コンセプトは正解でも結果は不正解なドラマ(3/5) | Deview-デビュー
2015年3月17日

 “白い大奥”と宣伝されていた病院ドラマ『まっしろ』の1話がオンエアされると、ネットでは「つまらない」と不評の嵐だった。現役の看護学生から「看護の仕事をなめすぎてる」との声も。

 単純にかわいく思える堀北真希らのナース姿だが、ナースキャップは実際は不潔との話が出て、10数年前からほとんどの病院で廃止されていると。さらにミニ丈スカートやヒールで「メイド服みたい」とも。

 さらに、セレブ患者たちを“お客さま”と呼び、食事を出したり肩を揉んだりするのも「看護師はお世話係ではないのです」と、勘違いする患者が出ないか危惧している。でも、その心配はないかも。普通に観ていて“ありえへん!”と思うから。

 こうした批判は番組側も予想していたようだ。公式HPには“このドラマをご覧になる前に”との欄があり、「TPPが批准されたらホテルのようなホスピタリティーを提供する病院が出てくるでしょう」などとしている。ナースキャップについても「ビジュアルの楽しさもホスピタリティーかも」という。劇中の病院は「架空の、しかし、理想の病院のひとつの形を提案したつもりです」。

 そう言われてもねぇ。ドラマは放送が面白いかどうかがすべて。HPで注釈されても。たぶん会議とかで“白い大奥”というキーワードが出たときは「それだ!」と盛り上がったのだろう。『白い巨塔』要素、『大奥』要素…といろいろ組み立てていくうちに「あれ?」みたいな。全部の良さを入れたつもりが、どの良さも落ちてないか?

 セレブ病院の設定も「面白いね」「ナース服はこうだね」などと言いながら作っていったら、いつの間に変なことになり、HPで「こういうつもりだったんです」と言い訳せざるを得なくなったのでは。全部想像だけど、そう思えてしまう。“白い大奥”という言葉だけが、呪文のように残って。(続く)


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