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2018/06/29 23:03
アップアップガールズ(プロレス)、東京女子プロレスのトップレスラーに全力で挑む
東京女子プロレスとアップアップガールズ(仮)、妹分のアップアップガールズ(プロレス)がコラボした興行、『アップアップ東京女子(プロレス)(仮)〜全員一緒にアッパーキック!〜』が27日、新宿FACEで行われた。その中で、「挑み続けるぜ、FIGHTING GIRLS!〜4対4チャレンジマッチ」としてアプガ(プロレス)の4人が東京女子プロレスのトップレスラーに挑む4試合が行われた。
アップアップガールズ(プロレス)は、アイドルとプロレスの融合を目指して始動。歌、ダンス、フィジカルテストなど、2ヵ月半にわたったオーディションを勝ち抜いた4人、ヒカリ、ヒナノ、ミウ、ラクで結成。来年1月4日の東京女子プロレス後楽園大会のリングで試合デビューを果たし、アイドル活動、プロレスの試合の両輪で活動してきた。今回は4人全員が同じ大会で、先輩レスラーたちとシングルマッチを戦うことで、アイドル、プロレス双方のファンから注目されていた。
「挑み続けるぜ、FIGHTING GIRLS!〜4対4チャレンジマッチ」第1試合は、 辰巳リカ対ラク。DDTの高木三四郎大社長が「4人の中で一番成長した」と語るラクは、序盤からアイドルチックな「おやすみエクスプレス」を発車し、おやすみフォールの体制まで持ち込む。辰巳の「よっしゃいくぞエルボー」もかわし有利に進めるが、エルボーの打ち合いでは自力の差が。しかし諦めずに挑みかかるラクに声援が上がる。ラクは手足の長さを活かしコーナーからの脳天唐竹割りを見せるも、ドラゴンスクリューでつかまり、最後は足4の字固めで7分42秒ギブアップ負けとなった。
第2試合は坂崎ユカ対ヒナノ。シングルマッチは初体験のヒナノは、サンボと柔道という格闘技経験で磨いたスピーディーな展開で翻弄。ウソ泣きからのだまし討ちなどインサイドワークも巧みに攻め立てる。エプロンからのダイビングエルボーなど見せ場を作るが、坂崎のスライディング・ラリアットからのマジカル魔法少女スプラッシュで3カウントを聞くことに。最後はアプガ(プロレス)のコーチ役でもある坂崎が、ヒナノをおぶって退場して行った。
第3試合は、中島翔子対ヒカリ。元々プロレスが大好きでアプガ(プロレス)を志望したヒカリは、中島のコール中に奇襲をかける。たまらず場外に逃避し立て直した中島は首4の字、タランチュラ式での無人在来線固めなど、経験の差を見せる。ヒカリもドロップキックからのコブラツイスト、グラウンドコブラと技のつなぎにセンスを感じさせる。しかし中島が619から、フィニッシュ技、ノーザンライト・スープレックス・ホールドまで繰り出すと、それを返す力は残っていなかった。
メインイベントの第4試合は、東京女子プロレス最高のベルト「TOKYOプリンセス・オブ・プリンセス」を保持する山下実優対ミウ。ミウは開始早々、絶叫しながら山下をコーナーポストにくぎ付けにしてエルボーの連打を打ち込んでいく。フィジカルに優れたミウの攻撃も、現チャンプは堂々受けきり、多彩で重い蹴り技、変型キャメルクラッチで追い込んでいく。ボディスラム、エルボーなどで全力の攻めを見せ、ダウンも奪うミウ。しかしコブラクラッチなどで体力を削られ、容赦ない打撃を浴びせられたミウは、アティテュード・アジャストメントを決められマットに沈んだ。
全敗という現実を突きつけられたものの、全力で挑み続ける姿を見せつけた4人。最後にマイクを取ったミウは「私たちは、アイドルとプロレスの活動を練習生から始めて、もうすぐ1年が経ちます。『二兎を追う者は一兎をも得ず』みたいに思われるかもしれません! でも私たちはアイドルもプロレスも本気でやっています! 全力っていう言葉に嘘はないです! これからも挑み続けるので、応援よろしくお願いします!」と訴え、次なる戦いに強い意志を見せた。
■試合後のコメント
●ラク
「3回目のシングルだったんですけど、プロレスに対する気持ちがいい意味で積みあがりました。人生のなかで大きな一日にすることが出来たって思うのと、リングに上がった瞬間にアプガ(仮)姉さんが昔からずっと好きだったことを思い出して、私がリングで闘っている姿を(仮)姉さんにこんなに近くて見てもらえることに…すごい嬉しくなって、リングに立った瞬間に泣きそうになりました。絶対に負けたくなかったし、弱いところを見せたくなかったので、強い気持ちを見せました。楽しかったし、強い気持ちを見せられました」
●ヒカリ
「アイドルでもあるんですけど、やっぱりプロレスが大好きで。ここまでずっとプロレスに関しては手を抜いたことは一切なかったつもりで生きてて。抽選会の時に中島さんに、『怖くない』とか、『遊びの気持ちで試合をする』っていう言葉をもらって、すごい悔しかったし。今まで自分が真剣に取り組んでいたものは、自分のなかで納得してただけのつもりなのかなって思って、抽選会のときから、今まで以上にプロレスのことをもっともっと考えるようになりました。先輩の技って、一つ一つが重くて痛くて、今まではその技を一つ一つ受けるのが怖いという気持ちがあったんですけど、その言葉を聞いてから、やられたらその倍の技でやり返してやろうっていう気持ちが大きくて。ぶっちゃけ今日は、中島さんのことは一切怖いと思わなかったです。まだまだ先輩方にその気持ちが伝わってないのかなって、今回改めて思ったので、プロレスに関して、もっともっと今以上に真剣に取り組みたい。相手が先輩だからということで自分の負けを認めたくなくて、デビューから1年で東京女子のトップに立ちたいと思っているし、中島さんは越えたいなって思っています」
●ヒナノ
「私は今回がメンバーのなかで唯一、初めてのシングルマッチで。自分はみんなよりプロレスのセンスは無いと思われてるんだろうなとか、すごく弱気になっていたんです。でも今回シングルマッチを組んでいただいて、すごく感謝していて、絶対今日で、このグループの中でも、東京女子の中でも必要な存在になりたい、絶対今日で変わってやるって思って、試合に挑みました。坂崎さんは強くて負けてしまったんですけど、絶対にいつかは越えたい壁なので、絶対に成長していきたいと思います」
●ミウ
「私はアイドルになる前から『全力』っていう言葉が大好きで。今回の試合の前に『あの子たちは甘えてる』とか『全力ではない』って言われたことがすごく悔しくて。必死に活動してきた自分の1年間はなんだったんだろうって、改めて考える機会になりました。いまだに『アプガ(プロレス)って何?』っていう声がSNS上でものすごく多くて、『アイドルって何でもありだよね』っていう形で見られがちなんですけど、でもそうは見られたくなくて。アイドルもプロレスもどっちも全力と言うのを認めてもらえるように頑張っていきたいと思いました。やっぱり山下さんは強くて、客観的に見て『アプガプロレスじゃ無理だろう』って、みんな思っていたと思うんですけど、私も全力って気持ちだけは絶対に勝ちに行こうって思って。観てくれている人が少しでも『アプガプロレスは全力なんだな』って思ってくれたら嬉しいし、次に山下さんと戦う時には、ベルトを懸けた戦いができるように、いろんなことに全力で取り組んでいきたいと思っています」
●中島翔子
「ヒカリと試合をして、自分が忘れていた無鉄砲さと勢いがあって、初心を思い出しました。まだ抜かれる気はないです」
●辰巳リカ
「普段フワフワおっとりしているラクと対峙して、技にも影響があるぐらい気持ちが前のめりでした。全試合見たんですけど、今日はやっとプロレスだなって思える試合だったけど、これで満足したらそれまで。これからも仲間として一緒に盛り上げていきたい」
●坂崎ユカ
「ヒナノに関しては、もっとやれるんですけどね〜。何事においても『楽しむ』ということは日常的にやっていることが重要。プロレスを『楽しむ』ということは、普段それ相応の代償を払わなくては得られないもの。でも妹分なんでほっとけないので、楽しめるようにしてあげようかなって思います」
●山下美優
「ミウが、ツイッターで言葉で訴えてくる間は『言うだけだろうな』って思ってましたけど、試合をしてみて、『負けたくない』という気持ちと、『自分たちはこんなに頑張ってるのに、その気持ちが伝わってほしい』というのをミウから感じて、楽しかったですし、今日はひとまずいい姿を見せられたんじゃないかと思う。プロレスにはゴールはないんで、それはアイドルも一緒だと思うんですけど。これからももっともっと、私以外の選手もいっぱいいますし、どんどん経験してもらって。私ももっともっと大きい存在であり続けられるように、東京女子プロレスとアプガファミリーで一緒に盛り上がっていけたらいいと思います」