さくら学院“成長期限定”の真実(5/5) | Deview-デビュー
2015年3月26日

 さくら学院の課外活動として、中元すず香と共にBABYMETALでも活躍中の菊地最愛と水野由結。ただの重音部だった小5の頃は、ハンドマイクで歌う中元の両脇を小さい2人がクルクル回るのが、本当の人形みたいでかわいかった。

 あれから5年。そんな2人がいつの間にか背も伸び、最上級生の中3になり、菊地は生徒会長、水野はプロデュース委員長に。そして、間もなく卒業を迎える。“あの小さかった2人が…”と思うと、勝手ながら感慨を覚える。子供がいる方の気持ちが少しわかった。

 田口華、野津友那乃を含めた今年度の卒業生4人を取材する機会があった。菊地は2010年の赤レンガ倉庫での初ライブをDVDで観ると、自分でも「ちっちゃくてかわいいな」と思うとか。水野は「今では考えられないぐらい声が高い」と話していた。

 彼女たちにとって最後のアルバム『さくら学院2014年度〜君に届け〜』には、卒業生4人で歌った「宝物」という曲がある。歌詞に“しゃぼん玉みたいな時間 まだ壊したくない”とあり、田口が「しゃぼん玉がパチンと消えちゃうように、さくら学院に入ってから時間が流れるのがめちゃめちゃ早かった」と言っていた。そして、4人とも「まだ卒業を受け入れたくない気持ちもあります」と口を揃えた。

 学校の卒業と同じだ。ずっとこのままでいたいと思っても、そういうわけにいかない。次の場所に行かないと。“成長期限定”の一番の意味もそこにあるかも。アイドルとして学びながら、アイドルだけで終わらないために、時間が来たら旅立つ約束。

 4人は「いつかさくら学院卒業生の寮を作って、みんなで住みたい」とも話していた。寮はともかく、彼女たちが先輩たちに続いて活躍し、何年後かにスター同士になって集う姿は見える気がした。

 同じ場所にい続けないことは、大人にも必要かもしれない。このコラムも次回分で最後になります。(終わり)


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