撮影/草刈雅之 取材・文/根岸聖子 ヘアメイク/佐鳥麻子(Nestation) スタイリング/杉浦 優(The VOICE)
ドラマ『きょうは会社休みます。』や映画『ストロボ・エッジ』などで、爽やかなイケメンを演じ、女子のハートを鷲掴みにしている、今もっとも注目の若手俳優・福士蒼汰。そんな彼が、大人気デスゲームコミックを実写化した超話題作に挑んだ『神さまの言うとおり』のBlu-ray& DVDがこの度発売されることに。これまでと違った作品・役柄に挑んだ彼に、撮影裏バナシやBlu-ray& DVDならではの楽しみ方などをたっぷりと語ってもらった。
「敵キャラもひどいやつばっかりだけど、よくよく見るとちょっと可愛かったりもするので、楽しみながら観て欲しい」
――最近では映画『ストロボ・エッジ』での一ノ瀬蓮といったカッコイイ男子高生役が好評でしたが、昨年公開された映画『神さまの言うとおり』ではまったく違う作品世界で高校生役を演じてましたね。
「そうですね。それまでにやったことがないような役柄であり、作品でした。キャラクター的には普通の高校生なんですが、作品性が独特でしたから。『神さまの言うとおり』という作品と三池崇史監督という組み合わせは想像がつきましたが、そこに自分が入るということがイメージしづらかったです。なので、“どうなるんだろう!?”という不安みたいなものはありました」
――死ぬか生きるかのデスゲームを描いているだけに、ドラマや映画では、爽やかなイメージだった福士くんの、ビビッていたり、おののいている表情も新鮮です。
「確かに(笑)。台本もセリフが“!”マークだけというところが多かったんです。ダルマが現れたという記述のあとに、自分が演じる瞬のセリフのところに「!」って書いてあるだけで……。そういうところは、前もってリアクションを決めずに、現場で監督が伝えてださる勢いや、その場で自分が感じた恐怖のイメージでやっていこうと思っていました」
――監督から、いろんなパターンを要求されたりとかはあったんですか?
「いや、監督はほとんど任せてくださったんです。芝居に関しても、きっちり説明するのではなく、なんとなくの雰囲気で伝えてくれて。それをこちらがどう受け取るかによるところが多かった気がします。監督が何を欲しているのかを考えつつ、でもあまり考え過ぎずに“思いっきりやっちゃえ!”って勢いでお芝居をすると、監督が『いいねぇ』と言ってくださったり。本当に自由にやらせてもらいました」
――改めて、撮影当時のことを振り返って、大変だった部分は?
「真夏だったので、ねずみの着ぐるみを着ての撮影は大変でした。シーンの撮影が終わったら、上半身部分を脱いで、つなぎみたいに腰で結んでました(笑)。ねずみのシーンは走り回ったり、かなり動きがあったので暑かったです。着ぐるみ自体は楽しめたんですけど(笑)。最初はたくさんの人がそのねずみの着ぐるみを着ていたんですが、物語の進行上、みんな徐々に脱いでいくんです。で、最終的には自分(瞬)しか着てないっていう、ちょっと恥ずかしい状態になって。しかも、そんな格好なのに、真剣な表情で真面目な台詞を言ってる。芝居が終わった後のモニターチェックでは素で、『何してるんですかね(笑)』って、監督と笑いながら観てました」
――巨大なまねき猫や凶悪なシロクマが出てきたり、CGの技術なしには成立しない作品ですが、そういう撮影風景が見ることができるメイキングも収録されているのもDVDならではですね。
「劇場では、撮影の裏側は見られないので、そこは貴重だと思います。実際の撮影ではグリーンバックで、何もないところで驚いたりして。シロクマのシーンでは、“シロクマがいる体で、実際はテニスボールを目印にしてお芝居をしてるんです。“あそこにシロクマが居るので目線を合わせてください”と。普通は相手がいてのお芝居なんですが、“そこにいるんだ”という想像力でやらなければならない。勉強になることも多かったですし、後から映像がつくなら、むしろ自分の自由にもできるなと」
――さすがのポジティブさです(笑)。
「はい(笑)。“こうなったら怖いだろうな”“こうしたらおもしろいだろうな”ということを想像しながら、自由にやらせてもらいました。何かに対するリアクションではなく、自分がイメージを作り上げていく。そういうことは、初めての挑戦でした」
――撮影現場の雰囲気はどうでした?
「出演者がみんな同世代で、漫画の話とかで盛り上がっていました。撮影で、『よーい、スタート!』って声がかかるギリギリまで、オフモードでいたりして。でも、みんなスタートがかかった瞬間、一斉にスイッチをオンにする感じで、その集中力はすごかったと思います。たぶん、それが一番やりやすい方法だったのではないでしょうか。怖いだけの映画ではないので、そこまで暗くなってもいけないなと。監督自ら笑いを提供してくれたりして、むしろ、明るく笑いの絶えない現場でした」
――福士くんの思う、一見怖そうなこの映画の笑いどころというのは?
「ちょこちょこ出てくるんですけど、シロクマのシーンでの『高畑瞬のことが好きか?』という問いに、周囲に『ノー!』と言われまくってヘコむところとか。あれはクスッて笑える感じで、自分でやっていてもおもしろかったです」
――映画が公開された後の周囲の反応はいかがでしたか?
「内容的に、『怖くて観られないかも……』という声はありました。でも、実際に劇場で観られなかったという人も、DVDなら観やすいんじゃないかと思います。部屋を明るくして、友だちや家族と一緒に観れば、笑いも出てくると思うんです。敵キャラも、ひどいやつばかりなんですが、よくよく見れば、ちょっと可愛かったりもするので。楽しみながら観て欲しいです」
――普段、自宅でDVDで映画鑑賞をするときは、どんなシチュエーションで観てますか?
「前にテレビの企画でスピーカーが買えたおかげで音響が充実しているので、自宅のリビングで鑑賞しています。ただ、ひとりがいいので、家族がいるときは観ないです。話しかけられたりすると気が散るので(笑)。ちゃんと部屋の照明を落として、飲み物とかも準備して、集中して観るようにしています」
――福士くんが思う、この作品のDVDならではの楽しみ方みたいなのは?
「どうしても怖くて観られない、血が出るのは苦手だというところは、早送りしたりするとか自分でコントロールできるのはDVDならではですし、そこは自由でいいと思います。最後のほうは感動できる構成だと思うので、刺激を受けつつ、じっくり観てくれたら嬉しいです。ホラーな部分もある映画だけど、エンターテイメントの面白さ、笑いの部分もあれば、真摯に生きることの素晴らしさ、社会風刺みたいなのも入ってる。本当に、みなさんが好きなように観て、感じて、楽しんでもらえればと思います」
――もともとはスカウトがきっかけで芸能界入りをした福士くん。自ら“この世界で頑張るぞ!”と決意をするに至った、転機になった作品は何ですか?
「やっぱり『仮面ライダーフォーゼ』です。高校3年生のときで、受験生でありながらライダーの仕事をしていたこともあり、大学進学を考えてたけれど、100%の力で受験には臨めないなと。それなら、こちらの仕事に100%の力で向かおうと思いました」
――そして今は、まさに“若手俳優注目度No.1”といったポジションにいます。そんな現状については、どう感じてますか?
「いつでも、自分の選択は間違いじゃなかったと思うようにしているので、あのとき、そう決断してよかったと思っています」
――『神さまの言うとおり』の高畑瞬のように「退屈な日常が懐かしい」という気持ちになったりとかは!?(笑)
「そんなことないです(笑)。懐かしさもあるけれど、それはそれでいい思い出だし。今も普通の大学生では経験できなかったことができているので、楽しんでいます。もともとポジティブな性格なので、現状に悩んだりすることってほとんどないんです。悩んでも、時間をかけずにすぐ解決しちゃう。考え方を変えて、別の側面から見れば、“全然、大丈夫じゃん!”ってなるんです」
福士蒼汰
ふくし・そうた●1993年5月30日生まれ、東京都出身。研音所属。公開中の映画『ストロボ・エッジ』に出演中。10月10日公開の映画『図書館戦争-THE LAST MISSION-』に出演決定。5月30日と31日にファンイベント『Birthday Party』を開催する。
ふくし・そうた●1993年5月30日生まれ、東京都出身。研音所属。公開中の映画『ストロボ・エッジ』に出演中。10月10日公開の映画『図書館戦争-THE LAST MISSION-』に出演決定。5月30日と31日にファンイベント『Birthday Party』を開催する。
『神さまの言うとおり』
発売元:講談社 販売元:東宝
(C)2014「神さまの言うとおり」製作委員会
『別冊少年マガジン』で連載がスタートするや否や、その衝撃的な展開と圧倒的なスピード感、先の読めないスリリングな緊張感が大きな話題を呼び、熱狂的なファンを生み出した人気漫画が2014年秋に実写映画化。最先端VFXを駆使した空前絶後の映像化に挑んだのは、鬼才・三池崇史監督。キャストには、福士蒼汰をはじめ、山崎紘菜、染谷将太、優希美青、神木隆之介という若手実力派俳優に加え、ダルマ、まねき猫、コケシ、シロクマ、マトリョーシカのどこか憎めない不思議な魅力を放つ敵キャラには、意表を突く声優キャストがズラリ。バイオレンスとコミカルな描写を融合させた新エンターテインメント作品。スペシャル・エディションには、キャストのインタビュー映像や、未公開メイキングシーン、ジャパンプレミアや初日舞台挨拶の模様など特典映像をたっぷり収録!