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2017/07/04 18:56
人力車の俥夫ユニット「東京力車」、パリ「Japan Expo」ロンドン「HYPER JAPAN」に出演 21歳の新メンバー・渡邉善央インタビュー
日本のみならず、海外からの観光客も多く来訪する東京・浅草で、人力車を引きながら観光案内をする“俥夫”。その現役俥夫で結成されたユニット“東京力車”が、7月6日から9日にフランス・パリ“Japan Expo”、7月14日から16日にイギリス・ロンドン“HYPER JAPAN”でライブ出演を果たす。日本文化を世界に発信するイベントに向けて海を越える人力車と俥夫。“東京力車”に新たなメンバーとして加わった21歳の若武者・渡邉善央(わたなべ・ぜお)に話を聞いた。
2017年1月に開催された『東京力車メンバーオーディション』。日本全国からエンタテインメント活動を志す、俳優・スポーツ選手・お笑い芸人などから多数応募があった中、高野剛志、玉置雄也、石橋拓也の3人が新プロジェクトメンバーとして選ばれた。その後行なわれた「追加メンバーオーディション」で、4月新たに加入したのが渡邉善央だ。
■渡邉善央インタビュー
――4月1日から研修生として東京力車に参加して約3ヵ月。現在の生活サイクルは?
「フランスとイギリスでのデビューライブに向けての稽古に加えて、ダンスレッスン、ボイストレーニング、アクロバットのレッスンをしています。そのほかにメンバー4人で自主練したりするので、いつも家に帰り着くのは夜の12時ぐらい。朝は7時に起きて浅草に出勤して、夕方からレッスンで…一日中休みは無いです。出勤やレッスンが無い日は自主トレで。家やカラオケボックスで歌ったり。GACKTさん流の筋トレをネットで観て真似してやっています。これまでの学生の生活とはまったく違って、充実しています」
――俳優志望ということですが、芸能活動の経験は?
「普通の大学生で、全くゼロの状態からここに入って来ました。高校までは野球部で、甲子園を目指していましたが、正直な話、高校野球は上を見れば果てしないので、だんだんと現実が見えてきて。以前からドラマを観て、俳優さんの台詞を真似して覚えたりするのが楽しかったので、俳優をやってみたいなっていうのはどこかにあったと思うんですが、これまで行動を起こしたことはなくて。でも、本気で目指そうと思ったタイミングで、このオーディションを受けました」
――「東京力車」のオーディションを受けたのは?
「このオーディションは友達が勧めてくれたんですが、東京力車は芸能活動を目指すと同時に“俥夫”という仕事も出来るし、元々体力には自信があったので、ちょうどいいと思いました。とにかく新しいものに挑戦したくて、人生を変えたかったんですね。ずーっとボーっと生きてきたので(笑)。どうせなら、やってみたいことをやるのが一番かなって思ったんです」
――オーディションを受けたのは初めて?
「そんな経験はなかったので、すごく緊張しました。心臓バクバクで! 審査では、歌と特技と、自己紹介で自分の夢を語りました。特技披露ではプロ野球選手のモノマネをしたんですけど、全然ウケなくて。多分、皆さんが知らな過ぎたのかもしれないです(笑)。自分的にはメジャーな選手だと思ってたんですけど…ダメでした」
――それでも見事に合格。先に3人がメンバーとして決まっていたところに、新メンバーとして合流する形になりました。
「会う前は“どういう人なんだろう”“仲良く出来るかな”って緊張していたんですが、意外と“スッ”と入れました。皆さん気持ちのいい方々で、今のユニットの空気は最高だと思います。ライブ直前なので、一致団結して、士気を高めあっています。お互いの良いところも悪いところもちゃんと指摘し合えるようになっています」
――仏「Japan Expo」英「HYPER JAPAN」という目標が出来たことが大きいんですかね?
「最初は、パリ、ロンドンって実感が湧かなくて。時間が迫ってくるにつれて、あと少しなんだなっていう緊張感がハンパないです。公式YOUTUBEの番組でライブが発表されたとき、全然リアクションが取れなかったんですが、それはどのくらいの規模で、どのくらいの人が集まるのかが全くイメージ出来なかったからで。最近やっと実感が湧いてきました。これが自分たち東京力車の初ライブ、本当に恵まれています」
――浅草でも、海外からのお客様と触れ合う機会が多いと思いますが?
「海外からのお客様には、こういう恰好や、海外にはない形の乗り物が本当にウケがいいというのを感じているので、パリ、ロンドンでも日本の伝統や、浅草の街のことなど、いいところを全部伝えていきたいです。浅草でも急に写真を撮ってくださったりして、ビックリしますね。“ワオ! ハンサム!!”みたいに喜んでくれて(笑)。和のイメージが印象的なのかなって思います。自分はまだ浅草で仕事をして2ヵ月ぐらいですが、建物や景色のよさはもちろん、下町人情というか、人と人とのつながりが馴染みやすいです」
――俥夫の仕事で大変なことはありますか?
「いろんなお店や建物やお寺を一個ずつ覚えて、いろんなことをインプットしていくのが大変です。歴史とも繋がって来ますし、大学受験以来ですね、こんなに頭を使ったの(笑)。車を引くことより、座学のほうが僕にとっては大変かなって。あと、英語を頑張らないと。どうしても聴き返してしまうので。自分から発信するのはジェスチャーや単語でもなんとかなるので、聴きとる力をつけないといけないと思っています」
――そういえば、YOUTUBEチャンネルで、メンバーが滝行に挑戦していましたね。
「滝行って、それまでテレビとかでしか見たことが無かったので、正直“これのどこがすごいんだろう?”って思ってたんです。でもいざやってみると、石が降ってくるような感覚で、呼吸がしにくくなるぐらい威力があって。それでもそんなに高くない滝でしたから、本当に高い滝はヤバいんだなって。滝行ナメてました。体験してみたらスッキリしたというか、何かが落ちたという感じで、原点に戻れた感じがしました。日本の精神性みたいなものを、海外に行く前に経験できたことはデカイと思います」
――ふんどしもお気に召したようで(笑)。
「ふんどしは気に入りました(笑)。キュッと締まって食い込む感じが男らしくて。日本文化として海外にふんどしを広めていきたいです。東京力車専用のグッズでも作りますか?(笑)。ふんどしもその一部ですが、自分たち自身が日本の文化や伝統を知って、体験しないといけないと思いました。日本文化の伝道師にならなくては」
――パリ、ロンドンでのライブではどんなことを期待していますか?
「とにかくライブを成功させて、お客さんに何かが響いてくれたらいいなと。向こうでも車を引くことになると思うんですが、やっぱりお客様に笑顔をいただけるのが一番嬉しいですね。笑顔は万国共通なんです」
――最後に将来の夢を教えていただけますか。
「最終的には俳優志望なので、演技についてももっと深く入っていきたいし、舞台や映像に出てみたいと思っています。山田孝之さんの様にどんな役でも演じられる役者さんが目標です。僕はベテランの役者さんが好きで、阿部寛さん、堤真一さん、香川照之さんのように、シリアスからコメディまで演じられる方々がすごく好きです。自分はまだ全然経験はないんですが、人力車を海外で引いたことのある俳優さんはあまりいないと思うので、どんな経験でも武器にできたらと思っています」
■渡邉善央(わたなべ・ぜお)
1995年11月20日生まれ、埼玉県出身。2017年「東京力車追加メンバーオーディション」に合格してメンバーに。趣味は野球および野球観戦。