ぶらり旅番組と中堅アイドルと人生と(3/3) | Deview-デビュー
2015年3月31日

 「スケジュール帳が白いと不安」「休みはいらないから仕事が欲しい」。中堅クラスのタレントがよくこんな話をする。自分は彼女たちほど影響力のある仕事をしているわけではないが、フリーの中堅ライター(?)としては、まったく同じことを思う。

 乃木坂46で当初は選抜メンバーだったが最近はアンダー続きの中田花奈を、縁があってよく取材する。彼女はテレビで「(2ndシングルの)「おいでシャンプー」が私の全盛期」とネタ的に話していたが、取材では「いつかまた全盛期が来ると信じて頑張ってます」と言っていた。自分も最近、仕事をいただいていた雑誌がたて続けになくなり、このコラムも終わる状況で、“一緒に頑張ろうね”と心の中で思った。

 同時に、決めてることがある。もし仕事がまったく来なくなったら、世界を旅してこようと。自分の中の一種の予防線。仕事がないのは由々しき事態だが、そのときには旅ができる。それはそれで楽しいから良いではないかと。最初に書いた通り、旅に目的はない。今さら自分探しでもない。ただ知らない街を歩きたいだけ。

 でも散歩がしたいなら、人生も散歩ノリでいいのかな…てなことも思う。人生は旅だとか冒険だとかカッコイイことは言えない。けど、知らない街をどこにたどり着くかわからずに行く散歩は、フリーランス人生に似てるかも。仕事があるときもないときも、風景のひとつ。全部を眺めながら、ブラブラ行こうかと。

 唐突ですが、虹を見たことはありますか? 絵に描いたような大きな半円の虹を。自分はヘルシンキで見ました。バルト海沿いを散歩していて、街に戻ろうとしたら道に迷ってしまい、そのうち雨が降り出して。やんだ頃、どこをどう歩いたのか海沿いに逆戻りしていたのですが、海に美しい虹が掛かっていて…。道に迷ったから虹を見られた。そんなことが人生でもあるかも。なんてね。

 コラムを読んでいただき、ありがとうございました。またどこかで。(終わり)


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