伊波杏樹インタビュー | Deview-デビュー
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伊波杏樹/「自分が好きなことには正直に。好きなものを好きだと示し続けることで叶う夢がある」

アニメが好きであれば、年齢、性別、国籍不問で誰でも応募できるオーディション『Anistoteles』(アニストテレス)が今年も行なわれる。この募集にむけて、声優アーティストとして活躍する伊波杏樹にインタビュー。デビューのきっかけとなったオーディションについて、所属事務所SMAについてのコメント、そして、これから応募を考えている人に向けてのエールをもらった。

伊波杏樹
Q 声優を目指すきっかけは小学生のときに観たアニメ『CLANNAD』だそうですが、その前からアニメが好きだったんですか?
「観ていたのは『ポケットモンスター』、『ドラえもん』、『おジャ魔女どれみ』で、ガッツリ“アニメ”という形のものにハマったのは『CLANNAD』が初めてでしたね」
Q 誰かに薦められて観たとか?
「たまたま深夜に目が覚めちゃったときにテレビでやっていて、声に惹かれました。それで観始めたら、すっかりのめり込みました」
Q 特定のキャラクターの声に惹かれたんですか?
「そうだったと思います。(ヒロイン役の)中原麻衣さんの声だったかな? 聞いたことのない音が耳に入ってきた感覚でした。子ども向けのアニメとは違った、ナチュラルで、かつアニメの特徴的な声も混ざったように聞こえた気がします」
伊波杏樹
Q すぐ「自分もやりたい」となりました?
「前は女優さんに憧れていたんですけど、当時の自分はコンプレックスの固まりだったので、なることは諦めていたなかでアニメを観ていました。それでもいろいろな作品も観て、1人の方が別のキャラクターを演じていることに驚いて、声優を志すようになりました」
Q その流れで『アニストテレス』に応募を?
「そうですね。16歳のときに。自分から応募したオーディションは専門学校に入るとき以来で、人生2回目でした」
Q そこで『アニストテレス』を選んだのは……。
「自分のなかで『歌』が大きかったんです。小さい頃から歌が大好きで、父が車を運転している隣りでよく歌っていて。『声優になれても歌もやれないと意味がない』くらいの気持ちがあったかもしれません。だから、ソニー・ミュージックアーティスツという事務所はピッタリだと思いました」
Q お父さんの助手席で、どんな曲を歌っていたんですか?
「ミニモニ。とかですね。モーニング娘。さんが好きで、なかでもミニモニ。が大好きだったので。あとは父が歌っている曲を一緒に歌っていました。槇原敬之さんが多かったかな。あとは、ドリカムさんとかKiroroさんとか」
Q 書類審査を通過して、2次審査に向けてはどんな準備をしました?
「『歌と質疑応答があります』ということでしたけど、歌に重きを置いていました。自分が小さい頃から好きだったものが認めてもらえるか、という緊張もあって。2次審査で歌ったのは『創聖のアクエリオン』です。カッコイイ曲をガーッと力強く歌うのが得意だったから、そういう部分を見せられる曲じゃないかと思って」
伊波杏樹
Q カラオケBOXでいっぱい練習したとか?
「もう、すごくしました。その曲だけ何十回も歌って、履歴がそれだけになるぐらいに(笑)。でも、審査では緊張でテンパっちゃって、いつもは聞こえている音が聞こえなかったり、一番いいところの高音がいつも通り出なかったり。ちょっと悔しい想いがありました」
Q それでも2次審査を通過して、最終審査のステージに。
「ファイナルは、お客さんを入れたホールで行なう公開オーディションで、また『こんなことある?』というくらい緊張しちゃいました。内容は歌唱審査でワンコーラス、自分で選んできたアニメのワンシーンの演技披露、あとはMCの方とのトーク企画という流れで、歌はLiSAさんの『oath sign』にしました。何とか2次より上手く歌えたと思います」
Q アニメのワンシーンは何を選んだんですか?
「『らき☆すた』1話の泉こなたがチョココロネを食べるシーンです。他の人はマイクを持ったり、スタンドマイクの前でお芝居してましたけど、私は本物のチョココロネを手に持ってヘッドセットでやらせてもらえたのが、すごく印象に残っています。ステージでリアルにチョココロネを食べながらお芝居して、他の人とは違う形になって」
Q その演技練習も、2次のカラオケみたいにみっちりやったんですか?
「やりました。チョココロネも一時期嫌いになっちゃうぐらい、たくさん食べて(笑)」
Q 他に審査のなかでアピールしたことはありました?
「私、中学3年間、空手をやっていたので、MCでSMA所属の芸人さん“がっつきたいか”さんに回し蹴りをしました(笑)。ステージでお尻を蹴らせてくれました。」
伊波杏樹
Q 『アニストテレス』を受ける人は、みんなアニメ好きなんですよね?
「衣裳で何のアニメが好きか、わかる人もいます。私のときは『マクロスF』のシェリルのコスプレをしていた人がいて、みんなで盛り上がりました。そこが他のオーディションと違う感じがします。和気あいあいとして、でもやっぱりライバルというなか、その場でちょっとした切磋琢磨ができて。楽屋も貴重な時間でした」
Q 準グランプリになってSMAに所属してからは、タレントの立場で事務所の良さはどんな部分に感じていますか?
「話し合いの場をすごく設けてくださるのが『この事務所で良かった』と感じます。今は何が好きなのか? 今後どういう活動をしていきたいのか? やっぱり『オーディションに受かりました。で?』ということも多いと思うんです。『この先どうしよう?』となっちゃったり。SMAのスタッフさんは細かい話し合いを積み重ねてくれて、その都度『じゃあ、こうしたほうがいいんじゃないか』『そのためには何が必要なのか?』と、答えを出してくれることもあれば探させてくれることもあって。厳しい言葉をいただくこともありますけど、そういう場はすごく貴重だと思います」
Q 自分から相談をすることもあるんですか?
「あります。アニメやゲームのオーディションを受けるとき、『この役はどうしたらいいですか?』と相談したり。スマホで録音した台詞をマネージャーさんに送って、メールで意見を返してもらったこともありました。そういうアドバイスを受けて、いざ声を録るときに練習してきたものをパッと出せる状態を作れました」
Q 最初に歌の話も出ましたが、SMAならではのメリットはありますか?
「すごくあります。やっぱり歌のことを細かくケアしてくれるのが一番ですね。ボイストレーナーさんの所でのレッスンに連れていってくれて、歌ってみて何が足りないかアドバイスをいただきます。所属アーティストさんのライブにも足を運ばせてもらえるし、女優さんもいるので舞台も観劇させてもらえて。それが自分の助けになって、感化されることもあります」
Q SMAには話題のアキラ100%とか、芸人さんも所属しているから、お笑いライブにも行ったり?
「行きたいとマネージャーさんに話しています。間合いとか勉強したいので。役立つ部分が多いと思うんですよね」
Q 舞台も精力的に出演していますね。
「デビューが舞台だったので。専門学校でも『体で表現することが声のお芝居に繋がる』と教えられて、もともと舞台も積極的にやって、声優に活かして両立させたいと思っていました。歌でも何でも大事なのは表現力で、そういう意味では舞台は自分にとって軸になる大切なものですね」
伊波杏樹
Q 今後もいろいろなジャンルで活動していきたい?
「芝居でも歌でもしっかり表現ができる役者になりたいです。帝国劇場でミュージカルに出演するのも、ひとつの夢です。平野綾さんが自分のなかでは大きな存在で、いつか共演できたらと思っています。夢はいっぱい持っていて、ひとつひとつクリアしていけば勇気や自信になるし、応援してくれる人への恩返しにもなると思っています」
Q そんな伊波さんの夢の入口が『アニストテレス』だったわけですが、去年もゲストとしてオーディションを観たんですよね。
「観ていても緊張はしますね(笑)。『私はこれが好きなんです!』という想いの強い人が、ファイナリストになっていたように感じました。好きなことをやっているときが、その人が一番輝くじゃないですか。そこを審査員の方も見て評価するんだと思います。お客さんもアニメを好きな方ばかりなので、気負わなくていい感じもしました」
Q 今回受けようと思っている人に伝えたいことはありますか?
「実は私は受けるかどうか、ずっと迷っていたんです。やっぱりオーディションは怖いし、いろいろな人からいろいろなことを言われるので。でも今は、自分が好きなことには正直でいたほうがいいと思っています。好きなものを好きだと示し続けることで叶う夢があるし、自分が諦めてしまったら、その先には進めない。怖くても始めの一歩を踏み出せば、その向こうに素敵な景色を見られるかもしれないので、ぜひ勇気を出して応募してほしいと思います」
伊波杏樹(いなみ・あんじゅ)
1996年2月7日生まれ。2012年ソニー・ミュージックアーティスツ主催のアニメオーディション「第2回アニストテレス」準グランプリを受賞。2013年短編アニメ映画『陽なたのアオシグレ』(ヒナタ役)にて主役デビュー。以後、舞台『NARUTO-ナルト-』(山中いの役)、舞台『FAIRY TAIL』(エンジェル役)、舞台『スーパーダンガンロンパ2 THE STAGE』(澪田伊吹役)、TVアニメ『ラブライブ!サンシャイン!!』にて主役(高海千歌役)を演じるなど声優・女優・歌手として活躍中。
撮影/mika 取材・文/斉藤貴志
SMA ソニー・ミュージックアーティスツ アニメ大好きオーディション Anistoteles vol.6
SMA ソニー・ミュージックアーティスツ アニメ大好きオーディション Anistoteles vol.6
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