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2017/04/22 07:01
新演出版『アニー』がいよいよ開幕 筋肉自慢の青柳塁斗が演じるルースターはアクロバティックに!?
本日4月22日より開幕する丸美屋食品ミュージカル『アニー』。同作で、アニーが暮らす孤児院の院長、ミス・ハニガンの弟であり、悪だくみを計画するルースターを演じるのは、舞台『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、『BIOHAZARD THE Experience』などで活躍する若手俳優・青柳塁斗。ダンスやアクロバットを得意とし、先日発売された『Tarzan』では見事な肉体美を披露した青柳に、本番を目前に控えた今の心境を語ってもらった。
1986年、日本テレビ主催で日本での上演がスタートした『アニー』は、これまでに全国で167万人もの観客に感動を与え続けてきた国民的ミュージカル。32年目となる今回から、ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール』『天使にラブ・ソングを〜シスター・アクト〜』などを手がけた山田和也氏が演出を担当し、翻訳台本、振付、舞台美術、衣装なども一新され、新演出版の『アニー』が始動する。
物語の舞台は、1933年、世界大恐慌直後のニューヨーク。誰もが希望を失うなか、いつか本当の両親が迎えに来ると信じている孤児・アニーが、逆境にひるむことなく、希望を持って前向きに生きていく姿を描いた心温まるストーリー。
【ミュージカル『アニー』青柳塁斗インタビュー】
――まずは、本番直前の今の想いを聞かせてください。
「僕、初日が大好きなんです。もちろん、緊張もしますが、初日、舞台に立って、その後のカーテンコールの空気感がすごく好きなので、今はそれが楽しみです。不安とかは正直ありません。あとは新鮮にお芝居をすること。約1ヵ月間稽古をやってきましたが、本番ではお客様の反応もあるので、それを楽しみながらやれるのが嬉しいですし、楽しみです」
――『アニー』への出演が決まったときの率直な感想は?
「まさか、きたか……という感じで、製作発表の会見まで実感がなかったんです。製作発表の会場に行って、キャストの方々が揃っているのを見たときに、“自分は今スゴイ場にいるんだな”と感じて。その後、稽古が進んでいくなかで、徐々にその感覚が強くなっていきました」
――演じられるルースターはどんな風に役作りを?
「ルースターは、悪いことをするし、ずる賢いんです。でも、どこか憎めなくて愛されキャラでもある。単純に悪い役ということだけではなくて、いかにお客さんから可愛く見てもらえるかも大事だなと。ルースターの姉であるミス・ハニガンを演じるマルシアさんがすごくパワフルで、役柄的にはハニガンは“悪”が強い感じなので、そことはまた違ったバランスでの怖さを持ちつつ、愛されるようなキャラクターをやっていきたいなと思っていて。怖いだけではなく、ちょっと抜けた部分もある、お茶目なルースターになっていると思います」
――製作会見で、アクロバティックなこともやりたいと話されていましたよね。そういう面でも、今までにないルースターが出来上がるのかなと。
「そうですね。今までにない感じだと思います。“まさかこんなに動くとは!?”みたいな。映画版の『アニー』は見ていたのですが、ミュージカル版の『アニー』を観たことがなかったので、いい意味で新しいキャラクターとして自由にできるというか、これまでのルースターを真似するとかではなく、のびのびとやらせてもらえました。だからこそ、自分らしさという部分で、アクロバットを入れたいなと思って、稽古で何も言わずにアクロバットを入れてみたら、『あ、いいね。それやろうよ』という話になって、取り入れてもらいました」
――16年ぶりにリニューアルされて、新演出版となった本作ならではの見どころとはどんなところでしょうか?
「セットや衣装などが一新されたものそうですが、テンポ感が今までのものとは違うと思います。いろいろとブラッシュアップをして、休憩含めて2時間半くらいになっているので、観ていて時間があっという間に過ぎるという感じだと思います。ほかのキャストのシーンは、お芝居で間を使っていたりするんですが、ルースターと恋人のリリーが出てくるシーンは、特にテンポ感を重視していて、僕らのシーンは何かが展開していくという、遊びゴコロもあります」
――今回のアニー役に抜擢された野村里桜ちゃんと会百花ちゃん、お二人の印象は?
「二人ともタイプが全然違っていて、それぞれの良さがある。里桜ちゃんはすごくパワフルなアニーだし、百花ちゃんのほうは、すごく繊細で可愛らしいアニーになっていて。歌に関しては、二人とも本当にすごいんです! 聞き入ってしまいますし、大人はキャストみんな、稽古中に目を潤ませながら見ていました」
――稽古を見ていて思わず涙してしまうと。
「そうなんです。僕は本読みのときに、最初の歌を聴いた瞬間、ジーンときました。改めて、“自分はすごい現場に参加できているんだ”と実感しましたし、子供たちのそういう力があるからこそ、『アニー』は32年という長い間、ずっと愛され続けているんだなって思いました」
――アニー役のお二人をはじめ、総勢30名のキッズを含めたカンパニーの雰囲気はいかがですか?
「子供たちはすごく元気です。いい意味で、仕事っていう感覚でやっていない。そういう新鮮な感覚を久々に思い出させてもらったし、遊びではないけど、“楽しむ”という姿勢を見ていて勉強にもなりました。みんな本当にすごいんです、稽古での伸び方が。ダメ出しで難しいことを言われても、次の日にはちょっとずつ自分なりに噛み砕いて理解していて。そういうのを見ていると、こっちも頑張らないとなって身が引き締まります。もちろん、負けられないし、負けてはいけないし、大人キャストとして引っ張っていかないといけないので」
――11歳の少女・アニーが逆境の中、めげずに前を向いて歩いていく物語ですが、青柳さん自身はどんな少年でしたか?
「北海道のアクターズスタジオで朝から晩まで踊っていましたね。休みの日には、朝10時くらいから夜8時くらいまで、レッスンをずっと受け続けていたっていう感じでした。ダンスは小4の頃に始めて、そこから体を動かすことが好きになって、ダンスにハマっていったんです。運動会で、ちょっと目立つことやりたくて少し踊ったり、学芸会でも自分で振り付けを考えて踊ったりしていました」
――アクターズスタジオで踊っていたことが、芸能界デビューへと繋がったんですよね。
「はい。今の事務所の方に声をかけていただいて。当時は、歌って踊るアーティストみたいなことをやりたいと思っていました。あと、北海道の田舎に住んでいたこともあって、東京に行けば、芸能人になれるって思っていたんです(笑)。東京に対してすごく憧れがあって。それで同期の平間壮一と一緒に上京したんですが、そのときは、とにかく東京でテレビに出ている姿を北海道のみんなに観てもらいたいっていうのが、スタートでした」
――これまでの役者人生を振り返って、特に転機になったと思う作品は?
「舞台『FROGS』(岸谷五朗が演出し、アミューズの若手俳優が出演した青春DANCEアクト)で、舞台でお芝居して、歌って踊るということの楽しさと難しさを教わりました。岸谷さんに演出をつけていただいたことも大きかったですし、同世代のメンバーと一緒にやって、最初は小さな劇場だったのが、どんどん大きな会場になって、地方公演にも繋がっていった舞台ですし、すごく勉強になった舞台でした」
――では、最後に『Deview』読者へ向けて『アニー』のアピールを!
「『アニー』は、一人一人の個性ももちろんあるんですが、キャスト、アンサンブル、ダンスキッズ、全体で作っている作品です。みんなで1つ1つパスして繋いでいって、最後のフィナーレでシュートを決める感じ。全体での群舞というか、みんなで作り上げていくというのがこのミュージカルの魅力でもあるなと思っています。笑いもあって、泣けるシーンもある。犬のサンディーもきちんとお芝居しているし、子供たちの表情や空気感などをぜひ感じてもらえたらと思います。映像では伝わらない、生ものとしての舞台の空気感を劇場で体感してみてください!」
丸美屋食品ミュージカル『アニー』は、4月22日(土)〜5月8日(月)まで新国立劇場 中劇場にて上演。その後、大阪、仙台、名古屋、上田にて地方公演が行われる。
【Profile】
青柳塁斗(あおやぎ・るいと)●1990年3月29日生まれ、北海道出身。アミューズ所属。2000年にミュージカル『テニスの王子様』The Imperial Match 氷帝学園に、向日岳役で出演し、初代・氷帝として話題を集める。ダンスやアクロバットに定評があり、数多くの舞台に出演。近年の主な出演作品は、地球ゴージャスプロデュース公演 Vol.12『怪盗セブン』、舞台版『こちら葛飾区亀有公園前派出所』、舞台『BIOHAZARD THE Experience』など。