アイドルグループ・SKE48の須田亜香里ちゃんが、AKB48グループ初の自己啓発本『コンプレックス力 〜なぜ、逆境から這い上がれたのか?〜』を発売。検索ワードで「かわいくない なぜ人気?」と書かれるアイドルが、いかにしてその逆境を跳ね返し、AKB48グループの「神7」へと躍進したのか!? 『Deview』読者の先輩でもある亜香里ちゃんから、逆境をバネに飛躍するヒントを教えてもらったよ♪
「やりたいことは『やりたい!』と言うこと、とにかく失敗してもいいから行動してみることは大事」
須田亜香里
――オーディションでも使える、須田さん流メソッドを教えてください(徳田歩華)
「オーディションでは目を引くのが大事。みんなと同じことをしないとか、無難にこなさないことも大切だと思います。“みんながこうしているから、同じようにしたほうがいいのかな?”という協調性より、“自分ならこうしたい”と思うことを迷わずやってみること、失敗を恐れずにね。ときには失敗も個性になることもあるから。たとえば、アイドルのオーディションのダンス審査で転んじゃったっていうときに、どんな反応をするか。アクシデントが起きたときに“素”が出たりするので、そのときに何をするかで変わると思う。そのときにすごく落ち込んでしまったら、もしかしたら落ちちゃうかもしれないけど、転んだ瞬間“テヘッ”ってめっちゃ笑ったとしたら受かるかもしれない。もちろん、わざとハプニングを起こす必要はないけど、自分がやってみたいと思うことを、悔いなくやったら、それが自分にしか出せない色になる。それに楽しんでアピールしたら、自然な笑顔も出るだろうし、気負わず楽しんでみてください!」
――弱点やコンプレックスをどのように力に変えたんですか?(佐藤楓)
「まず自分の中で“これがコンプレックス”とわかっているなら、それを克服するためにはどうしたらいいかを考えるんです。たとえば、“人前に立つのが苦手”っていうような漠然とした弱点だったら、“人前に立つときに何が嫌なのか、苦手なのか”を紙に書き出してみる。紙に書くとこれからの課題が見つかりやすくなるし、そういうものを自分の中で1つずつ解消していったら、いつの間にかコンプレックスじゃなくなっていくと思います」
――SKE48の活動を通して、どんなことを克服してきましたか?(徳田)
「“人に選ばれるように頑張ろう”って思えるようになったことです。私は幼稚園のときに『花いちもんめ』をやっても誰も私を選んでくれなかったり、小学校で学級委員長に立候補しても誰も私に投票してくれなかったりした経験があって。人付き合いがあまり上手じゃなかったし、人に選んでもらうためにはどうしたらいいのかわからなくて、それがすごくコンプレックスだったんです。だからこそ、アイドルになったときに、“選ばれる人になりたい”“誰かの特別な存在になりたい”っていう気持ちが人一倍強かった。そういう想いがあったから、もがきながらも前に進んでこられたし、ファンの方にもそういう姿勢が伝わったからこそ、好きになってくれた人も居たと思うので、SKE48として活動して人と繋がることで、自分に足りないものが見つかったなって思います」
TeamDの徳田(左)、佐藤(右)
――“自分の武器”の見つけ方を教えてください(佐藤)
「自分で『これが長所だ!』って言えることって意外と少なかったり、私以外にも上手なコはいるだろうなとか、“これが特技ですって言っても恥ずかしくないかな?”とか、そういうものを考え出したらキリがないと思うけど、自分が自信を持って、ドヤ顔で披露できるものがあるんだったら、それが長所、武器だと思う。何をアピールしたらいいのかわからないなら、自分が好きなことや“見ていて、やっていて気持ちがワクワクする”っていうものを、できるだけ多く増やすことは大事かな。何が好きかを紙に書き出したりすると、自分を客観的に見ることができて、アピールポイントにつながるヒントが見つかると思います。どんなことでもアピールポイントになると思うし、あとはそれをどれだけ自信持ってアピールできるか、だと思います」
――須田さんが思う“夢を叶える秘訣”ってなんですか?(徳田)
「やりたいと思ったことは何でもやってみることだと思います。実は私、ちょっと前まで夢って何なのか、自分のやりたいことって結局何なのか、分からなくなってしまった時期があって。女優さんをやりたいけど、台詞覚える自信もないし、そういう部分で迷惑をかけちゃうかもって思うと『女優さんやりたい』って言うのは失礼なことなんじゃないかなって思って、言えなかったことがあったんです。でも、失敗するかどうかも含めてやってみないとわからない。やりたいことは『やりたい!』と言わないと!!って思ったんです。とにかく失敗してもいいから行動してみることって大事だなって」
――アイドルを目指すコたちに向けて、“コレは大切だよ”っていうことはどんなことですか?(佐藤)
「素直でいることと、傍で応援してくれる人を信じること。『好きだよ』とか『可愛いね』って言ってくれた言葉に、ちゃんと『ありがとう』って言えるのは大事なことだと思います。私はずっと小さい頃から『亜香里は可愛いよ』って言われて育ったんです。親だからそうやって言ってくれていたのかもしれないけど、でもそうやって自分のことを『可愛い』って言ってくれる人がいるってすごく幸せなことだし、感謝しないといけないなって。それを幸せだなって思う気持ちが、人を幸せにする。何事も素直に受け止めることが大事だと思います」
TeamD 徳田歩華
――アイドルやっていて良かったなって思う瞬間はどんなときですか?(徳田)
「やっぱりステージに立っているときと、握手会、それをファンの方からいただいたお手紙を読んでいるときです。会えない間に私のことを考えてくれて、手間のかかる手紙を書いてくれたんだなって思うとすごく嬉しい。私の手元に届くまで少し時差はあるけど、読んでいるとその人のリアルな気持ちが感じられるんですよね。コンサートでも、遠くから来てくださる方や海外から来てくださったりする方、いろんな方の会場までの道のりのこととかも思うと、“あ、私ってこんなに大切に思ってもらえているんだ”って感じますし、アイドルやっていて良かったなって改めて思います」
TeamD 佐藤楓
――逆にSKE48の活動で一番大変だったことって?(佐藤)
「振り覚えが悪いかな。ダンス経験がないままSKE48に入ったので、ダンスがなかなかうまくいかなくて、初めてぶつかった壁でした。ダンスができないとステージにも立てないから頑張るけど、下手だし覚えるのも遅いし……。同じ時間与えられている中でほかの子はできるのに、自分だけできなくて、“自分はこんなにもダメなんだ”って思ってしまって、つらかったことが、今まで大変だったことかな。でも、“じゃあ、みんなに負けないくらいの努力をすればいいだ”と思って、レッスン場でコツコツダンスの練習したり、先生や先輩にわからないところ聞いたり、いろんな人に支えられながら頑張れたので、そのとき悩んで良かったなって思います」
――第9回AKB48選抜総選挙への立候補を表明されましたが、総選挙ってどんな気持ちなんですか?(徳田)
「順位が自分につけられるのはすごく怖いし、誰も票を入れてくれなかったらどうしよう?とか、同時期にデビューしたコよりも上に行きたい、負けたくないとか、いろいろな想いがあります。でも、投票してくださるのはファンのみなさまなので、自分ではどうにもできないところもあったりする。すごく怖いという思いは今もあるけど、その1年の自分の頑張りとか、ファンの方と心を通わせた道のりを思い出して、良くても悪くても、必ず票を入れてくれる人がいるっていうことに、自信を持って喜びたいなって思います。総選挙って客観的に見ているとどうなんだろう。もし、自分が立ったらと思うとどう?」
――自分に順位がつけられるとか思うと、すごく緊張すると思います。私は須田さんが大好きで、いつも総選挙のときに応援しているので、今年も応援します!!(徳田)
「え〜〜〜!めちゃくちゃ嬉しい!ありがとう。そうやって言ってくれる子に出会えて嬉しい!!」
――芸能界で須田さんみたいに、カッコ良く生きるにはどうしたらいいですか?(佐藤)
「ぜんぜんカッコ良くないですよ(笑)。昔は自分のいいところだけ見せたいと思っていて。“どうやったら可愛いって思ってもらえるかな”って、本当に理想の自分だけを見せるということで精一杯になっていたことがあったんです。それはそれで、『可愛いね』って言ってもらえたこともあったけど、お仕事の幅が広がったのは、自分のダメなところも見せるようになってからなんですよね。応援してくれている人たちと同じように、私も苦手克服して頑張っているんだよっていう姿を見せるようになってからは、よりファンの方が近くなったような気がしていて。なので、いろんな人に親近感を持ってもらえるように、悩んでもがいているところも見せながらやるのが、私には合っているなって思うので、どんな自分も包み隠さずいることがいいのかなって思います」
――では、最後に『Deview』読者に向けてメッセージをお願いします。
「やりたいことや自分が興味を持てることがあるというのは、すごく素敵なことだと思います。私自身、“芸能界、やっぱり無理かも”って思ったことや、“やりたいことってなんだろう?”って悩んだこともあったけど、挑戦してみて良かったって思うことしかない。挑戦しないのが一番もったいないと思います。“今の自分に自信があるか、ないか”は置いておいて、まずはとにかくやってみてほしいなと思います。ダメだったとしても、その経験は絶対に今後に残るので、やりたいと思ったことは何でもやってみてください!」
PROFILE
須田亜香里
すだ・あかり●1991年10月31日生まれ、愛知県出身。TWIN PLANET所属。SKE48チームEリーダー。2009年にSKE48の3期生オーディションに合格し、翌年、正規メンバーに昇格。AKB48シングル選抜総選挙では、2013年に16位、2014年に10位と“選抜入り”を果たすも、2015年にまさかの18位に。しかし、翌2016年にその逆境を乗り越え、自身最高順位となる“神7”入りを果たす。
今回参加してくれたTeamDメンバーの感想
佐藤 楓ちゃん
「いつもテレビで見ている存在だったので、直接お会いしていろいろなお話を聞かせていただいて、スゴイなって思いました! 私は今までは失敗が怖くて、やりたいことを『やりたい!』と言えなかったんですが、“やりたいことは言ったほうがいい”という須田さんの言葉がとても印象に残りました。自分もどんどんやりたいことは言っていこう!と思いました。人前で話すのが苦手で、今まであまりそういうことをしたことがなかったけど、恐れずにもっと人前に出ることにも挑戦していきたいです」
徳田歩華ちゃん
「須田さんは憧れの人だったので、会えてすごく嬉しかったです!! テレビで見ていてもずっと笑顔を絶やさないし、きっと大変なこともあると思うけど、みんなを笑顔にする力があって、スゴイなって思いました。私は“自分の長所ってなんだろう?”と悩んでいたので、“自分のアピールを紙に書き出す”というのを実践したいと思いました。私も須田さんのように笑顔を絶やさず、みんなを笑顔にできるような人になりたいと思ったし、モデルやアイドルとか、いろんなことに挑戦してみたいと思いました」
『コンプレックス力 〜なぜ、逆境から這い上がれたのか?〜』発売中/1300円+税/産経新聞出版
AKB48の姉妹グループとして、名古屋を拠点に活動するSKE48に所属する須田亜香里の初の著書。
ポジションはいつも劇場の一番うしろの端。検索ワードで「かわいくない なぜ人気?」と書かれるアイドルが、いかにしてAKB48グループの「神7」へと駆け上がったのか!? 大きな挫折と逆境から学び取った彼女の実践的思考術が詰まった1冊。また、本書では須田の思考術の実践編としてビジネスや人間関係の場で使える「選ばれる人になるための仕事術」も公開。さらに、須田がファンとのコミュニケーションに役立てている“ダスノート”を誌上再現したほか、その思考法を体感できる「書き込み式思考術ワーク」も収録されている。