ぶらり旅番組と中堅アイドルと人生と(2/3) | Deview-デビュー
2015年3月30日

 個人的なことで恐縮ですが、自分はもともと、このサイトを運営するオリコンに勤めていて。「weekly oricon(現オリ★スタ)」や「月刊デ☆ビュー」(2015年4月号で休刊)の編集部を経て、8年前からフリーになりました。もともと編集より自分でインタビューしたり原稿を書くライター仕事のほうが好きだったのと、もっと旅行に行きたくて。

 ところが、海外旅行は昔より行けなくなった。オリコン時代は夏休みと年末年始には必ず行ってたのが、今は年末年始だけ。夏休みは仕事をいただく各社で時期がまちまちなため、フリーはいつでも休めるようで常に休めない。というか、自分はそんな売れっ子ライターではないが、いつ仕事が入るかはわからないから。

 でも総じて、社員とフリーとどちらが良いか聞かれたら、フリーのほうが断然良い。今のことだけで言えば。いろいろな媒体で社員時代より遥かに多くのタレントを取材できたし、企画持ち込みで自分がやりたかったこともいくつかは実現した。

 特に大きかったのは“歌うアイドル専門”の雑誌を小さな編集プロダクションから立ち上げたこと。AKB48ブームが来る少し前で、別に先見の明があったわけでなく、当時は“落ち目”と言われていたハロー!プロジェクト中心の本を作りたかったのだ。

 歌うアイドルと言っても、当初はハロプロ勢に、人気が出る前のAKB48とアイドリング!!!…というぐらいで、誌面を埋めるのに苦労した。それがAKB48が大ブレイクして、新たなグループもどんどん生まれると、逆にページが足りなくなった。一方、大手出版社の雑誌もAKB48始め歌うアイドル中心になり、“歌うアイドル専門”は特色でも何でもなくなった。その弱小誌は今は微妙な感じになっている。

 といった具合で、フリーランスは明日が見えない。このコラムも今回が最終回。6年も続けさせてもらい感謝しかないが、仕事はこんなふうに突然なくなる。将来を考えると常に不安だ。そんな中で、取材するタレントの気持ちは少しわかるようになった。(続く)


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