さくら学院“成長期限定”の真実(2/5) | Deview-デビュー
2015年3月23日

 大手プロダクションのアミューズから2010年に結成されたさくら学院。アイドルブームの中でスターダスト、エイベックスなどに続く参入。大手も乗ってくるほど、今のアイドル市場はオイシイのか…との印象だった。

 さくら学院は“成長期限定ユニット”と謳っていた。メンバーは小・中学生のみで、中3の3月をもってグループからも卒業するのが決まり。これも当初は、単なるコンセプトに思えた。

 というのは、当時乱立するアイドルグループの中で差別化を図ろうと、様々なコンセプトのグループがいたから。CA風衣裳で空の旅がテーマのぱすぽ☆、魔法使い見習いのアフィリア・サーガ・イースト、男装の腐男塾…。アイドルの本家本流ハロー!プロジェクトでも、スマイレージが“日本一スカートの短いアイドル”を売りにしていた。

 なので、下は小学5年生からいた“成長期限定ユニット”も、要はロリ好きをターゲットにしたコンセプトかと。だが、“学校生活とクラブ活動”をテーマにした展開は筋が通っていた。

 “教室エンターテイメント”と銘打ち「公開授業」というイベントを開催。メンバーが生徒になり、講師はダンスやコントなど芸能系のときもあるが、宇宙、ロボット、書道、俳句などの専門家を招き、楽しみながらお勉強。その成果を生かし、惑星について歌った「Planet Episode 008」や動物の生態がテーマの「アニマリズム」など“賢くなれるシリーズ”の楽曲も生まれた。

 クラブ活動ではバトン部 Twinklestars、クッキング部ミニパティといったユニットが生まれ、その一つだった重音部BABYMETALが世界的にブレイク。それもあくまで結果で、年若いタレントたちを芸能人としても人間としても育てる趣旨の学校的展開は良心的に思えた。中でも、ビジネス度外視かと驚かされることもあって。(続く)


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