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2017/02/07 18:20

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映画『サバイバルファミリー』出演・葵わかなインタビュー「当たり前にあるものに、ちゃんと感謝をしないといけませんね」

2月11日公開の映画『サバイバルファミリー』に出演する葵わかな(C)Deview
2月11日公開の映画『サバイバルファミリー』に出演する葵わかな(C)Deview

 『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』で知られる矢口史靖監督の最新作『サバイバルファミリー』が2月11日より全国東宝系にてロードショー公開される。ある朝突然、電気を使うものがすべて使用不能になった世界。4人家族の鈴木家が東京を脱出し、様々な人に出会いながら過酷なサバイバルの旅を続ける姿を描く。同作で鈴木家の長女・結衣役を演じる女優・葵わかなに、映画の撮影現場、演じた役柄、作品のみどころについて話を聞いた。

■葵わかなインタビュー

――矢口監督の作品といえば、もう少しコメディ要素が強いのかと思ったら、もちろん笑えるところもありつつ意外とシリアスで、テーマ的にもいろいろ考えさせられる作品でした。葵さん自身が完成した作品を見た最初の感想は?

「初めて挑戦するタイプの役柄だったので、ちゃんと矢口監督の作品ならではの独特の世界観に馴染めてるかなぁっていう不安もあったり、ワンシーンワンシーンが凄く濃かったので、それが繋がったときにどうなるのかなぁって思いながら観たんですけど。すごい、走り抜けた! みたいな感じの映画でしたよね。落ち着いて観るより、心をセカセカしながら観てもらえる映画になっているんじゃないかなと思います」

――ハリウッド大作で、すごいシーンがあっても「どうせCGでしょ?」って冷静になってしまうことも多いんですけど、この作品は、電気がなくなった世界もほとんどロケ撮影で、俳優も体当たりで撮影しているリアルさを全編に感じました。

「CGやスタントの方にあまり頼らず、川に実際に入ったり、豚を追いかけたり。台本で文字で読んでいた時、大変なんだろうなとは思っていたんですけど、やってみると本当に大変だったという(笑)。川には入るって決まっていたので、寒さにも心積もりができていて意外と平気だったんですけど、豚を追いかけるシーンをはじめ、何かと走るシーンが多くて、毎日筋肉痛になっていました。部活モノとかでもないのに、撮影でこんなに筋肉痛になることってなかなかないので。本当にサバイバルっていう感じがしました」

――文字通り『サバイバルファミリー』になったんですね。

「ずーっと家族4人で撮影が一緒だったので、深津(絵里)さん、小日向(文世)さん、泉澤(祐希)くんと本当に団結力が生まれました。みんなで行き帰り同じ車に乗って話したり、一緒に雨に濡れてお弁当を食べたりとか、そういうことを積み重ねて本当に仲良くなれました」

――演じた結衣はどんな女の子ですか?

「見た目はギャルで、つけまつげ命だったりと、極端なキャラかと思いつつ、意外と普通な女の子だと思います。例えば“携帯がなかったら生きていけない”っていうのは、同世代の子なら“そうだよな”って思うだろうし。特に私たちの年代が共感しやすいキャラは結衣なのかなって思います」

――もし電気が無かったら葵さんが一番困ることは?

「えぇー。やっぱり絶対携帯が一番困ると思うんです。地図が見れなくて迷子になっちゃ困るし、いろんな人に連絡もとれないし。たまに家に携帯を忘れて出かけたりすると“そうだ電車調べよう!”とか“連絡しなきゃ”とか“今日の予定どうなってたっけ?”っていうのも全部携帯に入ってるから…“はっ!!無いんだっ!”…ってなって凄く不安になるし。そういうのを『現代病』と言うのかと(笑)。電車とか、当たり前に使っているものって全部、時間をかけて人間が発明してきたものだけど、そういうものが無い時代も、原始人は生きていけたわけで…。でも今その生活をしろと言われたら、映画と同じように何もできないだろうなぁって。考えるとコワイですよね。現実には絶対に起きないで欲しい!」

――もし現実に起こったら、自分はどうなっちゃうと思いますか?

「結衣ちゃんは虫や自然がそんなに好きじゃないタイプですけど、私は虫も結構平気だし、田舎や自然が多いところも好きなので、自転車では行きたくないですけど、結衣ちゃんよりは楽しめると思います。サバイバル生活も何日かだったら楽しめるかな〜」

――この作品を経験して、備えておこうと思ったことは?

「まずは、ちゃんと自転車の点検をしておくことですよね(笑)。あとは非常食も用意しておかなきゃなって。スーパーの商品がすぐに尽きてしまうところや、レジもそろばんで計算するから行列ができるとか、本当にリアルに描かれていて。鈴木家は10階に住んでいるんですが、お母さんが買い物に出たとき“お財布忘れた!”って言って全部階段で上らなきゃいけないとか、リアルに感じられて。やっぱり体力もつけなきゃですね、生き残るために」

――高速道路を自転車で走ったり、絶対に普段出来ないことを映画で疑似体験した感想は?

「高速道路はだだっ広くて、人がたくさんいて、走ってると段々高速道路に見えなくなってくるんです。車だとビューンって行っちゃうところを、自転車でノロノロ行くから、凄く大きいアスレチックみたいで面白かったです。お店や道がゴミで溢れていたりするのを見ると、ちゃんと片付けてくれている人がいるんだなって。ゴーストタウンのようで異様な光景だったんですけど、現代では絶対にないことが目の前で起こっていて、ちょっとワクワクしました」

――実際にそういう空間がロケで用意されることで、演じる上で入り込みやすかったのでは?

「現実感が増しましたよね。こういう状況になったこともないし、なるとも考えたことが無いから、台本を読んでも文字だけじゃ想像が追いつかなくて。実際にそういう現場に行って目の当たりにすると“こういうことか!”って説得力がありました。撮影中も現場の雰囲気に飲まれて、揉まれて演じた感じはあります。ずっと乗っていた自転車にも愛着が湧きました。リアルな街の情景も観て欲しいんですが、どんどんボロボロになっていく私たちの様もぜひ(笑)。最初結衣は髪を染めてるんですけど、段々と黒い部分が増えていたり。ネイルも段々剥げていってるんですよね。手元はあまり見えないかも知れないんですが、細かいところまでこだわってくださったんです」

――これまでの女優のキャリアのなかでも一番汚れた役では?

「そうですね。写真はほぼ全部汚いですもんね(笑)。本当にキレイだったのは最初だけでした。どんどん汚して、髪の毛もギトギトした感じになっていって。でもなんか楽しかったです。普通こんなに汚れられないので」

――撮影で地味に大変だった部分は?

「自転車のスピードを合わせるところです。4人で縦に並んで走るとき、小日向さんと泉澤くんが超速いんです。で、深津さんが乗っていた三輪の自転車があまりスピードが出ないし、私もそこまで速くは漕げなくて。間がどんどん開いていくから、監督から“割と速めに走って欲しい”って指示が出て、すっごい頑張って走ったから太腿が筋肉痛になりました。高速道路で坂になっているところも、自転車で速く走らなきゃいけなくて、やっぱり筋肉痛になりました(苦笑)」

――矢口組は初めてですよね。監督の演出や印象は?

「最初は怖い方なのかなって思ったんですけど(小声)、年上の方にこういうことを言うのはなんですけど、すごく可愛い方で(笑)。でもひょうひょうとすごく怖いことを言ってくるんです。泣く予定がなかったシーンで。“ここで結衣ちゃんが泣いちゃったりしてね…”って監督が言うので、“それぐらいの感動だったんですね”って言ったら、“いや、泣くんですよ”って、急に本当に泣くシーンになったり(笑)。何を考えているのか分からなくて、こちらがドキッとするようなこともおっしゃる方なんですが、すごく可愛らしくて優しい。作品自体、不思議な感じですけど、監督からその感じがにじみ出ていて、魅力に引き込まれる素敵な方だなって思いました。ご一緒できて、本当によかったなって思います」

――この作品に出演して、自分のなかで成長できたことはありますか?

「監督が持っている世界観に入り込むのが、最初はすごく難しくて。なかなか役と自分と作品とが馴染まなくて、どうしようって思っていたんですけど、ある瞬間に“カチッ”と来たときがあって、そこからはもう楽しかったですね。ムチャ振りに対しても“怖いな”とか“疲れる”とかいうより“やってみたら楽しいかも!”っていう、ちょっとポジティブな感じで、監督にノッていけたかなと思います。そこまでには時間がかかったし難しかったんですけど、ハマッてしまえば、とっても面白かったです」

――家族を演じた俳優さんからも刺激や影響を受けたと思います。

「小日向さんは気さくな方で、いろいろなお話をしてくださって、聞いてくださいました。家族4人でご飯に連れて行っていただくことも多くて、役柄はちょっとイヤなお父さんですけど、小日向さん自身はすごく優しくて面白い方でした。小日向さんが引っ張ってくださる感じだとしたら、深津さんは包んでくださる感じで、撮影の間も深津さんを見ると安心して、深津さんの本当にお母さんのような雰囲気に包まれていたなって思います。振り返ると4人は本当に家族だったなあって」

――自分自身の家族についても改めて考えました?

「学校での自分と家族に見せる自分って、普通違いますよね。今回、家族の話だったので、学校での結衣ちゃんと家族の前での結衣ちゃんの違いが出せればいいなって思っていました。学校では大人ぶっているかもしれないけど、家族の前ではすっごい子供で、口も悪いし、言いたいことをバンバン言ってる。それって何をやっても血が繋がった家族だから嫌われないという確証があるから、ということを監督から言われて。確かにそうだなって意識するようになりました。実生活でも、こんなに言いたいことを言っても嫌わないでいてくれる人、家族しかいないなって思うんです」

――この映画も、そういう大切なことを気付かせてくれる作品です。

「こういう状況にならなくても、当たり前に周りにあるものに、ちゃんと感謝をしないといけないなと思いましたけど、実践するのは難しいですね(笑)。胸の内で感謝をしています。私自身が感じたことを、この映画を観た方にも感じてもらえたらいいですね。わざわざ“いつもありがとう”なんて言わなくてもいいですけど、そういう意識があるのとないのとでは、天と地ほどの差があると思います」

――葵さん自身は今年、大学に進学して新しい生活が始まりますが、意気込みを聞かせてください。

「今年19歳で、まさか自分が“10代最後の年”なんて言う日が来るなんて思いませんでしたけど(笑)。今年は大人になる準備ができる最後のチャンスだと思うし、この1年をどう頑張るか、何を見て、何に刺激を受けるかで自分の大人像が大きく変わると思うんです。早く大人になりたいという気持ちは抑えつつ、この1年焦らず辛抱強く頑張って、素敵な大人を夢見て、ちゃんと10代に別れを告げる準備をしていきたいと思います」

『サバイバルファミリー』は2月11日より全国東宝系にてロードショー公開。

関連写真

  • 2月11日公開の映画『サバイバルファミリー』に出演する葵わかな(C)Deview

  • 2月11日公開の映画『サバイバルファミリー』に出演する葵わかな(C)Deview

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  • 『サバイバルファミリー』より、葵わかな(C)2017フジテレビジョン 東宝 電通 アルタミラピクチャーズ

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