撮影/booro(BIEI) 取材・文/三沢千晶 ヘアメイク/脇坂美穂 スタイリング/山田莉樹
モデルとして、女優として活躍し、ハーゲンダッツやNTTドコモのCM等で注目を集める中条あやみ。福井の女子高生たちが実際に起こした奇跡を映画化した、『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』では、広瀬すずが演じる主人公・ひかりとともに、「全米制覇」の夢を追いかける「チアダンス部の部長・玉置彩乃」を熱演している。同世代の女優が集結し、チアダンスの特訓をはじめ、全力で挑んだという本作への熱い想いを語ってもらった。
「みんなが一人一人自分の役と向き合って。最後の最後まで全力でぶつかった作品」
――映画『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』、拝見しましたが、みなさんの姿に本当に感動しました!
「そう言っていただけて嬉しいです。でも私も自信はあります。ダンスも頑張りましたし、演技もみんなが一人一人自分の役と向き合って、最後の最後まで全力でぶつかったので、その熱い想いをそのままドキュメンタリーのようにした映画だなと思います」
――1人1人のキャラが立っていて、みんなが愛おしくなるような映画でした。そんな中、中条さんの役はチアダンス部の部長であり、知性・美貌・ダンス、全てを兼ね備えた優等生・彩乃という役柄でしたが、役作りは難しかったですか?
「最初はなかなか彩乃になれなかったんです。みんなほとんどダンス初心者で、ゼロからレッスンをしていたんですけれど、この作品は、全米で優勝した実話なので、それくらいダンスのレベルを上げないといけなくて、みんな必死でした。私も自分自身のことでいっぱいいっぱいで役に向かっていく余裕もなかったんです。ダンスもできて勉強もできて、全部完璧でみんな引っ張っていくリーダー・彩乃って、自分とはあまりにもかけ離れているように思えて、あまり向き合いたくなかったところが最初はありました。“部長らしく”って、どうやったらいいのか、1人で悩んでいました」
――1人で背負い込みすぎてネガティブになってしまったんですね。
「そうなんです。そんなときに監督に呼ばれて『クランクインする前から役になっていかないと、急にはできないから、今から彩乃になることを意識していって』と言われたんです。確かにそうだなと思って、自分に何ができるかを考えました。部長ってダンスが上手いだけじゃなくて、輪の中心で声を出して、自分が中心に立つことでみんなにそう思っていただけるのかな?と思って、声を出したりすると、みんなが話を聞いてくれたり、彩乃として変わろうとしているんだなと思ってくれて、すごくいい流れで彩乃になっていくことができました」
――中条さんの気持ち、彩乃に似ていますね。
「“本当はこうしたい”と思ったりするけど、思い通りにならなかったりすると悩みすぎちゃうんです。彩乃はみんなのことを想って頑張っていて、ひかりの笑顔のように生まれ持ったモノではなく、努力で得ているモノだから人一倍頑張らないといけないし、そういうところは似ているかもしれないですね」
――練習中はメンバー同士で声を掛け合ったり励まし合ったりしていましたか?
「それは常にありました。私に対しても、何か言おうとしたときに周りが気づいて『彩乃が話すよ!』『部長が何か言っているよ』っていう感じになったりして。みんなが協力し合っていました」
――中条さん自身は、リーダー気質なんですか?
「いえ、全然!! 私も部活動でバドミントンをやっていたことがあったんですけれど、部長とかではなく、協調性とか団体行動が得意じゃなかったので、シングルスでしたし、部長とかにについていく側でした。なので、今回そういう立場になってみて初めて、当時の部長や先生の気持ちがわかりました。彩乃を演じて学んだことがいっぱいありましたね」
――撮影に入ってからの現場の雰囲気はいかがでしたか?
「本当の女子高みたいでした。差し入れが来るとみんなガッつくし(笑)、口をあけて平気で寝ていたり、お弁当をみんなで食べたり、モノマネやったり……話す内容もくだらないことばかりでしたね。本当に部活動をやっている感覚で毎日楽しくやっていました」
――女子トーク炸裂しましたか。
「(笑)。“キュンキュントーク”とか言って、オススメの恋愛マンガの話をしたり、“あのネタおもしろかったよね”とか、お笑い芸人さんの話をしたりとか。勧められて貸してもらって読んだのが、『センセイ君主』なんですけど、キュンキュンしていました」
――撮影中に、現役のJETSメンバー(福井県立福井商業高等学校・チアリーダー部)が応援に駆けつけてくれたらしいですね。
「感動しました! 私に限らずほとんどのコが、みんなに後れを取らないように必死で自分のために頑張っていたんですけれど、JETSのみなさんが私たちの前で踊ってくださったときに“チアダンスのいいところってこういうことなんだ”ってことに気がついたんです。やっぱり、チアだから応援なんですよね。こんな風に大人数で笑顔で踊ることで、こんなに励ましてもらえるんだなって。本当のチアダンスの意味を理解しました」
――それでみんなのチアダンスが、よりリアルになっていったんですね。
「ハイ。個人個人のダンスに向かう姿勢が変わったんじゃないかなと思います」
――ひかり役の広瀬すずさんとは初共演?
「演技では初めてですね。雑誌『Seventeen』では同じ専属モデルなんですが、撮影で一緒になる機会がなかったんです。だからこうやって演技でずっと一緒にいたというのは新鮮でした。最初に会ったときは、年下の可愛らしい後輩が入ってきたなという第一印象だったので、今回一緒にお仕事をして、すごいタフだなと思ったし、主演としてみんなを引っ張っていてすごいなと思いました。“私もしっかりしなきゃ、頑張らなきゃ”と思わせてくれる存在でしたね。でも、本当に同世代の女優さんたちとみんなで一緒にやれたことは大きかったなと思います。刺激し合えたし、自分が今どういう風に頑張らないといけないかということも見えてくるんですよね」
――中条さんが好きなシーンはどこですか?
「初めてみんなで屋上で踊ったシーンは好きです。ひかりが『辞める』と言ったのをみんなで引き止めて、“1回でもいいからみんなで踊ってみよう”ということで踊ったシーンだったので、みんなでちゃんとダンスを合わせることができた!という喜びが自然に湧きました」
――そのときの、ひかりと彩乃の笑顔がよかったですね。
「屋上で寝転がるっていう、あのシーン、私も好きです」
――実際にアメリカでもロケが行われたわけですが、遠征はいかがでしたか?
「最初は“アメリカに来た―!”って浮かれていたんですけど、作品としてはやっぱりアメリカでの大会シーンが一番の山場なので、気も抜けなかったし、彩乃としても悔しい想いをするシーンがあるので、一番大変だったかな。でも空き時間にホテルのプールで泳いだり、みんなで古着屋さん巡りをしたり、ちょっとだけ観光したりもしたので、オフも楽しかったです。私たちを知らない人ばかりだから、そういう意味でも開放的な気分になれました」
――クライマックスのチアダンスのシーンは、まさに圧巻でしたし、これまでのストーリーが蘇ってきて涙が止まりませんでした。みなさんの涙も美しかったです。
「撮影自体も最後の最後のシーンだったので、“この思い入れのある作品が終わってしまう”という淋しさだったり、“ここまでやってきた”という達成感だったりで胸がいっぱいになって、みんな泣いていました」
――『チア☆ダン』は、そうやってみんなで力を合わせて、ぶつかったり励まし合ったりして夢を叶える物語ですが、中条さんが思う、“夢を叶える秘訣”とは何でしょう?
「彩乃のセリフにあるんですけれど、“努力しても駄目なこともある。でも努力し続けるしかない”という言葉で。それって、どういうことかというと、自分を信じることじゃないかなと思うんです。“自分はここまで頑張ってきたんだから、ここからもできる”って信じてあげることが大事だなと思うし、自分を信じられるレベルになるまで、努力しないといけない。頑張ることと自信ってつながっているんだなって思います」
――では最後に、中条さんのように夢を叶えたいと頑張っている『Deview』読者にメッセージをお願いします。
「私自身は夢に向かってきたというよりも、目の前にあることをがむしゃらにやってきたら今ここにいるという感じなんです。本当に掴みたいモノがあるのだったら、単刀直入に近づくことだけを考えるのではなく、回り道をしても、その道のりは無駄にはならないと思うし、夢がブレなければどんな道を通っても大丈夫だと思います。あとは“自分に合っているモノは他にもないかな?”と探してみるのもいいことじゃないかな。いろんな可能性が見つかって、新しい道が開けると思います」
中条あやみ(なかじょう・あやみ)●1997年2月4日生まれ、大阪府出身。テンカラット所属。2011年に雑誌『Seventeen』の“ミスセブンティーン”グランプリに選ばれ、2012年にドラマ『黒の女教師』(TBS)で女優デビュー。主な出演作に、映画『劇場版 零〜ゼロ〜』、ドラマ『She』(フジテレビ)、映画『ライチ☆光クラブ』、映画『セトウツミ』など。また、主演映画『覆面系ノイズ』(11月25日公開)が控える。
『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』
3月11日(土)全国東宝系にてロードショー
3月11日(土)全国東宝系にてロードショー
(C)2017 映画「チア☆ダン」製作委員会
福井県立福井商業高等学校のチアリーダー部JETSが、「全米チアダンス選手権で優勝」という実話を基に、ごくごくフツーの女子高生が顧問の先生から鬼のような厳しい指導、チームメイトの支えによって成長し、たった3年でチアダンス部が全米制覇するまでの軌跡を描いた感動のミラクルストーリー。
≪story≫
県立福井中央高校に入学した友永ひかり(広瀬すず)は、中学からの同級生の孝介(真剣佑)を応援したいためだけにチアダンス部へ入部する。しかし彼女を待ち受けていたのは、顧問の女教師・早乙女薫子(天海祐希)によって「目標は全米大会制覇!おでこ出し絶対!恋愛禁止!」という超厳しいスパルタ指導!! 早々に周りが退部していく中、チームメイトの同級生・彩乃(中条あやみ)の存在もあり、何とかチアダンスを続けていく決意をするひかり。チアダンス部は“全米大会制覇”に向かって走り出す!!フツーの女子高生たちの夢への挑戦が今、始まる―。
公式サイト: http://cheerdance-movie.jp/
≪story≫
県立福井中央高校に入学した友永ひかり(広瀬すず)は、中学からの同級生の孝介(真剣佑)を応援したいためだけにチアダンス部へ入部する。しかし彼女を待ち受けていたのは、顧問の女教師・早乙女薫子(天海祐希)によって「目標は全米大会制覇!おでこ出し絶対!恋愛禁止!」という超厳しいスパルタ指導!! 早々に周りが退部していく中、チームメイトの同級生・彩乃(中条あやみ)の存在もあり、何とかチアダンスを続けていく決意をするひかり。チアダンス部は“全米大会制覇”に向かって走り出す!!フツーの女子高生たちの夢への挑戦が今、始まる―。
公式サイト: http://cheerdance-movie.jp/
関連記事
-
★『Deview/デビュー』ニュース(2017.3.6)広瀬すず主演映画のモデル・福井商業高等学校チアリーダー部が全米チアダンス選手権大会5連覇達成
-
★『Deview/デビュー』ニュース(2016.8.26)広瀬すず、三吉彩花、中条あやみらSTモデルが美の競演
-
★『Deview/デビュー』ニュース(2016.2.4)中条あやみ、お風呂のなかで“幸せな瞬間”を表現
-
★『Deview/デビュー』トップインタビュー(2016.8.31)広瀬すず/「私の中では“諦める”っていう考えがない。結局は、“戦う姿勢”と“努力”が大切なんだと思う」