指しています」

──昨年5月にTSALに入所。それまでの経歴を教えてください。

「中高と演劇部、大学でも演劇サークルで活動中です。とても熱量の高いサークルなのですが、卒業後はほとんどの人が就職していきます。私も大学3年を控えて就活も現実的になり、モヤモヤしていたときに同じサークル出身の遠田恵理香さんの存在を知り、お話を聞きに行きました。遠田さんは家族を説得するために大学を卒業後に一般企業で働きながらTSALで学び、融合事務所への所属をつかんだそうです。『自分で動かないと始まらない』という遠田さんの言葉に感銘を受けて、私も俳優を職業にするために動こうとTSALの入所を決めました」

──入所して1年、どんなときにご自身の成長を感じますか?

「オーディションには頻繁に出していただくのですが、レッスンで指摘されたことが壁になることが多いんです。特に声のトーンが平坦だと言われていて、オーディションで『芝居を変えてみて』と言われても声だけはいつも同じ調子になってしまうのが課題でした。そこであるオーディションで、『変な声になってもいいから思い切りやってみよう』とトライしたところ通過/起用していただけたんです。それが決め手だったかどうかはわからないけれど、改善点を常に意識しておくことの大切さを実感した経験でした」

──現在は大学4年生。就活はどうされていますか?

「家族の理解も得られたので、トライストーンへの所属を目指して就活はしていません。現在はサークル活動もほぼないのですが、レッスンで演技ができる充実を感じています。それとサークルでは"明るい女の子"や"誰かの彼女"みたいな役を当てられることが多かったのですが、TSALの講師の方には『内面にある暗い一面がにじみ出る役を演じると面白い』と分析していただいて。目に見えるところだけでなく、より深いものを引き出してくれるレッスンがとても楽しいです」

──将来の目標を教えてください。

「富田靖子さんの芝居にとても惹かれて、ああいった強さと優しさを表現できる役者になりたいです。役者で食べていくのはもちろん目標ですが、売れる売れないよりも誰かの中でずっと大切なものになるいい作品に出られたら役者として本望だなと思います」

〜声優志望から映像演技の道へ。TSALで“自分の活かし方”を知る〜

  • 則竹美南
  • 則竹美南

則竹美南

のりたけみなみ●1999年7月3日生まれ、愛知県出身。身長152cm。特技:縄跳び。趣味:カラオケ、食べること。TSALに入所後は某ハンバーガーチェーンWebCMなどに出演。

「苦手と得意を見極めた上で力を引き出してくれる講師陣。まるでカウンセラーみたいです」

──昨年5月にTSALに入所。それまでの経歴を教えてください。

「声優を目指して高校卒業後に専門学校に進学したのですが、2年間の学びの中で舞台に立つこともあり、声だけでなく体を使った演技のほうが自分は好きだということに気づきました。専門学校では映像の演技は学んでこなかったため、改めて勉強し直そうと考えたのがTSALに入所したきっかけです」

──入所して1年、ご自身の成長をどのように感じていますか?

「もともと声が低いため、専門学校時代には強い女性や少年役などを当てられることが多かったんです。また自分の中でも"女の子らしい演技"を避けてきたところがありました。ただ見た目は身長が低くて、どちらかというと童顔。そこのギャップにずっと悩んでいたのですが、レッスンで"可愛い女の子"としての役を当てられたんです。講師の方も私の苦手意識には気付いていたのですが、『自分の活かし方は1つでも多く持っていたほうがいい』と背中を押してくださって。TSALの講師の方は1人1人の得意も苦手もちゃんと見極めた上で、力を引き出してくれる。まるでカウンセラーみたいだなと思うこともあります」

──今年春には某ハンバーガーチェーンのWebムービーに出演。経緯を教えてください。

「TSALから紹介されたオーディションでした。演技の指定はなく、むしろ素のままでやってほしいと言われたのですが、セリフの量がとにかく多かったですね。映像の仕事は初めてだったのですが、実はその前にTSALで映像を作るプロジェクトに参加させてもらっていて、映像現場での居方を経験した上で臨めたのはよかったなと思いました」

──将来の目標を教えてください。

「目標は存在は波瑠さん。サバサバした役から女性らしい役まで演じ分けられるのはもちろん、喜怒哀楽さまざまな感情を見る人に与えてくれる素晴らしい役者さんだなと思います。私もそんな役者を目指していますが、そのためにも人間としてもっと成長したい。内面からにじみ出る人間性で見る人の心を震わせられる役者になりたいです」

〜レッスンで演技の難しさに打ちのめされ奮い立つ〜

  • 古川友吉
  • 古川友吉

古川友吉

ふるかわともよし●1996年12月9日生まれ、埼玉県出身。身長180cm。特技:野球。趣味:ツーリング、アウトドア、ドライブ。免許:準中型自動車運転免許、大型自動二輪免許。SUZUKI自動車「ハスラー」CMに出演。

「いい役者になれるよう、人間としてのあり方まで指導してくれる環境があります」

──昨年5月にTSALに入所。それまでの経歴を教えてください。

「実家の自営の仕事に携わりながら、知り合いに声をかけられてモデルをしていました。演技は未経験でしたが、周りから『できるんじゃない?』とおだてられて(笑)。自分でも『いけるだろう』という甘い考えがあったんですが、いざTSALのレッスンを受けたら台本も読めない、体も動かない。演技ってこんなに難しいんだと打ちのめされて、だったらやってやろうと奮い立ちました」

──入所から1年経ちましたが、ご自身の成長を感じることは?

「あるCMのメイン役のオーディションに落ちた後、同じCMのエキストラとして声をかけられたんです。最初は『エキストラなんて』と思ったのですが、逆にどんなヤツが受かってるのか気になって気持ちを切り替えました。現場はピリッとした緊張感が張り詰めていて、エキストラと言っても演技は求められるので、もし何もレッスンをしてない状態であの場に放り込まれたら何もできなかっただろうなと思いました」

──この1年、オーディションはたくさん挑戦してきたのですか?

「TSALを通じて複数の映画やCMなどに書類を出していただいてきました。だけどなかなか結果が出せず、もどかしさを感じています。だけどこれが今の自分の実力なんだと認めざるを得ないなと。同じクラスの最年少は高1の子。正直、僕よりぜんぜん演技がうまくて若さの吸収力が羨ましいところもあります(笑)。だけど自分も24歳、まだまだステップアップはできると信じています」

──TSALでよかったと思うことは?

「人間としてのあり方を指導してくれることですね。役者である以前に人間がしっかりしてないといい仕事はできないと。社会人になると他人が注意や指摘をしてくれることは滅多にないですし、この年齢になっても人間として正してくれる環境があることをすごくありがたく感じています」

──将来の目標を教えてください。

「やるからには中央に行きたいですね。バイプレイヤーの魅力や面白さもわかるのですが、もともとが目立ちたがりなんだと思います。芝居で認められて、名前を聞いただけで代表作が浮かぶような役者になりたいです」

〜野球で挫折するもドラマの台詞に感銘を受け役者の道へ〜

  • 佐藤流星
  • 佐藤流星

佐藤流星

さとうりゅうせい●2002年6月10日生まれ、千葉県出身。身長173cm。特技:野球、水泳。趣味:ドラマ、アニメ、映画、音楽観賞。

「苦戦していたレッスンが、いざオーディションや現場に立ったときに生きました」

──TSALに入所したのは高3の10月。それまでの経歴を教えてください。

「高校は野球推薦で入ったのですが、イップスで投げられなくなって寮も出ることに。実家に戻り、精神的にも苦しかったときに救いになったのがドラマや映画でした。中でも小栗旬さん主演のドラマ『信長コンツェルト』の"塵も積もれば道になる"という言葉に大きな感銘を受けて、また一から新しい道を歩き始めようと俳優を目指すことを決めました」

──演技未経験で入所して、特にどんなレッスンが印象的でしたか?

「相手と1対1で思ったことをズバズバ言う、"無責任エクササイズ"というレッスンがとても刺激的でした。僕たちは普段、モラルやマナーに縛られて思ったことの半分も言えてない。だけどそうした心のストッパーが芝居を邪魔することもある……というのがこのレッスンの目的でした。だけど自分を解放するというのは想像以上に難しくて。まだ完全には乗り越えられてないと感じています」

──今年春にはTV局のドラマ制作班が製作した配信用映画に出演。どのような経緯だったのですか?

「ちょうど"無責任エクササイズ"に苦戦していた頃にTSALから紹介されました。初めてのオーディションで緊張はしましたが、レッスンより自分を出すことができて。講師の方が『レッスンでどれだけ自分を追い込めるかが、現場やオーディションで生きてくる』とおっしゃっていたことを身にしみて実感しました」

──現場はどうでしたか?

「ロケ地に向かう新幹線では窓の景色も見れないくらい緊張していたのですが、いざ現場に入ってご挨拶した瞬間に腹を括りました。できないことは多かったけれど、みなさんに助けていただいて楽しい現場でした。ちなみに撮影は卒業式の1週間前だったんですが、同級生が大学などに進路を決めていく中で僕は俳優という不安定な職業を選んで、しかもまだプロにはなれていません。だけど友だちや先生が『一歩先に社会に出るんだね』と撮影に送り出してくれたことがうれしくて、みんなの応援に応えられるように頑張ろうと改めて思いました」

──今後の目標を教えてください。

「今年10月で入所から丸1年。まだできないことが多いですが、TSALは講師も受講生も活発に発言するので、第三者の意見も参考にもっと成長したいです。そして小栗旬さんのいるトライストーンへの所属を目標にしています」

受講生スペシャルインタビュー

取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎

〜田中圭の生の舞台に心震え役者への道を踏み出す〜

  • 五十嵐諒
  • 五十嵐諒

五十嵐諒

いがらしりょう●1992年6月15日生まれ、宮城県出身。2016年10月入所。映画『帝一の國』、『サムライマラソン』、『リターン』、ドラマ『わたし、定時で帰ります。』、『ストロベリーナイト・サーガ』などに出演。25人のテストジャンパーの1人を演じた映画『ヒノマルソウル』の公開が控える。特技はサッカー(県選抜メンバー)、スノーボード(8年)

TSALは芝居の精度を上げるために"失敗する場所"

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「大学まで地元・仙台で過ごしました。役者を目指すきっかけの1つは、東日本大震災で多くの芸能人の方が地元を勇気付けてくれたこと。自分もこんな影響力のある存在になりたいと思うようになりました。もう1つは人生で初めて観た生の舞台『バブー・オブ・ザ・ベイビー - UNDEAD OR UNALIVE -』。田中圭さんの力強い芝居に心が震えたのを覚えています。TSALで学ぶために上京したのも、この舞台が決め手になりました」

──入所半年で舞台『僕だってヒーローになりたかった』で田中圭さんと共演しています。

「僕のほかにもTSALから選抜されてレッスン生が数人出演しているんです。田中さんは右も左も不案内な僕にもとても親身に接してくれて、以来プライベートでもよくしていただいています。今年は映画『ヒノマルソウル』でもご一緒することができました。こちらはTSALから紹介されたオーディションだったのですが、田中さんの主演映画ということもあり、絶対に受かりたいと気合いが入りましたね。長野県に丸1ヵ月泊まり込みのロケで、田中さんの現場での居住まいや振る舞いを間近で見ることができた濃密で貴重な体験でした」

──芝居未経験からTSALで学んで4年、どんなときに成長を感じますか?

「僕の中でTSALは"失敗する場所"という位置付けです。というのは、芝居のアプローチをいくらでも試すことができるから。僕レベルの役者の場合、現場ではそんな悠長なことはしていられません。できれば一発OKが出せたほうがいい。そういう意味では力量はまだまだですが、芝居の精度は年々上がっているんじゃないかなと現場で感じることが増えています」

──今後の目標を教えてください。

「直近の目標はトライストーンに所属すること。それを目指して上京してきましたから。もちろん役者としての野望はもっと先にありますが、それを実現するためには事務所に入る必要があると思っています。所属には運や出会い、タイミングもあるのでしょうが、少なくとも心から尊敬できる先輩と、心から入りたい事務所と出会えたことはラッキーで、この目標に向かって日々精進しています」

〜父の死を経て、自分を見つめ直すために芝居の道へ〜

  • 磯部佑香
  • 磯部佑香

磯部佑香

いそべゆうか●1998年10月29日生まれ、福岡県出身。日本マクドナルド「アップルパイ・ストロベリーパイ」https://www.youtube.com/watch?v=87NCO9BmCgY、同「プッチンプリンシェイク」https://www.youtube.com/watch?v=pDVKGdsdI2ACMに店員役で出演。ナレーションも担当。特技は歌、ピアノ、料理。趣味は散歩、読書。

「心の奥底から人物を演じられるのが本物の役者だと学びました」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「小4〜6年まで地元の劇団ひまわりで活動。高校時代はスカウトされてモデルをしていましたが、将来は普通に就職しようと考えて大学進学とともに上京しました。ところが大学1年生のときに父が亡くなり、心にポッカリと穴が空いてしまったんです。『いい会社に就職すること=親孝行』だと思い込んでいたので……。それから自分を見つめ直そうと、改めてお芝居を勉強しようと考えました」

──TSALを選んだ理由は?

「“養成所”と検索をかけたらたくさん出てきたのですが、どこも同じに見えました。ただTSALにはほかのどこにもない“本物の役者”という言葉があり、興味を持ちました」

──入所して1年、“本物”を実感したことは?

「TSALの芝居は台本を覚えることより、まずこの物語は何を伝えたいのか、この役にはどんな過去があってこのセリフが出てくるのかといった本質を見つめることから始まります。上辺だけではない、心の奥底から人物を演じられるのが本物の役者ということだと私は解釈しました」

──レッスンの成果を実感したエピソードを教えてください。

「マクドナルドのCMオーディションには私が好きだったドラマに出ていた女優さんなども来ていて、到底受かるとは思えませんでした。ただTSALの指導を活かそうと、制作者のみなさんが何を目的にこのCMを作っているのか、店員さんはどういう思いでこの仕事をしているのかを考えて臨んだのが良かったんだと思います」

──全国放送されたCMの反響はいかがでしたか?

「うれしかったのが、母が喜んでくれたことです。父が亡くなって塞ぎ込んでいた私が、イキイキとしていることに安心したそうです。安定した会社に入るより、『好きなことを見つけて打ち込んでいることが何よりもの親孝行だ』とも言ってくれました」

──将来の目標を教えてください。

「私と同じように、大切な人を失ったという傷を負った方に寄り添えるような作品に出たいです。目標の存在は安藤サクラさん。作品に対しても役に対しても愛情を持って臨み、画面に出ただけで安らぎを与えられる女優になりたいですね」

〜鹿児島のご当地アイドルが上京し芝居に目覚める〜

  • 桜川みゅう
  • 桜川みゅう

桜川みゅう

さくらがわみゅう●1998年3月11日生まれ、鹿児島県出身。2018年5月入所。SPECサーガ完結篇『SICK'S 厩乃抄』鈴隊役、WOWOW『オペレーションZ』アイドル役、映画『きょうのキラ君』クラスメイト役などの映像作品ほか、舞台『フライングパイレーツ〜ネバーランド漂流記〜』トゥールーズ役、ソフトバンク、ららぽーと、ホットペッパービューティーなどのCMに出演。趣味は野球、サッカー観戦、読書。

「1人1人を“商品化”して、選ばれる役者として方向づけてくれます」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「小学生時代には地元の養成所で演技レッスンをしていました。その後、スカウトをきっかけにアイドルグループに加入し、高2で上京しました。ただ活動をする中でやはり自分がやりたいのはお芝居だと気付き、思い切って卒業。webデビューで知ったTSALのオープンクラスに参加して入所を決めました」

──芝居を学ぶ場としてTSALを選んだ決め手は?

「ここではどんなに容姿が良くても評価にならない。『本物の役者を育てる場所です』というスタッフさんの言葉が決め手になりました。私は一生女優でいたいと考えているので、本物の芝居の力をここで鍛えたいと思ったんです」

──入所から2年、TSALで学んで良かったと思うことは?

「講師のみなさんがレッスン生1人1人を“商品化“して見てくれること。選ばれる役者として方向づけてくれることですね。私の場合、入所した初期はアイドル活動をしていたこともあって声のトーンが高くなってしまっていたんです。だけど『役によっては落ち着いた声も出せたほうがいいのでは』などアドバイスをくださるので、自分が何を頑張ればいいかが明確になります」

──昨年はTSALの舞台公演で主演を務めましたが、いかがでしたか?

「舞台ではクラスの違う人たちとも共演をします。先輩や後輩も上下なく、作品を良くするために、誰もが積極的に意見を出し合うのがとても刺激になりました。私はメンバーの中では歴が長いほうではなかったので、最初は少し遠慮していたのですが、全員で作り上げる舞台とは言ってもやはり"主演としての責任"というものは重要なんだということも学びました」

──今後の目標を教えてください。

「少し前まではカメレオン俳優になりたいと思っていたのですが、多くの同世代が競い合うオーディションに参加して、やはり何かしら強い個性を持つことも重要だと考えるようになりました。自分の個性についてはまだ模索中なので、少しでも早く確立したいです。将来的には『桜川みゅうが出ているからこの作品を観たい』と思ってもらえるような、記憶に残る芝居ができる女優になりたいです」

〜日本には少ない“イカついアニキ系”を目指して〜

  • 関本柊
  • 関本柊

関本柊

せきもとしゅう●1994年12月16日生まれ、神奈川県出身。2016年10月入所。ドラマ『今日から俺は!!』不良役、ドラマ『時空探偵おゆう 大江戸科学捜査』石松役、NHK大河ドラマ『いだてん』かっぱ軍団、Netflix『全裸監督』チンピラ役に出演。身長177センチ、体重100キロ。趣味は映画観賞、自転車での旅。

「役の人物像を徹底的に掘り下げる“準備”の大切さを学びました」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「芝居やレッスンの経験はまったくなく、普通の大学生でした。役者志望で芸能事務所を受けまくったのですが、全滅。きっかけを掴みたくて養成所を検索したところ、TSALがヒットしたんです。小栗旬さんや綾野剛さんが所属する事務所の演技研究所ということで、まさか自分みたいなのが合格するとは。それもけっこうビックリしたんですけど(笑)」

──そもそも役者を志したきっかけは?

「日本の俳優には元プロレスラーでハリウッド俳優のドウェイン・ジョンソンや、韓国俳優のマ・ドンソクみたいなイカついアニキ系が少ないのが、一映画ファンとして不満だったんです。だったら『自分がなってやろう!』と考えたのがきっかけでした」

──未経験からレッスンを受けて、いかがでしたか?

「正直、初日から『この中で頭抜けるのは相当厳しいぞ』と痛感しました。レッスン生の意識やレベルが高かったんです。そこで逆転の発想でまずはインパクト、キャラ作りから始めました。具体的には筋トレでパンプアップ。入所時の体重は70キロだったんですが、現在は100キロに。制作サイドの方々にもこの見た目で認知され、オーディションや現場に呼んでもらえることが増えました」

──現場でレッスンの成果を実感することは?

「TSALの指導の中でも、特に自分が大切にしているのは“準備”。本番までに役の人物像を徹底的に掘り下げるということです。ドラマ『時空探偵おゆう』の現場では台本にないセリフを振られることが何度があったのですが、"準備"をしておけば現場でどんな想定外なことがあっても、焦ることなく役として生きられるということを実感しました」

──今後の目標を教えてください。

「キャラの方向は見えてきたと思うので、今は芝居を磨くことに集中してます。芝居が足りていないせいで、せっかくいただいた役のランクを落とされたことも何度かあり──。やはり役者として一番重要なのは芝居なんだと、入所4年目にして改めて感じています。その上で『関本柊という役者の使い道』を確立させたいですね。もちろん将来的には幅広い役を演じられるようになりたいですが、まずは数多くいる同世代役者の中で『この役を演じられるのは関本』といったピンポイントの立ち位置を掴み取りたいです」

〜地元の専門学校で出会ったTSALスタッフを信じて〜

  • 成田光沙
  • 成田光沙

成田光沙

なりたありさ●1999年8月31日生まれ、大阪府出身。関西電力「エネルギーの旅人〜夜景篇〜」、イオンカード「セレクトミニオンズ」、ひらかたパーク「オレにかまわず篇」CM、劇団赤鬼『シリウスに向かって』主演などに出演。特技は空手で、日本空手道正派糸東流初段。そのほかダンス(4年)、韓国語(日常会話レベル)。趣味は韓国ドラマ鑑賞。

「オンラインオーディションなど、さまざまなチャンスをサポートしてくれます」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「高校時代に地元・関西のプロダクションに所属。卒業後は演技エンタメ系の専門学校で学びました。その学内オーディションでTSALのスタッフさんから声をかけていたきました。実は別のプロダクションからもオファーがあったんですが、元所属していたプロダクションの方や先生が『芝居をやりたいならTSALがいいと思うよ』とおっしゃったので興味を持ったんです。

──最終的な決め手は?

「思い切ってTSALに電話したんです。『まだ決めてないんですが』と正直に言って。聴きたいことを質問しまくってしまったのですが(笑)、1つ1つ丁寧に答えてくださって、それでいて入所を強要するような雰囲気はありませんでした。もう1つのプロダクションも人気のタレントさんが所属している名の通ったところだったのですが、やはり私は芝居がしたかったのでTSALに進むことに決めました」

──今年の春に上京。ところがその矢先のコロナ禍でレッスンが止まっていたとか。

「はい。やはり少し不安に感じていたところ、『参加してみない?』とオンラインオーディションを紹介してくださいました。スマホで自撮りした動画をTSAL経由で提出するというもので、結果は最終まで残って見送りになってしまいましたが、審査の状況なども連絡してくださるし、今後の傾向や対策なども一緒に考えてくれるので、とても安心できました」

──6月からはレッスンも再開しましたが、いかがですか?

「専門学校でもお芝居を学んできましたが、すべてが新鮮ですね。今、指導してくださってる講師の方は『自ら考える』ということをとても大切にされています。私は未熟なので時間もかかってしまうのですが、急かすことなくじっくりと考える時間を取ってくださいます。その上で芝居をしてみると役への理解度もより深まって、これまで以上に演じることが楽しくなりました」

──将来の目標を教えてください。

「12年間習っていた空手を生かして、アクションもできる女優になりたいです。それと趣味で習っていた韓国語ももっと強化して、役者としての武器になればいいなと思っています。やはり映像が好きなので、ドラマ、映画に出たいですね。観てくださった方の印象に残る芝居ができるよう、TSALで吸収できることはすべて吸収したいです」

〜歌とダンスで活動するも、芝居への渇望でTSALへ〜

  • 古澤芽衣
  • 古澤芽衣

古澤芽衣

ふるさわめい●2000年5月2日生まれ、東京都出身。2019年5月入所。現在、某東京湾岸テーマパークの公式動画や、NTT西日本「with you 2020 篇」https://www.ntt-west.co.jp/ad/company/with_you2020.htmlなどに出演中。特技はバトントワリング。趣味は読書、映画のフライヤー収集。

「自分の内面を解放して、自然体で生きやすくなりました」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「中3のときに音楽系の大手芸能プロダクションにスカウトされ、歌とダンスでステージ活動をしていました。自分としては芝居がしたくて当時の事務所にも相談したのですが、受け入れてもらえず、個人的にワークショップを探して通ったりもしていました。webデビューでTSALのオープンクラスを受けたのもその頃のことです。ただ入所したのは、オープンクラスを受けてから2年後のことでした」

──インターバルが空いてしまった理由は?

「実はオープンクラスを受ける少し前から、心と体のバランスを崩して高校もお休みしてしまっていたんです。その関係で前の事務所も退所しました。家にいる間はずっと映画を観ていて、ますます芝居をしたいという思いが募っていきました。だけど、この体調のままではレッスンにも身が入らない。TSALで学ぶためにも、早くコンディションを整えようと目標もできました」

──ワークショップをさまざま受けた中でも、TSALで学びたいと思った決め手は?

「まず母体であるトライストーンに映画で活躍されている役者さんが多い事務所であること。それとオープンクラスのときにスタッフさんと一対一でお話しする機会があったのですが、"個"として1人1人にきちんと向き合ってくれるのを感じたからです」

──入所して1年、自分の成長をどんなときに実感しますか?

「TSALに通い始めてから、自分らしく自然体になりました。特に影響が大きかったと思うのが、自分の内面を吐き出す"解放"というレッスンです。最初はなかなか自分をさらけ出せなかったのですが、回数を重ねるうちに頑なだった心が解き放たれていくのを実感しました。また講師の方やクラスのみんなが『それがメイなんだね』と認めてくれたことで、自分に自信が持てるようになりました。オーディションも自分を取り繕うことなく臨めるようになりました」

──将来の目標を教えてください。

「自分自身がメンタルの不調を乗り越えた経験もあり、同じように悩んでいる人の救いになる芝居ができる女優になりたいです。やはり映画が好きなので、主に映像で活動したいですね。入所して1年でさまざまなオーディションや現場の経験を積ませていただいたので、2年目の今年は将来につながる基盤となる役をつかみたいです」

トライストーン・アクティングラボ  レッスン生インタビュー(2020年夏)

取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎

〜アイドル活動を経て、役者の夢に挑戦〜

  • 三井彩月
  • 三井彩月

三井彩月

みいさつき●2001年5月14日生まれ、神奈川県出身。2018年5月入所。かつてアイドルグループのメンバーとしてライブに多数出演。また舞台「こどものおもちゃ」(博品館劇場)や、カンコー「学生服」web広告などにも出演。TSAL入所前にはニュージーランドに留学し、見聞を広げる。英語検定準2級。趣味は写真撮影、映画鑑賞、絵画。

「役者として乗り越える課題に向き合って、毎日が充実しています」

──TSALに入所したきっかけを教えてください。

「昨年夏にDeviewさんのサイトでオープンクラスの参加募集を見つけました。『本物の俳優になりたい人を募集』と書いてあって、自分が探していたのはここだ、と思ったんです。中1から高1まである事務所でアイドル活動をしていて、そちらもとても楽しかったんですが、小さい頃からの女優という夢を諦めきれず、芝居の実力を養いたいと思ったのが入所のきっかけです」

──オープンクラスはいかがでしたか?

「前にも演技レッスンは受けたことがあるんですが、初めて味わう感覚がたくさんあってとても刺激的でした。中でも講師の方の『芝居には最終的に人間性が出る』という言葉がとても印象深く、あっという間の4時間でしたね」

──入所して3ヵ月経ちましたが、どんな成長を実感できていますか?

「正直、成長を感じるというよりは、レッスンのたびに新たな課題がどんどん見つかってます。私はクラスのなかで最年少で、しかもクラスには個性的な人が多いので『私の個性ってなんだろう?』と考えてしまうというか、まだまだ自分の殻を破りきれていないのがもどかしいです。すでにオーディションにもいくつか出していただいてるのですが、まだ結果は出せていません。でも、少なくともこれまで向き合わなかった課題、役者として乗り越える課題を見つけられただけでもステップアップできたのかなと思っています」

──現在は高校3年生ですが、学業との両立はできていますか?

「はい。入所前、母に『大学受験が終わってからでいいんじゃない?」と言われたので、絶対に両立すると約束したんです。TSALのレッスンは週1回、塾が週4日なので問題ないのですが、それ以外の日の過ごし方も変わりましたね。レッスン用の台本を覚えたり、そこに気づいたことをメモしたり、これまでボーッとスマホを眺めてた時間はなんだったんだろう? というくらい毎日が充実しています」

──目指す将来像を教えてください。

「実力を養うことがまずは大前提なのですが、将来は日本だけでなく海外でも通用する女優になりたいです。そのためには語学をはじめ、幅広い教養も必要だと思うので、演技と並行してさまざまな学びをしていきたいと思っています」

〜高校卒業後、初めて本格的な芝居の道を志向〜

  • 斎藤希実子
  • 斎藤希実子

斎藤希実子

さいとうきみこ●1999年2月9日生まれ、東京都出身。2018年10月入所。大河ドラマ「いだてん」に水泳選手・横田みさを役で出演(7月27日に初登場)。特技はピアノ(14年)、競泳(15年)、書道など。

「『いだてん』のオーディションでTSALでの学びが活きました」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「中学のときに演劇部に入っていましたが、そのほかはまったく未経験です。小〜高まで芸能活動禁止の学校に通っていたため、芸能人になりたいという発想はまったくありませんでした。ただドラマや映画、舞台を観るのは好きで、いつしか『物語の向こうに行きたい』という気持ちが少しずつ強くなっていき、大学受験が終わってから、こちらに応募しました。トライストーンの所属者はいわゆるタレントさんというよりも、全力で芝居に向き合っている方が多い印象があったので、自分の志向に合っていると思いました」

──7月下旬から大河ドラマ「いだてん」に水泳選手・横田みさを役として出演しています。こちらはオーディションだったのですか?

「はい。入所したのが昨年10月で、『いだてん』のオーディションにTSALのスタッフさんがエントリーをしてくれて、実技に呼んでいただいたのが12月。自分でもまだまだ学びが必要だと思ってた時期だったので、びっくりしました。会場にはテレビで観たことのある女優さんもたくさんいて、大変なところに来てしまったなと思いました」

──レッスン歴は浅かったとは言え、オーディションで活きたことはありましたか?

「私は初心者でしたが『セリフを覚えるのは基本中の基本』と、TSALで叩き込まれていたので、最低限のこととして台本は完璧に覚えてオーディションに臨みました。一緒に受けた方の中に、セリフを覚えていない方がいたことが不思議だったくらいです。また審査ではセリフ以外の動きはフリーだったのですが、講師の方から教わった『人間というのは無意識であっても、常に自分の目的に向かって動き続けるものだ』という言葉が深く刻まれていたので、演技の技術は自信がなかったですが、自分なりに自由に動けたという実感がありました」

──演技を学ぶのは初めてとのことですが、TSALはどんな雰囲気ですか?

「私はいわゆる"学校の勉強"が好きなほうなんですが、それだけでは通用しない世界があるというのがとても新鮮です。よく芝居に正解はないと言われますが、自分なりの正解を見つけようと試行錯誤するクラスメイトたちの熱量の高さに、明らかに私も引っ張られています。これまでの自分になかったものを見つけられる環境だと思います」

──目指す将来像を教えてください。

「私自身が作品を観るのが好きなので、観る人と物語の世界をつなぐ媒介のような女優になりたいです」

〜大手で実績を積んだモデルが、演技で自分の殻を破る〜

  • 中村樹里
  • 中村樹里

中村樹里

なかむらじゅり●1994年12月26日生まれ、三重県出身。2018年10月入所。それ以前は大手モデル事務所に所属し、ソフィーナ「プリマヴィスタ」CM、Panasonic「ナノイー」CMや、ショーモデルなどの経歴を積む。2018年「ミス・ユニバース・ジャパン」日本大会トップ10入賞。特技は弓道(初段)、卓球、絵画、歌うこと。

「じっくりと個人に向き合ってくれて、まるでカウンセラーのようです」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「中1の頃から地元の事務所で演技レッスンを受けてきました。その後、東京の大手モデル事務所に所属してさまざまな経験を積ませていただいたのですが、やはり演技をメインにしたいと考え、契約満了で辞めました。ただ多少はレッスン歴があるとは言え、活躍されている役者さんと比べて、自分には技術が圧倒的に足りていないことも痛感していたため、Deviewさんのサイトでずっと気になっていたTSALのオープンクラスに参加させていただきました」

──TSALで学びたいと思った決め手は?

「オープンクラスで講師の今村薫さんと出会ったことは大きかったです。今村さんは80年代に単身渡米され、自ら道を切り拓き、後に、アメリカの俳優協会に加盟して多くの作品で活躍されている方です。私も将来は海外で活動していきたいという目標があるため、そのお話はとてもリアルな刺激に満ちていて、この方に師事したいと強く思いました」

──これまでの経験を踏まえて、こちらでのレッスンはいかがですか?

「私はモデル活動を主にやってきたからか、どこか自分を取り繕うところがあり、今もまだ自分の殻を破っている過程です。ただ、ときには自分でも『こんな自分がいたんだ!』と驚くような感覚になることもあります。何かが憑依したみたいに、『あれは本当に自分がやったんだろうか?』と思うような芝居がレッスン中に出てきたり。ただそれは自分の力というよりは、講師の方や環境に引き出していただいてる面が大きいです。複数人のクラスですが、迷っているときにはじっくりと個人に向き合ってくれて、まるでカウンセラーのようだなと思うときもあります」

──オーディションには参加していますか?

「はい、たくさん出していただいてます。ただ、まだ結果は出せていません。それでもレッスンの場があることで、毎回どこが足りなかったかを持ち帰り、反復できています。『あとは自信を持つだけだ』と言ってくださるスタッフの方もいるので、ここで学んだことを120%出せるだけのメンタルを養うのが今の課題です」

──目指す将来像を教えてください。

「目標は菊地凛子さんのように、海外の作品で求められる女優になること。そのためにも確実な芝居の力を身につけるのは必須だと思っています。おばあちゃんの役ができる年齢まで、大好きな芝居を続けたいです」

〜地方の専門学校から、『役者を育てる本気度』を感じて飛び込む〜

  • 早川咲月
  • 早川咲月

早川咲月

はやかわさつき●1997年4月26日生まれ、愛知県出身。2018年5月に入所。ミュージカル「アリスワンダーランド」アリス役、「ハムレット」ハムレット役などに出演。講師からは歌唱やダンスなどの評価も高い。特技は歌、バスケ。趣味はギター弾き語り。

「朝ドラのオーディションは大きな経験と自信になりました」

──TSALに入所したきっかけを教えてください。

「地元の専門学校で演技を学び、卒業のタイミングでこちらの説明会を聞きました。ほかの事務所の説明もあったのですが、どこよりも厳しかったと言いますか、現実的で『必ず未来を保証できるわけではありません』という言葉に職業俳優を育てる本気度を感じたのが、ここで勝負をしたいと思った理由です」

──専門学校とTSALのレッスンの違いはどんなところにありますか?

「一番の違いはプロとして現場に出ることを前提としたレッスンをしていることです。実際、入所してすぐに映画や舞台へ出て行くレッスン生もいます。また講師の方も画一的な教えというよりは、1人1人の個性を見極めて伸ばすプロデューサー的な方ばかりです。私自身、ここに来て『こんな自分がいたんだ』と気づかされることも多いです」

──早川さんは来年の朝ドラ「エール」のヒロインオーディションを受けたそうですが、いかがでしたか?

「一緒に受けた中には知っている女優さんもたくさんいて、とにかく緊張したのを覚えています。結局、2次審査で落ちてしまい──。その後にTSALのレッスンで朝ドラ『はっさい先生』(’87年)でヒロインを務められた若村麻由美さんからお話しを聞いて、ご自身のオーディション経験、審査に臨む姿勢や現場での振る舞いに私との大きな違いを知ることができました。不合格は悔しかったですが、それでも大勢の新人が挑む審査に進めたことは自信にもなりましたし、自分にとっては意義のある通過点だと思っています」

──レッスンを通して、どのような成長を感じていますか?

「講師の方がプロデューサー目線で接してくれるため、私も役者としての自分をきちんと"商品化"することを意識するようになりました。女の子なら誰しもヒロインには憧れると思うんですが、入所した当初は私もキラキラ枠を目指してたんです(笑)。でも私の特性が生きるのはむしろ個性的な立ち位置なんじゃないかと、役者としての自分の居場所をレッスンを通して気づかされました」

──目指す将来像を教えてください。

「欲張りかもしれませんが、舞台に主戦場を置きつつ、映像で強烈な存在感を残せる女優になりたいですね。『劇団★新感線』の舞台に出るのが一番の目標です」

〜ジュノンボーイが挫折の先に見つけた本物を目指す道〜

  • 上野凱
  • 上野凱

上野凱

うえのがい●1998年8月26日生まれ、長崎県出身。第25回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト準グランプリを受賞。映画「くちびるに歌を」、ドラマ「表参道高校合唱部!」などに出演。趣味は映画館種、カラオケ。特技はバスケットボール、歌。

「全員が自分を持ちながら、他者を受け入れる柔軟性もあるんです」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「中2のときにジュノン・スーパーボーイ・コンテストで準グランプリをいただき、前の事務所に所属しました。応募したのは母です。僕は長崎の五島列島出身なんですが、一次予選で福岡に行けるというだけで流されて──。高校で上京して以降も意思が固まりきらないままだったためか、いくつか出していただいた現場でも結果は残せませんでした。今思うと、浅はかな心構えでした。高3になる前に事務所を辞め、頭を整理するために島に戻りました。僕の島には映画館がなく、船で4時間かけて観に行く映画は特別なものです。そんな中、いくつか映画を観るうちに現場への思いが蘇ってきて、改めて挑戦するために再上京し、バイト生活をしてきました。そこで知り合った俳優の方にTSALを紹介していただいたんです」

──レッスンを通してどのような成長を感じていますか?

「小さい頃から僕は人と同じことをしたくないという気持ちが強くて、『変わってる』と言われることもよくありました。自分ではそれでいいと思ってたんですが、結局それだけでは視野が狭いまま。自己主張するにしても、人の意見を取り入れた上で自分の中で咀嚼することの大切さを日々学んでいます。それもやはり、ここでの出会いが大きいですね。レッスン生は“自分というもの”を持ってる人間ばかりですが、他者を受け入れる柔軟さもあって、結局そうでないと芝居は成り立たないんだということも気づかされました」

──オーディションは受けていますか?

「はい。中でも大きかったのが、仮面ライダーのオーディションです。一緒に受けた中には、見知った顔もたくさんいましたね。残念ながら落ちてしまいましたが──。こちらでは大小関係に関わらず、その人の糧になるであろう作品のオーディションに出してくれます。正直、小さい役もつかめなかったときは、自分の力のなさに打ちのめされますね。だけどその悔しさも味わわないまま表舞台に出てしまったのが以前の自分だったので、この経験は絶対に将来に生きるはずだ、という気持ちで挑んでいます」

──目指す将来像を教えてください。

「上野凱という名前を確立させたいですね。名前が出るということは批判もあるでしょうが、それもしっかり受け止めて、その上で『上野凱が出るならこの作品はきっと面白いはずだ』と思ってもらえるような役者になりたいです」

〜『役者 養成所 本物』で検索したらここがヒット〜

  • 東景一朗
  • 東景一朗

東景一朗

あずま・けいいちろう●1995年10月8日生まれ、青森県出身。2018年5月入所。舞台「イキザマ3」応援団役、やっかれんPR映像「一人で悩まないで」涼役で出演。大河ドラマ「いだてん」の第2部・田畑政治篇〜1940年、幻の東京オリンピック〜に、陸軍青年将校・後藤映範役で出演が決定。趣味はNBA観戦、特技は人の顔と名前を覚えること。

「『気負わずに自分を見せろ』と背中を押していただきました」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「演技もレッスンもまったく未経験でした。オーディションは大学3年のときに、阿佐ヶ谷スパイダースを受けたのが唯一です。主宰の長塚圭史さんの舞台を観て、ぜひこの人の作品に出てみたいと。でも最終審査で落ちてしまいました。芝居も何もわかってなかったので、仕方ないと思っています」

──そもそも芝居を志したきっかけは?

「中学のときに小栗旬さんのドラマを観て衝撃を受けたのがきっかけです。だけど役者が安定しない職業だということは子どもながらに分かっていたので、親には言い出せず、普通に大学受験をしました。20歳の誕生日に父と初めて2人で飲んだときに打ち明けたのですが、父は気づいていたそうです。大学まで出してくれたことの筋を通すために、挑戦するのは卒業してからと決めました」

──TSALとの出会いは?

「まずは芝居を学ばないことには何も始まらないと考え、『役者 養成所 本物』で検索したらここがヒットしたんです。しかも憧れの小栗旬さんの所属事務所に直結した養成所。運命のようなものを感じましたね」

──大河ドラマ「いだてん」の五・一五事件を起こした青年将校・後藤役を、オーディションでつかみました。こちらでの学びはどのように生きましたか?

「講師の方からはいつも『役に入る前には準備が重要だ』と教わっています。資料も多く残っている実在の人物のため、自分なりに本や資料をかき集めて役作りをしました。オーディションに臨む前に『普段のまま行けばきっと目に留めてもらえるから、気負わずに自分を見せろ』と背中を押していただいたおかげで、審査も楽しめたのを覚えています」

──役作りのために坊主頭にしたんですか?

「いや、実は『いだてん』のオーディション前の別仕事で人生初の坊主にしたんです。正直すごく恥ずかしかったんですが、TSALのスタッフには大好評で(笑)。“坊主の役があったら積極的に書類を出す”と言っていただいてたんです。講師やスタッフは『役をつかんだのは自分だ』と言ってくれますが、ラッキーが重なったことも大きかったと思ってます」

──目指す将来像を教えてください。

「小栗旬さんみたいになりたいと思ってこの世界に飛び込みましたが、現実も見えてきました(苦笑)。だけど"東景一朗"を磨けばいいんだということにも、ここで気づかされました。すぐには無理でも、5年後10年後に輝ける自分を目指して、日々のレッスンを楽しみながら吸収していきたいと思っています」

トライストーン・アクティングラボ  レッスン生インタビュー(2019年夏)

取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎

〜キッズミュージカルから、本格派の芝居を目指して〜

  • 秋山みり
  • 秋山みり

秋山みり

あきやまみり●1994年10月5日生まれ、東京都出身。ミュージカル『赤毛のアン』、『葉っぱのフレディ』など数多くのキッズミュージカルの舞台に立ったのちに、19歳でTSALに入所。今年11月に世田谷パブリックシアターで上演される舞台『銀杯』の出演者に抜擢。特技はダンス(ジャズ、ヒップホップ、タップ)、アクションなど。

「現場で素の自分でいられるのはTSALと仲間のおかげ」

――TSALに入るまでの経歴を教えて下さい。

「10歳のときに地元のキッズミュージカル劇団の募集を見つけて、その後もフリーでいろんなミュージカルに出演してきました。高校生からは大人のミュージカルにも出演するようになったんですが、いわゆる"子役芝居"のクセが抜けないのがコンプレックスになって──。また、それまで演技レッスンを受けたことがなかったので、きちんと学びたいという思いもありました。そんな悩みを抱えていたときに、舞台の共演者としてTSALの先輩に出会い、『本気で芝居をやりたいならここだよ』と誘っていただいたんです」

──TSALに入所してどんな面が成長したと感じていますか?

「もともと私はすごく人見知りで、セリフとか芝居ならよくても、素の自分で相手と向き合うとオドオドしてしまうタイプだったんです。だけどそれだと結局は、芝居でも"いい子ちゃん"にしかならない。ある講師の方の『自分の情けない部分や弱い部分をさらけ出す勇気が芝居には大事だ』という言葉から、そんな自分を変えようと努力してきました。最近やっとオーディションや現場でも素直な自分でいられるのを感じてるんですが、それはTSALの仲間のおかげでもあると感じてます」

――TSALの仲間はどんな雰囲気なんですか?

「みんなすごく芝居にひたむきです。特に公演前の熱量はすごく高くて、お互いにすごく活発に指摘し合うようになります。でもどんな言い回しでも決して相手を傷つけることなく、目的は芝居をよくするため。だからどんな言葉も心地いいというか、本当に芝居が好きになると相手を思いやれるようになるんだなと感じます。そういう気付きをたくさんしたことで自分も変われて積極的にコミュニケーションが取れるようになったし、TSALの仲間には本当に感謝しかないですね」

――目指す将来像を教えて下さい。

「ずっと舞台やミュージカルをやってきたんですが、映像にも興味があります。昔は『どっちかに集中したほうがいいんじゃない?』という人もいましたが、芝居を追求するという意味では絞る必要はないなと思ってますし、TSALでも頻繁に映画のオーディションに出してもらっています。フィールドは問わず、製作/キャスティングサイドや見ていただいた方に、『この役は秋山みりしかいない』『秋山みりでよかった』と思ってもらえる役者になりたいですね」

〜劇団四季を出て、田中圭の芝居に感銘を受ける〜

  • 天野勝仁
  • 天野勝仁

天野勝仁

あまのかつひと●1993年9月7日生まれ、熊本県出身。2013〜16年、劇団四季に所属し、舞台『ジーザス・クライスト=スーパースター』、『ライオンキング』、『むかしむかしゾウがきた』などの出演を経て、2017年10月にTSAL入所。今年11月に世田谷パブリックシアターで上演される舞台『銀杯』の出演者に抜擢。特技はクラシックバレエ、剣道、I字バランスなど。

「凝り固まっていた自分の概念が、どんどん解きほぐされました」

――TSALに入るまでの経歴を教えて下さい。

「昨年10月にTSALに入所しました。その前に20歳頃から劇団四季の劇団員として活動してきたのですが、自分の表現が向上しないことへの迷いもあって、一度リセットして自分の目標を明確にしようと地元・熊本に帰ったんです。その後もたびたび趣味の観劇も兼ねて上京していた中で、昨年夏に見たのが田中圭さんの主演舞台『僕だってヒーローになりたかった』。そこでもう涙が止まらなくなって──、自分のやりたいのはこれだ! と確信したんです。その舞台にはTSAL生も出演していて、TSALのチラシももらったのですぐに連絡しました。ちなみに東京の引っ越し先も、TSALの入所オーディションの日に決めました(笑)」

――改めて芝居を学び直す場として飛び込んだTSALはどんな雰囲気ですか?

「自分はそれなりに経験を積んできた自負があったんですが、1年目のクラスには未経験の人もけっこういました。そういう同期が自分にはない解釈の芝居をやったりするのを見て、速攻で鼻をへし折られましたね(笑)。悔しかったのと同時に、負けてられないぞという気合いも入りました。経験の多寡はあっても芝居が好きで入ってくる人ばかりだから、意見出しも活発で発見も多い。今までどこか凝り固まっていた自分の概念が、どんどん解きほぐされていくのを感じています」

――11月には外部の舞台出演に抜擢されていますが、TSALで学んだことをどのように生かしたいですか?

「最近改めて一つの芝居の背景には、膨大な情報量が詰まっているのを感じます。役者をそれをただシンプルに表現するけれど、実はそれまでに培った知識や見聞といったものが大事で。TSALのレッスンは週1回なんですが、どの講師の方も『レッスンのない1週間が大事だ』とおっしゃるのは、そういうことだと思うんですね。また芝居のテクニック面もただの小手先ではなく、芝居のより深いところまで思考を巡らせるようになりました。自分の今までの経験も武器に、さらにTSALで磨きをかけたものを、次の舞台で存分に発揮したいです

――目指す将来像を教えてください。

「田中圭さんの舞台で僕が味わったような感動を、いつか誰かに届けたいですね。その人の1日がハッピーになる、明かりを灯せるような役者になりたいです。人生を賭けるくらい惚れ込んだこの仕事で、一生食べていくのが目標です」

〜子役からのリスタートに新たな手ごたえ〜

  • 伊藤桃香
  • 伊藤桃香

伊藤桃香

いとうももか●1998年4月15日生まれ、埼玉県出身。高1でTSALに入所。昨年より劇団PU-PU-JUICEに参加。今年春に結成の派生ユニット・劇団PU-PU-Gilrsのリーダーを務め、7月に旗揚げ公演『女子高』を上演。TSAL公演のほか、外部劇団の公演、映画『だいじょうぶ3組』などに出演。

「演劇ユニットを旗揚げして、リーダーとしてみんなと団結しています」

──TSALに入るまでの経歴を教えて下さい。

「母の勧めで小2からプロダクションに所属して、お仕事をしてきました。ただ中学生になった頃から、子役の壁にぶつかり、自分はこれ以上は上に行けないんだと弱気になって中3で事務所も辞めたんです。だけどいざ辞めてみるとテレビなどで同期の子や共演した俳優の方が活躍しているのを、素直に直視できない自分がいて──。そのときに私はやっぱり芝居をやりたいんだと気付き、今度こそ本気で芝居に取り組もうと高1でTSALに入所しました」

──TSALに入所してどんな面が成長したと感じていますか?

「入所したばかりの頃は昔のクセが抜けず、とにかく自分のセリフや芝居に精一杯だったんです。だけど芝居というのは相手があって成り立つもの。相手の心を動かすことで、自分もいい芝居ができる。それが引いてはお客さんの心も動かす、という指摘を講師の方からいただいたことで、自分なりに客観的になる訓練を積んできました」

──TSALでの経験が外部で生きたと感じたエピソードを教えてください。

「現在、TSALと並行して劇団PU-PU-JUICEのメンバーとしても活動しています。TSAL公演でPU-PU-JUICEの演出家の山本浩貴さんに声をかけていただいたのがきっかけだったんですが、実は今年春に劇団から派生して、劇団PU-PU-Girlsという女子だけの演劇ユニットを旗揚げしたんです。そこでは私がリーダーなので、責任を持ってメンバーを引っ張らなくちゃいけない。経験が浅い子もいるので、台本の読み込み方や役作りの仕方など、TSALで培ってきたことをみんなとシェアしながら、ユニットとして大きくなっていこう! と一致団結しています」

──目指す将来像を教えてください。

「劇団PU-PU-Girlsの旗揚げ公演が、今年7月に終わったばかりで、次の公演に向けてネット動画やカフェなどでも活動していこうと、みんなで話し合っています。新メンバーも募集しているので、興味がある方はSNSなどをぜひチェックしてください! 実はつい最近まで、いろいろと焦っていたんです。『もう20歳だ、どうしよう…』って。だけど大事なのは着実に一歩ずつ前に進むこと。それを継続した先に、プロの役者としての第一線の活躍があるんだと、周りの芝居仲間を見ていても改めて感じています。ペースは人それぞれだけど、とにかく歩みを止めずに成長し続けたいですね」

〜小栗旬に憧れ、TSALの門を叩く〜

  • 中村隼人
  • 中村隼人

中村隼人

なかむらはやと●1992年11月3日生まれ、神奈川県出身。映画『UNIFORM』、『S 最後の警官』、『JKエレジー』、『帝一の國』のほか、大塚製薬「ポカリスウェット」JUMP篇、日清「カップヌードル」OBAKA's大学卒業式篇、資生堂「UNO」などのCMに出演。TSAL公演ほか、外部の舞台の客演も多数。

「人との交わりを避けていた自分を変えてくれた仲間に感謝」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「20歳でTSALに入所して、現在5年目です。高校の頃に別の養成所で学んでいたことがあるのですが、小栗旬さんへの憧れが大きく、近いところで学びたいと思ってTSALに入りました。小栗旬さんになれないことはわかってるんですけど(苦笑)、人間としての素敵さというんですかね。小栗さんはTSALの新年会にも顔を出してくださるんですが、話していて誰に対してもナチュラルで、だけど芝居となるとものすごく情熱的で、そういうところはずっと追いかけ続けたいと思って、TSALで頑張っています」

──数多くの映画やCM、舞台に出演されていますが、TSALで学んだことはどのように現場で生きていますか?

「現場と直結した養成所だけに、まず現場に入ったときにビビらないようなモノは、確実に身に付けられます。だけどここの講師の方って、直接的な答えはめったに教えてくれないんですよ。ヒントはくれるけど、答えは自分で見つけろと。でも自分で見つけた答えほど身につくというのも実感してます。またその答えも現場で悔しい思いをした瞬間に見つかることが多くて、それをレッスンに持ち帰って、という繰り返しをしてるところです」

──TSALに入所してどんな面が成長したと感じていますか?

「芝居というより人間的に変わったのを感じています。今思うと恥ずかしいですけど、入ったばかりの頃の自分って人との交わりを避けてたんですよ。だけど、ここで過ごすうちに人を受け入れるようになったというか。それはまた芝居面にも多少なりとも影響していて、台本を読んだときに前は理解できなかった登場人物の気持ちが『ああ、わかるな』と感じることが増えたんですよね。そういう点では、トンガって飲み会とかを避けてた自分をしつこく誘ってくれたTSALの仲間に感謝です(笑)」

──目指す将来像を教えてください。

「先日公開された映画『カランコエの花・併映のUNIFORM』で、舞台挨拶にも立たせてもらったんです。100席くらいのミニシアターではあったけど連日満席で、映画が直接誰かに届くという感覚を初めて味わいました。映画というのはたかが娯楽だけど、それを超えて誰かの人生を変えるくらいの力があると僕は信じていて、そんな映画という素晴らしい世界にずっと携わっていられる役者でありたいと思っています」

〜高校まで芸能活動禁止。大学とTSALを両立〜

  • 花井彩乃
  • 花井彩乃

花井彩乃

はないあやの●1997年9月21日生まれ、東京都出身。18歳で入所し、リクルート「ホットペッパー ビューティー」CM、TSAL公演に出演。特技はテニス。英検2級、数検2級、漢検準1級など資格取得にも積極的。

「先輩方の周りへの気配りと芝居への意識の高さに感激しました」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「芸能活動禁止の中学高校に通っていたのですが、女優になりたくて高3の夏に卒業後を視野にさまざまなオーディションに挑戦していました。その中である女優系の事務所に所属が決まったのですが、アイドルグループを作るという話になり、自分の目指す方向と違ったので辞退させていただいたんです。実はオーディションに挑戦していたときの第一志望がトライストーン・エンタテイメントで、やっぱり実力派の方が揃っているので目指したんですが、所属という形での合格は無理で、そのときにTSALのことも知りました」

──芸能活動禁止の学校に通っていたということは、TSALに入るにあたって親御さんの反対はなかったですか?

「正直、いい顔はしなかったですね。ただ大学も決まっていましたし、絶対に単位を落とさないことを条件に説得しました。TSALに入所するときに親身に相談に乗ってくれたのも、親にとっては安心だったようです。また私自身、大学での経験も芝居に生きると思っているので、卒業まできちんと両立したいと考えています。大学の試験と重なってTSALから紹介されたオーディションを諦めたことも何度かあるんですが、それも縁がなかったんだと割り切って次に進むようにしています」

──初めて芝居を学んだのがここでよかったと感じた経験を教えてください。

「初めてTSAL公演で役をいただいたときは自分のセリフを覚えるのに精一杯で、正直、周りの足を引っ張っていたこともあったと思います。だけど先輩方は、決してそんな私をとがめなかったんですよね。むしろさりげなく声をかけて緊張をほぐしてくれたり、『こうしてみるといいんじゃない?』と自然に誘導してくれたり。その一つ一つが芝居全体を良くすることにも、場の士気を高めることにもつながっていて、周りをつぶさに観察して気を配ることも芝居への意識の高さなんだなと感動すら覚えました。2年目の自分がそこまでなれているかはわからないけど、次に後輩と同じ舞台に立つときにはそんな姿勢を見習いたいと思っています」

──目指す将来像を教えてください。

「映画が大好きで、映画館でアルバイトをしているので、いつかそこの映画館のスクリーンに映りたいと思っています。もともと私は考えが硬いタイプだったんですが、さまざまな価値観や人生が肯定できるようになったのは映画のおかげでもあるんです。演じることもまた、いろんな人生を肯定するということにつながると思いますし、どんな人生も素晴らしいんだよ、ということを伝えられる女優になりたいですね」

〜幼少から学んだダンスを経て芝居の道へ〜

  • 森田彩友香
  • 森田彩友香

森田彩友香

もりたあゆか●1997年5月17日生まれ、愛知県出身。6歳からダンスを学び、2016〜2017年の湘南乃風ライブツアーにバックダンサーとして参加したほか、大会などに多数出演。今年春に上京し、TSALに入所。特技はダンス、歌。

「ここでは誰もが『つかみとる』という感覚でレッスンの熱量がすごい」

──TSALに入所するまでの経歴を教えてください。

「名古屋の専門学校を今年の春に卒業後、上京してTSALに入所しました。6歳からダンスを習っていて、専門学校でもダンスを専攻していたんですが、その間にかじる程度ですが歌や演技レッスンに触れることもあって、どんどんお芝居に惹かれていったんです。TSALを知ったのは、専門学校で行われたプロダクションの説明会でした。ほかの事務所がキラキラした夢のようなことを話す中で、トライストーンの新人開発の方は業界の厳しい現実も語ってくださって。それが私にはとてもリアルに感じられたし、その分、挑戦したい! という気持ちも強くなったんです」

──同じエンタメを学ぶ場として、専門学校との違いはどう感じますか?

「あくまで私の感じ方なんですが、専門学校は学校なので、『教えてもらう』というタイプの子が多かったように思います。だけどここは現場に近いし、オーディションでバンバン仕事を決めている人も周りにたくさんいるので、誰もが『つかみとる』という感覚でレッスンの熱量もすごいんですよ。みんなモチベーションが高くて、『あの子はレッスンとレッスンの間にこういう準備をしてきたんだ』というのも目に見えてわかるし、そうすると自分も負けていられない! となりますよね。そういう環境の違いは本当に大きいなと感じています」

──入所して3ヵ月ですが、森田さんもすでにオーディションを受けているんですか?

「はい、オーディションの紹介は本当に多いです。でも私はまだぜんぜんつかめていなくて──。未経験の同期で仕事を決めている子もいるので、まだまだ何かが足りないんだと思って、その何かをつかむために頑張っているところです。まずは一つ目の仕事を決めるのが、目の前にある目標です」

──目指す将来像を教えてください。

「最近は女優さんでも芝居やCM、PVなど踊る仕事が増えていますし、ダンスを頑張っている方もいっぱいいると思うんですね。だけどやっぱり6歳からやってきたダンスだけは、絶対に負けたくないです。そのためにもダンスの感覚を錆びさせないように、最新のダンス動画などを見て自主トレを続けています。もちろん芝居を追求するのが大前提ですが、『ダンスがある役なら森田彩友香がいるね』と真っ先に名前が挙がるような女優になりたいと思っています」

トライストーン・アクティングラボ  レッスン生インタビュー(2018年夏)

取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎

〜声優志望から、身体表現を使った芝居の追求へ〜

  • 古沢義寛
  • 古沢義寛

古沢義寛

ふるさわよしひろ●1992年8月5日生まれ、神奈川県出身。東京アナウンス学院卒業後、TSALに入所。日本コカ・コーラ「ジョージア-CokeON-」CM、amazonプライム「Tokyo Vampire Hotel」に出演。劇団BLUESTAXIの第23回公演から出演。現在は劇団PU-PU-JUICEのメンバーとして活動。8月4・5・6日、中目黒キンケロ・シアターにて舞台公演Vol.6 トライトーン・アクティングラボ『遠い空の下』に出演する。

「ベテランの役者の方との共演で、目指す役者像が明確になりました」

――TSALに入るまでの経歴を教えて下さい。

「声優を目指して専門学校で学んだ後に、TSALに入所しました。専門学校で舞台演技のゼミがあり、声だけでなく身体表現を使った芝居をもっと追求したくなったんです。TSALを知ったのはDeviewで、最初に目に止まったのが小栗旬さんの名前でした。小栗さんの芝居に対する姿勢を尊敬していて、ここならきっと自分の求める芝居が学べると思ったんです」

――TSALでの経験を通して、どんな面が成長したと感じていますか?

「僕は頭で考えすぎて芝居をする癖があったんです。台本をもらっても、シーンごとに『ここの感情はこう』と細かく箇条書きにしてしまったり。そのせいか芝居が凝り固まってしまってしまった時期があったんです。そんなときに講師を務めてくださった演出家の方に『もっとシンプルに芝居していいんだよ』と言われて、それまでモヤモヤしていたことが吹き飛びました。ただ、"シンプルに芝居する"というのは実はすごく難しいことで、芝居以外にもたくさんのことを自分の中に蓄えないと、上っ面の芝居になってしまう。シンプルにやろうと決めてから課題は増えましたが、その分毎日が充実しています」

――現在は劇団PU-PU-JUICEのメンバーとしても活動していますが、外部の劇団や作品に参加するのは自由なんですか?

「はい。もともとPU-PU-JUICEに参加することになったのも、TSAL主宰の舞台に参加されていたPU-PU-JUICEの演出家の山本浩貴さんに声をかけていただいたのが縁でした。TSALの講師には映像作家や演出家も多く、外部との交流はとても活発なんです」

――目指す将来像を教えて下さい。

「僕はラッキーなことに外部でベテランの役者の方と絡む役をいただいたことが何度かあるんですが、プロの現場で何十年も生きてきた方々って、普段の佇まいからして役者なんですよ。それは偉ぶってるとかいう意味ではなく、芝居に臨む姿勢や考え方、言葉選び一つにしても、役者としての責任と覚悟をひしひしと感じるんです。どうしたらそうなれるのか、あるベテランの方に聞いたら『虚勢でもいいから、プロ意識を持つことだよ』と言われたんですね。その言葉がとても響いて、自分の目指す役者像が明確になりました。どんな場でも、常にプロ意識を忘れない役者でいたいと思っています」

〜声優志望から、身体表現を使った芝居の追求へ〜

  • 宮澤竹美
  • 宮澤竹美

宮澤竹美

みやざわたけみ●1994年生まれ、長野県出身。日本工学院卒業後TSAL入所。TDL「ジャングルクルーズ」VP、「ビッグホリデー」広告モデル、テレビ『世界仰天ニュース』(日本テレビ)コラボドラマ「心の科学者・成海朔の挑戦」、映画『ナラタージュ』(行定勲監督/10月7日公開)、舞台BLUESTAXI第25回公演@中野ザ・ポケット『マサカサカサマ』に出演。8月4・5・6日、中目黒キンケロ・シアターにて舞台公演Vol.6 トライトーン・アクティングラボ『遠い空の下』に出演する。

「入所してからどんどん心が開いていくのを感じています」

――TSALに参加するまでの経歴と、入所のきっかけを教えて下さい。

「専門学校で舞台を学んだ後に、TSALに入所しました。その専門学校で劇団&プロダクション説明会というものがあったんですが、TSALのスタッフさんは他のどことも違って、小栗旬さんや田中圭さんの例を挙げながらも、キラキラした輝かしいことだけじゃなくて、役者を目指す上での苦味や辛さを話してくれたんです。それが私にとってはとてもリアルに響いて、『ここで学びたい!』と思いました」

――TSALでの経験を通して、どんな面が成長したと感じていますか?

「一番は人との付き合い方が変わったと思います。私は学生時代にいじめられた経験があって、そのせいで周りと馴染めなかったり、物事をネガティブにとらえてしまいがちだったんです。だけど講師の方に『役者というのは、過去の辛い経験すら糧になる職業だ』と言っていただいて、目から鱗が落ちたんですね。その言葉のおかげで自分を受け入れられるようになったし、素のままの自分になれたことで人付き合いもとても楽になったんです。何より日常的に心を塞いでいると、芝居にもそれが出てしまうし、TSALに入所してからどんどん心が開いていくのを感じています」

――映画や舞台など外部での仕事経験も重ねていますが、TSALでの経験はどのように活きていますか?

「今年の春、TSALで講師を務めてくださった映画監督の方から映像作品にお誘いいただきました。私は映像の経験はほとんどなかったので、レッスンでもカメラ位置とか見え方とかダメなことばかりだったんですが、それでも声をかけてくださったのは、いいコミュニケーションができたからなのかな? と思っています。現場でもご迷惑をおかけしたかもしれませんが、レッスンでご指導いただいたことは精一杯返すように頑張りました」

――目指す将来像を教えて下さい。

「私の尊敬するTSALの先輩が『いい役者は空気を作ることができる』とおっしゃっていて、その言葉をいつも頭の片隅に入れています。空気というのは、周囲の人々を見て振る舞うからこそ作れると思うんですね。それはときには発信側に立ち、ときには受信側に回るという芝居にも通じるものだと思います。芝居が大好きなTSALの仲間たちとのふれあいを通して、そんな視野の広い人間に成長したいです」

〜フリーのモデルが、TSALの熱量の高さにひかれ入所〜

  • 石川路子
  • 石川路子

石川路子

いしかわみちこ●1995年10月24日生まれ、北海道出身。フリーでのモデル活動を経てTSALに入学。舞台 マームとジプシー『ロミオとジュリエット』(東京芸術劇場プレイハウス)出演。8月4・5・6日、中目黒キンケロ・シアターにて舞台公演Vol.6 トライトーン・アクティングラボ『遠い空の下』に出演する。

「受講生同士コメントを言い合う中で、自分を客観視できるようになりました」

──TSALに参加するまでの経歴と、入所のきっかけを教えて下さい。

「入所まで芝居の経験はまったくなくて、フリーでサロンや雑誌のモデルをしていました。そんな中、ポートレートを撮っていただく機会があったんですが、服や髪がメインの写真とは違って、そこには空っぽな自分しか写ってなかったんです。それがとてもショックで、中身のある自分を求めて芝居に興味を持つようになりました。養成所の体験入学やワークショップにもいろいろ参加したんですが、Deviewで応募したTSALの無料オープンクラスは、他のどこにもない熱量の高さにゾクゾクしましたね。ここに本気でぶつかっていけば、それだけのものが得られるだろうなと身をもって実感したのが入所を決めたきっかけです」

──TSALでの経験を通して、どのような面が成長したと感じていますか?

「ここでのレッスンって、講師だけでなく受講生同士もすごくコメントを言い合うんですね。自分ではこう表現していたつもりでも、人には違うふうに見えるんだ、ということに気付かされたりなど、鏡を向けられるような場面がとても多いんです。そのおかげで自分を客観的に見られるようになりました。自分のことをよく知らないと、役を深めることもできないと思うので、自己認識ができるようになったのは大きな収穫だと思っています」

──昨年は舞台「ロミオとジュリエット」への出演をつかみましたが、TSALの経験は外部でどのように生きていますか?

「まずこの舞台はオーディションが5次審査までとわりと過酷だったんですが、それに耐えるパワーはTSALで十分蓄えてあったと思います(笑)。それと演出の藤田貴大さんはとても独特な演出をする方で、稽古の最初は戸惑いもありました。でも考えてみれば、TSALの講師陣もアプローチは人によってさまざま。たとえスタイルが違っても、いい作品を作るという向いている方向が同じであれば、それを全力で受け入れて全力で返すというTSALのやり方をそのままこの現場でも生かせたと思います」

──目指す将来像を教えてください。

「もともと私は目立ちたいといった願望はなく、役者という職業やその人間自体に興味があってTSALに入ったんです。それから2年半経ち、プロの役者さんと関わったり、自分も芝居をするようになりましたが、どこまで追いかけてもつかみどころがない世界で、だからこそとにかく真摯に表現に向き合い続けたいと思っています」

〜名古屋から通いながら、東京で勝負に挑む〜

  • 小松寛武
  • 小松寛武

小松寛武

こまつひろむ●1993年12月27日生まれ、愛知県出身。地元名古屋での芸能活動を経てTSAL入所。

「自分よりすごいと思う人が必ずいるので、レッスンは吸収し放題です」

──TSALに参加するまでの経歴と、入所のきっかけを教えて下さい。

「入所したのは今年5月で、大学在学中は名古屋の事務所に所属していました。ところが自分がお手本にしていた先輩がどんどん東京に出て行ってしまったんです。また地元では仕事もさせてもらっていましたが、僕はもっと芝居を勉強したかったんですね。そんな中、TSALのホームページの受講生の声に『レッスンの熱量がすごい』ということが書いてあり、ここならひたすら芝居に打ち込めるんじゃないかとピンと来て、入所を決めました」

──現在は地元から通っているそうですが、東京に住んでいる同期とのギャップは感じないですか?

「僕以外にも地方から通っている人はけっこういますし、移動時間も台本を覚えたり役を深堀りしたりできます。次のレッスンまでの1週間という時間はどこに住んでいても同じなので、不利に感じたことはないですね。自分がちょっと自信があるぞ、と臨んだレッスンで、ほかの同期がより高いレベルの芝居に仕上げてきたときには『やられた!』と思うけど、それもすごく刺激になって、週1回のレッスン4時間が楽しみでしょうがないです」

──TSAL入所前から芝居経験があった小松さんですが、レッスンの手応えはいかがですか?

「実は同じクラスにすごく意識している人がいます(笑)。彼は同じ台本でも、僕とは芝居のアプローチがぜんぜん違ってたんです。その彼のほかにも、新しい台本をもらうたびに自分よりすごいなと思う人が必ずいるので、レッスンは吸収し放題ですね。でもそれもちょっと悔しくて、今度の台本では『小松からこれを吸収した』と思われるように、もっと芝居を突き詰めたいと思ってます」

──目指す将来像を教えてください。

「大学時代に後輩から、役者と就職で迷っていると相談を受けたことがありました。そのとき僕自身は役者に邁進していたけど、彼の背中を押すことはできなかったんですね。やっぱりとてもナイーブな悩みだから……。でもいつか、『夢を追ってよかったよ』と自信を持って言える自分になりたいですね。役者を目指す現実には苦しいこともいっぱいあるけど、同じように迷っている若い人に『小松寛武の姿に希望をもらった』と思ってもらえる役者になりたいです」

〜片道11時間バスで通った根性で役者の道を拓く〜

  • 小玉祐毅
  • 小玉祐毅

小玉祐毅

こだまゆうき●1994年9月23日生まれ、岡山県出身。映画『新宿スワン』『帝一の國』、特別ドラマ『奇跡の教室』(日本テレビ)、舞台『僕だってヒーローになりたかった』等に出演。

「現場で痛感した課題を、持ち帰って消化できるのがTSALの良さ」

──TSALに参加するまでの経歴と、入所のきっかけを教えて下さい。

「僕は岡山県出身で入所5年目なんですが、最初の3年間は地元から通ってました。当初は本気で役者を目指していたというよりは、高校を辞めてやることもないし、東京に行きたいという軽い気持ちで。小栗旬さん、カッコいいなという憧れもありましたね」

──地元からはバスで11時間かかるそうですが、毎週通い続ける原動力となったものは?

「もともとが軽い気持ちだったせいもあって、そのうち同期にどんどん抜かれていったんです。自分が仕事をつかめないのは、東京に住んでないからだと腐ったこともありました。だけどそんなの関係なくて、評価されてるやつって話をしてみるとちゃんと中身が伴ってるんですよね。自分も負けず嫌いなので、負けっぱなしはイヤだと。やっぱりTSALの仲間の存在が、一番の刺激になりましたね」

──映画や舞台などメジャー作品への出演が相次いでいますが、TSALでの経験は外部でどのように活きていますか?

「この夏は鈴木おさむさん演出の舞台で、トライストーン所属俳優の田中圭さん、手塚とおるさんと共演させていただきました。手塚さんはTSALで講師も務めてくださっているので、現場でご一緒できたのがとてもうれしかったですね。ただプロの方と仕事をすると、自分の足りなさをすごく痛感させられるんです。だけど現場で気づいた課題を、レッスンに持ち帰って消化できるのがTSALの良さで、それを繰り返すことで、確実に役者として向上していけると感じています」

──目指す将来像を教えて下さい。

「憧れている先輩たちと肩を並べて、ちゃんとお金を稼げる役者になりたいのはもちろんです。だけどもっと大事なのは、人に対してリスペクトの気持ちを持つことだと思うんです。映画『帝一の國』にTSALの仲間数人で出演させていただいたとき、打ち上げであるスタッフさんに『君たちの現場での居方は完璧だった。どんなに有名な役者になっても、そのままでいてほしい』と言われたんです。それはとても誇らしかったけど、その言葉通り、たとえキャリアを積んだ役者になっても、後輩の役者や現場の裏で汗をかいてるスタッフさんなど、一緒に仕事をする仲間を尊重して認めることができる人間になりたいですね」

〜舞台の専門学校から、本物の役者を目指してTSALへ〜

  • 石川美沙紀
  • 石川美沙紀

石川美沙紀

いしかわみさき●1996年9月4日生まれ、埼玉県出身。専門学校 舞台芸術学院を卒業後、TSALに入学。8月4・5・6日、中目黒キンケロ・シアターにて舞台公演Vol.6 トライトーン・アクティングラボ『遠い空の下』に出演する。

「新たな刺激をくれる仲間との出会いがとてもうれしいです」

──TSALに参加するまでの経歴と、入所のきっかけを教えて下さい。

「専門学校を卒業して、今年5月にTSALに入所しました。卒業公演を見てくださったTSALのスタッフさんに『一度、来てみませんか?』と誘っていただいたのがきっかけで、ほかの劇団にも声がかかっていたのでいろいろ調べたんですが、“本物の役者”になるならここだ、と思ったんです。もちろん、将来的にはトライストーンに所属したいという思いもありました」

──専門学校で芝居を学んだ経験があったわけですが、TSALは何が違いましたか?

「専門学校も身になることがたくさんあったので、無駄だったとは思ってません。だけどTSALで習うことはとにかく私には新しくて、初めてのことばかり、という感じなんです。雰囲気的には通っていた専門学校に似てるんですよ。みんな芝居が好きで熱い人ばかり。こういう環境が私は大好きなので、同期と一緒に頑張れそうです」

──TSALの仲間はどんな存在ですか?

「恥ずかしい話なんですが、正直、入所したばかりの頃はちょっとお芝居に自信があったんですね。ところが初日にそんな鼻っ柱がポキッと折られることがあって。同期の演技初心者の子と一緒に芝居をしているうちに、どんどんその子に引き込まれていったんです。そのとき、もしかしたら私は芝居の固定概念に縛られていたのかもしれない、と気付かされました。専門学校の仲間とは違う芝居をする、新たな刺激をくれる仲間との出会いが今はとてもうれしいです」

──目指す将来像を教えてください。

「今は将来どうなりたいというよりも、お芝居を追求するのがとにかく楽しい毎日です。ただ強いて言うならば、最近だとドラマ『小さな巨人』の香川照之さんに目を奪われっぱなしでした(笑)。いつかあんなふうに画面越しでも熱が伝わる、人の心を動かせるお芝居ができるようになりたいです。それ以前に、何より人間性を高めたいですね。芝居というのはウソがつけないもので、どんなに"芝居"しても人間性が出てしまうものなんだというのを専門学校時代に感じることがたくさんあったので、周りの人をハッピーな気持ちにできる人間に成長していきたいです」

トライストーン・アクティングラボ  レッスン生インタビュー(2017年夏)

取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎

〜22歳、関西の大学生が未経験からのスタート〜

  • 福田妙子
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福田妙子

ふくだたえこ●1991年8月20日生まれ。岡山県出身。サロンモデルとして「Voce」「inRed」「CanCam」などに多数出演。SEGAネイルプリイメージモデルも務める。入所後はTSAL舞台公演ほか、現在はファミリーマート「フラッペミルクティー篇」CMに出演中。舞台公演「7人の負け犬」8月25日〜28日 中目黒キンケロ・シアターの出演を控えている。

「『芝居』も『人間力』も高めていきたい」

――TSALに入るまでの経歴を教えて下さい。

「役者を目指して上京し、サロンやグラフィックのモデルをしながら事務所のオーディションを受けていました。ただそれまで芝居経験もなく、受け始めたのがすでに22歳と応募制限ギリギリだったので、ストレートに事務所に入るのは厳しいという現実に直面しましたね。ただ年齢はどうしようもなくても、力を付けることは今からでもできると気持ちを切り替えてTSALに入りました」

――演技を学ぶ所は数ある中で、TSALを選んだ決め手は?

「私は無料オープンクラスに参加したんですが、講師の方の教える熱量やそこに食らいついていく受講生さんたちの姿勢を見て、純粋にここで学びたいと思いました。とても内容の濃い4時間で、最初はこんな濃いところに未経験の自分が入って大丈夫だろうかとも不安にもなりましたが、改めてオープンクラスを振り返ってみると、実は役者にとって一番大切な基礎を丁寧にやっていてくれてただけだったんですよね。TSALに参加してからも、基礎は常にやっています」

――福田さんも現在CMに出演されていますが、TSALの経験は現場でどう活きましたか?

「私は3人の女友だち同士という設定のうちの一人で出演したんですが、ディレクターさんの“仲良く、楽しそうに”という指示だけで、特に台本はなかったんです。他の2人の子とは現場で初対面だったし、普通だったらすぐに友だちの雰囲気って出せないかったと思うんですよ。だけどここで学んだ芝居相手との関係性の作り方を思い出しながら、何テイクかの中でいろいろなアプローチやアイディアを持って挑戦できたのはよかったなと思ってます」

――未経験から入った福田さんにとって、TSALではどんなことが養えると思いますか?

「芝居の力はもちろんですが、何より役者にとって大事なのは人間力であるということを気づかせてくれる場所です。私もそうでしたが、特に女性は芸能界を目指すにあたって年齢の壁で悩むこともあると思います。だけど若さというのは一瞬だけど、人間力は一生もの。私はぜんぜん未熟ですが、TSALで吸収していることを私生活でも忘れず、芝居も人間力も高めていきたいと思っています」

〜22歳、関西の大学生が未経験からのスタート〜

  • 小野春花
  • 小野春花

小野春花

おのはるか●1992年4月3日生まれ。静岡県出身。住友生命「1up」CM、静岡県労働金庫「カードローンR-ing」CM、ひかりTV「理系の人々」就活生役、東海汽船「納涼船」など。

「共に頑張る仲間がいてこそ成長できる」

――TSALに参加するまでの経歴について教えて下さい。

「以前、ある事務所に入っていて、そちらでも一応、お仕事やレッスンをさせてもらってたんです。だけど今いち手応えがないというと、本当に力が付いていると確信できなくて。やっぱり一番やりたいのは役者だったので、ちゃんと成長できるところに行きたいと思って、事務所を辞めました」

――演技を学ぶ所は数ある中で、TSALを選んだ決め手は?

「ちょうどここのレッスンを見学した直後に、TSAL受講生による舞台を観に行ったのが決め手になりました。純粋に舞台としてとても面白かったし、役者さんたちが本当に輝いていて。その頃、養成所を探していろいろ見学する中で迷っていたんですが、こんなに素敵な人たちを育ててるところなら信じられるなと思ったんです」

――すでにCMなどにも出演していますが、TSALでの経験は現場でどう生きていますか?

「静岡県労働金庫のCMにメインで出させていただいた時は、地元が静岡ということもあって家族や友だちもすごく喜んでくれてうれしかったです。ただレッスンでは、まだ克服できていない『声が上ずる』という自分の弱点を再確認させられた現場でもありました。もともと自身では声が低いほうだと思っていたんですが、講師の方から“声が上ずりがち”と指摘されて、初めて客観的に実際の声質に気付かされたんですよ。そこをなんとかお腹から声が出るように鍛えてきたんですが、完成したCMの音声を聞いてまだまだ頑張らないといけないと、気持ちを引き締め直しているところです。講師の方の指摘・指導は気づきの連続です」

――小野さんから見て、TSALにいる人たちの印象は?

「講師やスタッフの方は、とにかく人間を見ているなと思いますね。悩んだり行き詰まったりしていると、こちらが何も言わずとも声をかけてくれて、じっくり時間をかけて話を聞いてくれます。受講生は私みたいに前に多少の経験がある人もいれば、未経験で入ってくる人もいますが、何も経験のなかった人の殻が破けた瞬間にはみんなで喜び合うんですよ。それは“自分も負けてられない”って気持ちをもらえるからで、やっぱり共に頑張る仲間がいるって心強いものなんだなと感じますね」

〜フリーのアイドルが、女優としての居場所を見つけた〜

  • 土山茜
  • 土山茜

土山茜

つちやまあかね●1991年10月22日生まれ。福岡県出身。2012年日テレ汐留グラビア甲子園ファイナリスト、2014年フォトテクニックガールオーディショングランプリ、チバテレビ「応援美女子!」内短編ドラマ「学食戦争」織田信子役など。舞台多数出演。現在、ファミリーマート「冷やし中華」CMに出演中。

「ここほど一人一人に向き合ってくれるところはなかった」

――TSALに参加するまでの経歴を教えて下さい。

「昔から役者志望だったんですが、最初に飛び込んだのはグラビアの世界です。というのも役者は目指していたものの、ものすごい恥ずかしがり屋で、そんな自分を克服するために、まずは自分の一番恥ずかしい面をさらけ出すことにしたんです。それからは地下アイドル的な活動や小劇場への出演と、すべてフリーランスで活動してきたんですが、自己流でやっていくことに限界を感じたのと、映像分野にいきたいと思いTSALに入りました」

――演技を学ぶ所は数ある中で、TSALを選んだ決め手は?

「デビューで募集していた無料オープンクラスに参加したことがきっかけです。役者を目指すにあたってさまざまなワークショップなどを渡り歩いてきたんですが、ここほど講師の方が一人一人に向き合ってくれるところはなかったですね。“君はこういう芝居が得意そうだから、こういうことに挑戦してみたら?”といったアドバイスもいただけたりと、ここで学べば自分にしかできない芝居をつかめるかもしれないと感じました」

――土山さんはファミリーマートのCMに出演されていますが、TSALでの経験は現場でどう活きましたか?

「山の上で冷やし中華を食べるシーンの撮影だったんですが、その日はかなりの曇天で、一瞬の晴れ間を狙って撮るしかなかったんです。いわば瞬発力がすごく求められる撮影だったんですが、常に即その役になりきるというスキルをここで鍛えてきたおかげで、対応できたと思っています。待ち時間も長かったんですが、そのおかげで監督さんや共演の方とディスカッションできたのは良かったですね。TSALでも講師の方や受講生とのディスカッションをすごく大事にしているので、初めての現場にもすんなり溶け込むことができました」

――フリーでもさまざまな芸能経験をしてきた土山さんにとって、TSALはどんなことが養える場だと思いますか?

「実は今年の頭にNHK朝ドラヒロインのオーディションにTSALから出させていただいて、2次審査まで進んだんです。結果、落ちてしまったんですが、一緒に受けた中にはテレビなどでよく知っている女優さんもたくさんいて、そんな人たちと方を並べているだけでも大きな自信になりました。メジャーな作品に役付きで出ているTSALの先輩も多いので、私も続きたいと思っています」

〜演技を学ぶ学生から、本格的な芝居鍛錬の道へ〜

  • 三浦健人
  • 三浦健人

三浦健人

みうらけんと●1996年3月21日生まれ。東京都出身。東京俳優市場2014年冬『Human Android』白井役、SKY座『ちかい橋』一役などに出演。TSAL入所後には、大塚製薬ポカリスエット2015甲子園広告企画「応援する人の渇きにも」男性マネージャー篇、 TOMONY「企業広告」ほか、TSAL公演にも連続して出演。

「TSALで学んでいることは役者として意識が高い」

――TSALに参加したきっかけと、その前までの経歴を教えて下さい。

「ある大学で演技を専攻し、外部の舞台にも出ていましたが、TSALに集中したいと考えて大学のほうはやめました。正直、大学の授業よりも実践的で、講師の方のアドバイスも的確なんですよ。プロの方に混ざって外部の舞台に立ったことで、もっとその違いを感じたし、せっかく入学したので親から反対もあったけど本気で役者を目指しているので迷いはなかったですね」

――すでにCMや広告などにも出演していますが、TSALで得た経験はどのように現場で生きていますか?

「昨年、『TOMONY』のCMに受験生役で出演した時のことなんですが、本番までに役作りのために自分で単語帳を作って覚えたりしていたんですね。そういった役に近づくための下準備というのは、TSALでは自然にやっていることで、撮影レッスンなどで事前に役を与えられたら、その人間像をイメージした服などを何も言われずとも用意してくるものなんです。ところが本番でCMのスタッフさんに“単語帳を作ってきたんです”と言ったら、“そこまでする新人もめったにいないよ”とすごく褒められて。TSALでやってることって実はぜんぜん当たり前じゃない、役者として一段高い意識が自然と養われているんだなと感じました」

――TSALでの忘れられないエピソードがあったら教えて下さい。

「参加して1年目にTSAL制作の舞台に出た時に、人生で初めて悔し泣きというものを経験しました。できない自分への悔しさもあったけど、何よりみんなの足を引っ張ってることが悔しくてたまらなくて……。そんな不甲斐ない自分の話を、講師もスタッフも仲間たちも心の底から聞いてくれたんです。その時に、ああ、役者って自分のためだけに頑張るものじゃない、一緒に作品に向かってる仲間たちのためにも頑張るものなんだと思ったし、みんなの眼差しもあって、余計に涙が止まらなくなってました(照笑)」

――TSALの仲間たちはどんな人たちですか?

「役者として以上に、人間として尊敬できる先輩や講師がたくさんいます。ただ自分としては、ただ尊敬しているだけでなく、早くその人たちを越えたいと思っています。あとものすごい知識量の映画オタクが多いですね(笑)。昨年、ポカリスエットの広告が決まった時も“この映画を参考に役作りするといいよ”と教えてくれた先輩もいて、めちゃくちゃ心強いんですけど、ただ“すげえ”って思ってるだけじゃなくて、自分も勉強しなくちゃって刺激になってますね」

〜格闘家の道を挫折、芝居の道に生きがい〜

  • 有馬健太
  • 有馬健太

有馬健太

ありまけんた●1989年2月7日生まれ。東京都出身。映画『のぼうの城』 、『クローズEXPLODE』五島劣闘 矢島役、映画『新宿スワン』ケン役ほか、舞台もTSAL公演、外部公演など多数出演。ジョージア「この国を支える人々篇」CMにも出演。

「役者である以前に、人間として育ててくれるところです」

――TSALに参加するまでの経歴について教えてください。

「格闘技で上京するために資金を貯めていた矢先に、ヘルニアでドクターストップに。それが16、17の頃だったんですが、それまで格闘技ばっかりでまったく勉強もやってなかったから、他に何もできねえなと一時期はかなり腐ってたんです。そんな時に力をくれた映画『アメリカンヒストリーX』が、役者を志す直接のきっかけになりました」

――演技を学ぶ所は数ある中で、TSALを選んだ決め手は?

「俺はTSALの1期生なんですが、実は『デ☆ビュー』さんの『冬の特別オーディション』でトライストーン・エンタテイメントを受けて一度落ちてるんです。そんな時にTSALができることを知って、正直、養成所というものにはあまりいいイメージがなかったけど、話だけは聞いてやろうと思って行ったんですね。そうしたら変な話、ぜんぜんビジネスっぽくなかったっていうか、もちろんビジネスではあるんだけど、それ以上にスタッフさんたちの“いい役者を世に出す”という熱がすごくて、ここだったら騙されてもいいや(笑)、くらいの気持ちになったんです。入ってみたら、騙されるどころか、こりゃスゲぇと」

――有馬さんは『新宿スワン』などメジャーな映画の現場も数々経験されていますが、TSALでの経験は現場でどう活きていますか?

「つい先日まで、以前出演させてもらったトライストーン製作の映画の続編にまたキャストで呼んでもらったんです。しかも前よりも長いセリフをいただいてたこともあって、事前にかなりいろんなアプローチを考えて臨んだんですが、現場に立ったとたん、それが全部吹き飛んだんですよ(苦笑)。そこをなんとか持ち直せたのは、ここで徹底的に即興をやってきたことも底力になったと思うし、何より俺は1期生でもあるんで、TSALのメンバーとしてみっともない事はできないという思いが大きなモチベーションになりましたね」

――1期生の有馬さんから見て、TSALとはどんなところですか?

「役者である以前に、人間として育ててくれるところです。そもそも人間として成長しなければ、いい役者にはなれないってことは、現場に出ると余計にわかるんですよ。それとここはアクティングラボ=芝居の研究所というだけあって、スタッフも講師も受講生も芝居バカしかいない。だからこそ心からぶつかり合えるし、わかり合える。役者を志す人間であれば、一生付き合える仲間に出会える場所でもあると思います」

トライストーン・アクティングラボ  レッスン生インタビュー(2016年夏)

取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎

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