2015年3月19日
確かNHK大河ドラマ『八重の桜』で、西島秀俊が上半身をはだけてマッチョな体を見せて以来だと思うが、ドラマで男性俳優がやたら裸になり出した。奥様方に喜ばれて視聴率が上がるのだろうか。
昼メロならぬ“夜メロ”を謳った『セカンド・ラブ』でも、亀梨和也がよく脱ぐ。ダンサー役で上半身裸で踊るほか、毎週1回は深田恭子とのベッドシーンがあって。「見てると触りたくなるんだ」なんて会話が飛び交う。
それで、この夜メロの視聴率はというと、23時台で初回8.2%から7.4、6.3、7.3と…停滞。同じ枠の前クールはジャニーズの後輩・中島健人が主演した『黒服物語』で、初回9.7%。その後は落としたが平均7.6%。このままだと亀梨ドラマは負けそうだ。
役者として亀梨の持ち味が最も出るのは、憂いを帯びた役だと思う。その際たるものが『妖怪人間ベム』だったが、『セカンド・ラブ』でもそういうシーンはあった。
所属していたドイツのダンスカンパニーとの契約を切られ、港での肉体労働のバイトで食いつなぐ日々。カンパニーにはより才能ある日本人ダンサーが入って。そして、彼らの日本公演に向けて通訳の仕事を依頼され…。
川辺で夕焼けを眺めながら悩む亀梨の姿は胸に染みた。いっそ挫折したダンサーの物語にしてしまえば…と思ったが、夜メロの中ではただの通過点。彼は振付師として評価され仕事が舞い込むように。そして家に帰れば、また深田と絡み合って。挙げ句、心は離れる。
亀梨の引き締まった裸や深田も背中ヌード、何かもうそういったシーン見せるためだけのドラマという感じ。大石静氏の脚本なのに物語は薄っぺら。それで奥様方にウケてるならまだしも、視聴率は下がってるし。 結局こちらも『まっしろ』の“白い大奥”同様、“夜ドラ”というコンセプトに引きずられた気がする。面白くないが、どんな企画書だったのかは想像できる。企画書の上では、すごいドラマになると思えたのだろうけど。(終わり)
戻る