小栗旬、田中圭、綾野剛、坂口健太郎、木村文乃など、実力派俳優が多数所属するトライストーン・エンタテイメント直営の俳優養成/演技研究所『トライストーン・アクティングラボ(TSAL)』。ここで学ぶ受講生たちは、様々な境遇から、本気で芝居を学ぶために集った、熱い心を持った俳優・女優たち。それぞれがTSALと出会ったきっかけと、彼らの芝居にかける想いに迫った。
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〜22歳、関西の大学生が未経験からのスタート〜
福田妙子
ふくだたえこ●1991年8月20日生まれ。岡山県出身。サロンモデルとして「Voce」「inRed」「CanCam」などに多数出演。SEGAネイルプリイメージモデルも務める。入所後はTSAL舞台公演ほか、現在はファミリーマート「フラッペミルクティー篇」CMに出演中。舞台公演「7人の負け犬」8月25日〜28日 中目黒キンケロ・シアターの出演を控えている。
「『芝居』も『人間力』も高めていきたい」
――TSALに入るまでの経歴を教えて下さい。
「役者を目指して上京し、サロンやグラフィックのモデルをしながら事務所のオーディションを受けていました。ただそれまで芝居経験もなく、受け始めたのがすでに22歳と応募制限ギリギリだったので、ストレートに事務所に入るのは厳しいという現実に直面しましたね。ただ年齢はどうしようもなくても、力を付けることは今からでもできると気持ちを切り替えてTSALに入りました」
――演技を学ぶ所は数ある中で、TSALを選んだ決め手は?
「私は無料オープンクラスに参加したんですが、講師の方の教える熱量やそこに食らいついていく受講生さんたちの姿勢を見て、純粋にここで学びたいと思いました。とても内容の濃い4時間で、最初はこんな濃いところに未経験の自分が入って大丈夫だろうかとも不安にもなりましたが、改めてオープンクラスを振り返ってみると、実は役者にとって一番大切な基礎を丁寧にやっていてくれてただけだったんですよね。TSALに参加してからも、基礎は常にやっています」
――福田さんも現在CMに出演されていますが、TSALの経験は現場でどう活きましたか?
「私は3人の女友だち同士という設定のうちの一人で出演したんですが、ディレクターさんの“仲良く、楽しそうに”という指示だけで、特に台本はなかったんです。他の2人の子とは現場で初対面だったし、普通だったらすぐに友だちの雰囲気って出せないかったと思うんですよ。だけどここで学んだ芝居相手との関係性の作り方を思い出しながら、何テイクかの中でいろいろなアプローチやアイディアを持って挑戦できたのはよかったなと思ってます」
――未経験から入った福田さんにとって、TSALではどんなことが養えると思いますか?
「芝居の力はもちろんですが、何より役者にとって大事なのは人間力であるということを気づかせてくれる場所です。私もそうでしたが、特に女性は芸能界を目指すにあたって年齢の壁で悩むこともあると思います。だけど若さというのは一瞬だけど、人間力は一生もの。私はぜんぜん未熟ですが、TSALで吸収していることを私生活でも忘れず、芝居も人間力も高めていきたいと思っています」
取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎
〜事務所を辞めて、芝居を一から勉強〜
小野春花
おのはるか●1992年4月3日生まれ。静岡県出身。住友生命「1up」CM、静岡県労働金庫「カードローンR-ing」CM、ひかりTV「理系の人々」就活生役、東海汽船「納涼船」など。
「共に頑張る仲間がいてこそ成長できる」
――TSALに参加するまでの経歴について教えて下さい。
「以前、ある事務所に入っていて、そちらでも一応、お仕事やレッスンをさせてもらってたんです。だけど今いち手応えがないというと、本当に力が付いていると確信できなくて。やっぱり一番やりたいのは役者だったので、ちゃんと成長できるところに行きたいと思って、事務所を辞めました」
――演技を学ぶ所は数ある中で、TSALを選んだ決め手は?
「ちょうどここのレッスンを見学した直後に、TSAL受講生による舞台を観に行ったのが決め手になりました。純粋に舞台としてとても面白かったし、役者さんたちが本当に輝いていて。その頃、養成所を探していろいろ見学する中で迷っていたんですが、こんなに素敵な人たちを育ててるところなら信じられるなと思ったんです」
――すでにCMなどにも出演していますが、TSALでの経験は現場でどう生きていますか?
「静岡県労働金庫のCMにメインで出させていただいた時は、地元が静岡ということもあって家族や友だちもすごく喜んでくれてうれしかったです。ただレッスンでは、まだ克服できていない『声が上ずる』という自分の弱点を再確認させられた現場でもありました。もともと自身では声が低いほうだと思っていたんですが、講師の方から“声が上ずりがち”と指摘されて、初めて客観的に実際の声質に気付かされたんですよ。そこをなんとかお腹から声が出るように鍛えてきたんですが、完成したCMの音声を聞いてまだまだ頑張らないといけないと、気持ちを引き締め直しているところです。講師の方の指摘・指導は気づきの連続です」
――小野さんから見て、TSALにいる人たちの印象は?
「講師やスタッフの方は、とにかく人間を見ているなと思いますね。悩んだり行き詰まったりしていると、こちらが何も言わずとも声をかけてくれて、じっくり時間をかけて話を聞いてくれます。受講生は私みたいに前に多少の経験がある人もいれば、未経験で入ってくる人もいますが、何も経験のなかった人の殻が破けた瞬間にはみんなで喜び合うんですよ。それは“自分も負けてられない”って気持ちをもらえるからで、やっぱり共に頑張る仲間がいるって心強いものなんだなと感じますね」
取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎
〜フリーのアイドルが、女優としての居場所を見つけた〜
土山茜
つちやまあかね●1991年10月22日生まれ。福岡県出身。2012年日テレ汐留グラビア甲子園ファイナリスト、2014年フォトテクニックガールオーディショングランプリ、チバテレビ「応援美女子!」内短編ドラマ「学食戦争」織田信子役など。舞台多数出演。現在、ファミリーマート「冷やし中華」CMに出演中。
「ここほど一人一人に向き合ってくれるところはなかった」
――TSALに参加するまでの経歴を教えて下さい。
「昔から役者志望だったんですが、最初に飛び込んだのはグラビアの世界です。というのも役者は目指していたものの、ものすごい恥ずかしがり屋で、そんな自分を克服するために、まずは自分の一番恥ずかしい面をさらけ出すことにしたんです。それからは地下アイドル的な活動や小劇場への出演と、すべてフリーランスで活動してきたんですが、自己流でやっていくことに限界を感じたのと、映像分野にいきたいと思いTSALに入りました」
――演技を学ぶ所は数ある中で、TSALを選んだ決め手は?
「デビューで募集していた無料オープンクラスに参加したことがきっかけです。役者を目指すにあたってさまざまなワークショップなどを渡り歩いてきたんですが、ここほど講師の方が一人一人に向き合ってくれるところはなかったですね。“君はこういう芝居が得意そうだから、こういうことに挑戦してみたら?”といったアドバイスもいただけたりと、ここで学べば自分にしかできない芝居をつかめるかもしれないと感じました」
――土山さんはファミリーマートのCMに出演されていますが、TSALでの経験は現場でどう活きましたか?
「山の上で冷やし中華を食べるシーンの撮影だったんですが、その日はかなりの曇天で、一瞬の晴れ間を狙って撮るしかなかったんです。いわば瞬発力がすごく求められる撮影だったんですが、常に即その役になりきるというスキルをここで鍛えてきたおかげで、対応できたと思っています。待ち時間も長かったんですが、そのおかげで監督さんや共演の方とディスカッションできたのは良かったですね。TSALでも講師の方や受講生とのディスカッションをすごく大事にしているので、初めての現場にもすんなり溶け込むことができました」
――フリーでもさまざまな芸能経験をしてきた土山さんにとって、TSALはどんなことが養える場だと思いますか?
「実は今年の頭にNHK朝ドラヒロインのオーディションにTSALから出させていただいて、2次審査まで進んだんです。結果、落ちてしまったんですが、一緒に受けた中にはテレビなどでよく知っている女優さんもたくさんいて、そんな人たちと方を並べているだけでも大きな自信になりました。メジャーな作品に役付きで出ているTSALの先輩も多いので、私も続きたいと思っています」
取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎
〜演技を学ぶ学生から、本格的な芝居鍛錬の道へ〜
三浦健人
みうらけんと●1996年3月21日生まれ。東京都出身。東京俳優市場2014年冬『Human Android』白井役、SKY座『ちかい橋』一役などに出演。TSAL入所後には、大塚製薬ポカリスエット2015甲子園広告企画「応援する人の渇きにも」男性マネージャー篇、
TOMONY「企業広告」ほか、TSAL公演にも連続して出演。
「TSALで学んでいることは役者として意識が高い」
――TSALに参加したきっかけと、その前までの経歴を教えて下さい。
「ある大学で演技を専攻し、外部の舞台にも出ていましたが、TSALに集中したいと考えて大学のほうはやめました。正直、大学の授業よりも実践的で、講師の方のアドバイスも的確なんですよ。プロの方に混ざって外部の舞台に立ったことで、もっとその違いを感じたし、せっかく入学したので親から反対もあったけど本気で役者を目指しているので迷いはなかったですね」
――すでにCMや広告などにも出演していますが、TSALで得た経験はどのように現場で生きていますか?
「昨年、『TOMONY』のCMに受験生役で出演した時のことなんですが、本番までに役作りのために自分で単語帳を作って覚えたりしていたんですね。そういった役に近づくための下準備というのは、TSALでは自然にやっていることで、撮影レッスンなどで事前に役を与えられたら、その人間像をイメージした服などを何も言われずとも用意してくるものなんです。ところが本番でCMのスタッフさんに“単語帳を作ってきたんです”と言ったら、“そこまでする新人もめったにいないよ”とすごく褒められて。TSALでやってることって実はぜんぜん当たり前じゃない、役者として一段高い意識が自然と養われているんだなと感じました」
――TSALでの忘れられないエピソードがあったら教えて下さい。
「参加して1年目にTSAL制作の舞台に出た時に、人生で初めて悔し泣きというものを経験しました。できない自分への悔しさもあったけど、何よりみんなの足を引っ張ってることが悔しくてたまらなくて……。そんな不甲斐ない自分の話を、講師もスタッフも仲間たちも心の底から聞いてくれたんです。その時に、ああ、役者って自分のためだけに頑張るものじゃない、一緒に作品に向かってる仲間たちのためにも頑張るものなんだと思ったし、みんなの眼差しもあって、余計に涙が止まらなくなってました(照笑)」
――TSALの仲間たちはどんな人たちですか?
「役者として以上に、人間として尊敬できる先輩や講師がたくさんいます。ただ自分としては、ただ尊敬しているだけでなく、早くその人たちを越えたいと思っています。あとものすごい知識量の映画オタクが多いですね(笑)。昨年、ポカリスエットの広告が決まった時も“この映画を参考に役作りするといいよ”と教えてくれた先輩もいて、めちゃくちゃ心強いんですけど、ただ“すげえ”って思ってるだけじゃなくて、自分も勉強しなくちゃって刺激になってますね」
取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎
〜格闘家の道を挫折、芝居の道に生きがい〜
有馬健太
ありまけんた●1989年2月7日生まれ。東京都出身。映画『のぼうの城』 、『クローズEXPLODE』五島劣闘 矢島役、映画『新宿スワン』ケン役ほか、舞台もTSAL公演、外部公演など多数出演。ジョージア「この国を支える人々篇」CMにも出演。
「役者である以前に、人間として育ててくれるところです」
――TSALに参加するまでの経歴について教えてください。
「格闘技で上京するために資金を貯めていた矢先に、ヘルニアでドクターストップに。それが16、17の頃だったんですが、それまで格闘技ばっかりでまったく勉強もやってなかったから、他に何もできねえなと一時期はかなり腐ってたんです。そんな時に力をくれた映画『アメリカンヒストリーX』が、役者を志す直接のきっかけになりました」
――演技を学ぶ所は数ある中で、TSALを選んだ決め手は?
「俺はTSALの1期生なんですが、実は『デ☆ビュー』さんの『冬の特別オーディション』でトライストーン・エンタテイメントを受けて一度落ちてるんです。そんな時にTSALができることを知って、正直、養成所というものにはあまりいいイメージがなかったけど、話だけは聞いてやろうと思って行ったんですね。そうしたら変な話、ぜんぜんビジネスっぽくなかったっていうか、もちろんビジネスではあるんだけど、それ以上にスタッフさんたちの“いい役者を世に出す”という熱がすごくて、ここだったら騙されてもいいや(笑)、くらいの気持ちになったんです。入ってみたら、騙されるどころか、こりゃスゲぇと」
――有馬さんは『新宿スワン』などメジャーな映画の現場も数々経験されていますが、TSALでの経験は現場でどう活きていますか?
「つい先日まで、以前出演させてもらったトライストーン製作の映画の続編にまたキャストで呼んでもらったんです。しかも前よりも長いセリフをいただいてたこともあって、事前にかなりいろんなアプローチを考えて臨んだんですが、現場に立ったとたん、それが全部吹き飛んだんですよ(苦笑)。そこをなんとか持ち直せたのは、ここで徹底的に即興をやってきたことも底力になったと思うし、何より俺は1期生でもあるんで、TSALのメンバーとしてみっともない事はできないという思いが大きなモチベーションになりましたね」
――1期生の有馬さんから見て、TSALとはどんなところですか?
「役者である以前に、人間として育ててくれるところです。そもそも人間として成長しなければ、いい役者にはなれないってことは、現場に出ると余計にわかるんですよ。それとここはアクティングラボ=芝居の研究所というだけあって、スタッフも講師も受講生も芝居バカしかいない。だからこそ心からぶつかり合えるし、わかり合える。役者を志す人間であれば、一生付き合える仲間に出会える場所でもあると思います」
取材・文/児玉澄子 撮影/厚地健太郎
トライストーン・アクティングラボ(TSAL)とは?
小栗旬、田中圭、綾野剛、坂口健太郎、木村文乃など、実力派俳優が多数所属するトライストーン・エンタテイメントマネージメント部が運営する俳優養成/演技研究所。現場で培ったノウハウと、本格的な講師の指導により、俳優としてのオリジナリティと魅力を光らせるレベルの高いレッスンを、初心者から経験者までに提供している。代表はトライストーン・エンタテイメントと同じく、数々の大作を手がけてきた映画プロデューサー・山本又一朗氏。TSAL在籍中から映画、テレビドラマ、舞台、CMなどに出演するチャンスを設けている。詳細は下記URLから。
http://tristone.co.jp/tsal/
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