ニュース
2016/11/17 21:24
“声の祭典”第五回『声優魂』優秀賞は大阪と徳島の高校生
全国の高校生・中学生と、世界中の“声優”を目指す若者が集う“声の祭典”「第五回 国際声優コンテスト『声優魂』」が13日、ゲートシティ大崎ホールにて開催された。1200通のエントリーの中から、ファイナリスト23名(1名欠席)が最終審査に挑んだ。優秀賞には、大阪府出身の高校3年生・成田知史(なりた・さとし)さん、徳島県出身の高校2年生・福田純梨(ふくた・じゅんな)さんが選ばれた。
一般社団法人 国際声優育成協会が、声優プロダクション、アニメ製作会社、メディアなどの協力を得て、『声の祭典』として若い才能の応援を行うために開催している『声優魂』。今年は、書類選考を通過した全国の中高生と、東北大会、愛知大会、掛川大会、京都大会、鳥取大会、熊本大会の各地区大会代表、そして海外からのエントリー「インターナショナルカテゴリー」の代表を合わせた23名が最終審査のステージに上がった。
最終審査は、アニメ『この素晴らしい世界に祝福を!』の映像を使用し、ステージ上で4人一組のアフレコレッスン形式で行なう『アフレコ審査』、そしてボイスドラマの台本を3人一組で演じる『掛け合い台詞審査』という2つの実技審査を実施。現役の声優や音響監督(声の演出の責任者)、アニメプロデューサーらが審査を行なった。
最優秀賞はデビューで既報の通り群馬県出身の高校2年生・久住琳(くすみ・りん)さんが選ばれたが、それに続く優秀賞には、大阪府出身の高校3年生・成田知史(なりた・さとし)さん、徳島県出身の高校2年生・福田純梨(ふくた・じゅんな)さんの2人が選ばれた。
福田さんは「決勝大会出場が決まったときは嬉しくて、自分の全力を出そう!って思ったんですけど、全然上手くいかなくて…。同じ夢を持つ人たちが沢山いて、皆さんすごく上手だったので、自分がこのような賞をいただけるとは思わなかったので、呼ばれたときすごくテンパリました」と感想を語る。
しかし「本当にこういうのが初めてで、すごく楽しかったです!」と笑顔を見せ、「掛け合いのとき、同じグループになった子からいろいろアドバイスをいただけて、すごく参考になりました!『相手の声を聴こう』というのを意識してやりました」と刺激を受けたようだ。
声優を目指したきっかけは「小学校ぐらいのときに観ていた『コードギアス 反逆のルルーシュ』を、中学になって見直したときに“すごい!”って思いました。なかでも私はルルーシュが好きで、カッコいいなって」と振り返る。
そして「特別な言葉じゃなくても、日常の会話をリアルに見せられたり、声優さんの存在を忘れてしまうぐらいアニメに引き込まれるのが、本当にすごいなあって改めて思いました。自分もアニメを観ると感動するタイプなので、沢山の人を感動させられるような声優さんになりたいなって思いました」と目標を語った。
もう一人の優秀賞・成田さんは「ここに来て、皆さん演技がとても上手くて、ハッと気付かされることが沢山あって参考になりました。少しでも追いつこうと思っていた自分が受賞するとは思わなくて。申し訳なさのほうがすごいのと、やってきたことが受け入れられらことが嬉しいのとで、複雑な気持ちでした。でも賞をいただいたからには自信をもってやろうと思います」と受賞の感想を語る。
声優を目指したのは兄の影響が大きかったという。「小さい頃に兄がやっていたゲーム『メタルギアソリッド』でグレイ・フォックスとスネークというキャラクターが対面するシーンがものすごく渋いんですけど、当時はまったく意味が分からなくて。その後、小学中学と引きこもって学校に行けない時期があったんですが、そのときにフッと観返したらハマって。当時兄が声優を目指していたので、どんどん兄の影響でアニメにハマって行きました」。
そして転機が訪れる。「中学時代の先生の勧めで芸能系の専門クラスがある高等専修学校に進学しまして。恩師のアドバイスがなかったら、そういう学校にも行けていなかったので、全力でやろうと思いました。いろんな方から演技の基礎を学んで、成長の糧にして、“演技ってこんなに面白いものなんだ”って気付き始めて、のめり込みました」。
目標とする声優は2000年に亡くなった塩沢兼人さん。最初は物真似をしていたが、「個性は自分の内面からしか出てこない」と、今は自分の個性を磨いているところだ。「聞いていただいている方に、楽しい、面白い、もっと見たいっていう作品に携わっていきたい。この役ができるのはコイツしかいないなっていうものを一つずつ、探しているところです」と語った。